石狩沼田幌新事件とは?人喰い熊に村が襲われた原因なども紹介!

大正時代に北海道で起きた石狩沼田幌新事件は、5人の村人が帰らぬ人となってしまった悲惨なヒグマ襲撃事件です。しかし、事件は風化しつつあります。そこで、今回は石狩沼田幌新事件の詳細や原因などについて、詳しく取り上げていきましょう。

石狩沼田幌新事件とは?人喰い熊に村が襲われた原因なども紹介!のイメージ

目次

  1. 1人喰い熊出現で村が震撼した石狩沼田幌新事件とは?
  2. 2石狩沼田幌新事件とは?
  3. 3石狩沼田幌新事件の概要
  4. 4石狩沼田幌新事件の原因は?
  5. 5石狩沼田幌新事件のその後は?
  6. 6幌新の現在は?
  7. 7石狩沼田幌新事件以外の重大獣害事件
  8. 8熊に襲撃されない対策法は?  
  9. 9クマに出会った時に絶対に避けるべき対処法
  10. 10重要な教訓を残した石狩沼田幌新事件

人喰い熊出現で村が震撼した石狩沼田幌新事件とは?

皆さんは恐ろしいヒグマがのどかな村を襲撃し、多くの死傷者を出した石狩沼田幌新事件をご存知でしょうか?1923年に北海道雨竜郡沼田町にある、のどかな幌新地域で発生し、国内の獣害事件の中で2番目に深刻な被害を受けた事件となりました。

しかし、この石狩沼田幌新事件をよく知らないという人がほとんどでしょう。そこで、今回は石狩沼田幌新事件の恐ろしい詳細や、原因などについて、詳しく取り上げていきたいと思います。

石狩沼田幌新事件とは?

石狩沼田幌新事件とは、北海道の石狩沼田幌新地区で大正期に起きた大きなヒグマ襲撃事件です。祭りをしていた村に、突如大きなヒグマが侵入し、5人の命を奪いました。

被害者の中には、ヒグマの討伐に向かったベテラン猟師も含まれており、歴史に残る事件となったのです。以下では、事件の現場となった石狩沼田幌新地区について、詳しく調べていきましょう。

石狩沼田幌新地区とは

石狩沼田幌新地区は、北海道の内陸部にある地区で、事件が起きた大正期には手つかずの自然が豊富に残っていたそうです。針葉樹林がたくさん生えていたため、山の中には多くのヒグマが住んでいたとされています。

さらに、冬眠をするヒグマは気温が低い山を好むので、石狩沼田幌新地区はヒグマにとって住みよいエリアだったのです。

村民たちは長年、熊と人間が共生するための工夫を続けていましたが、時折飢えて気が立ったヒグマが村人を襲う事件が起きていました。作物をヒグマに食べられてしまう被害も多く、村人はヒグマを常日頃から警戒していたのです。

石狩沼田幌新事件の概要

村人5名が、突如ヒグマに襲われ亡くなってしまった石狩沼田幌新事件は、現在ではあまり注目されません。そのため、初めて石狩沼田幌新事件を知ったという人が多いでしょう。

そこで、以下ではまず石狩沼田幌新事件の概要について、詳しく取り上げていきたいと思います。

当日は祭りが開催されていた

石狩沼田幌新事件が発生した1923年8月21日の夜、石狩沼田幌新地区では地元で毎年行われている祭り「太子講」が開催されていました。

聖徳太子を拝み、豊作や健康を祈るというお祭りで、村人たちはご馳走を食べながら歌い踊り、楽しい時を過ごしていたのです。

帰路の途中でヒグマが襲撃

お祭りがお開きとなると、村人たちは一斉に自分の家に帰り始めました。山道を下って帰ろうとしていた8人の村人の集団の前に、突如ヒグマが現れたのです。しかし、当時は真っ暗の状態だったため、8人はヒグマが接近してくるまで気付きませんでした。

その結果、最初に最後尾にいた19歳の青年が背中を爪で引き裂かれたのです。

命は取り留めた青年は、前を歩く7人に危険を知らせようとしましたが、ヒグマは次々と村人を襲い、男性一人を即死させた後、その男性の兄弟である男性に重傷を負わせて連れ去ったのです。

家屋に逃げ込むも再襲撃

ヒグマから必死に逃げた6名は、たまたま近くにあった家屋に逃げ込みます。その家は、襲われた兄弟の実家であり、老いた両親が住んでいたのです。

できる限りのクマ避け対策をして身を隠した6名ですが、ヒグマは玄関のドアを壊して侵入してきました。家主である男性はスコップでヒグマと戦いますが、ドアごと押し付けられ身動きが取れなくなってしまいます。

その後、ヒグマは隠れていた家主の妻を引きずり出し、咥えて連れ去っていってしまったのです。

狩人が討伐に向かうが行方不明になる

生き延びた7名は朝になると、通りかかった村人に救助されました。昨夜のヒグマの襲撃事件を知った村人たちは、他の生存者を探すために山を捜索したのです。しかし、無残にヒグマに食べられた3名の遺体が見つかり、村人たちは恐怖に襲われます。

その後、ベテランの猟師3名が集められ、討伐計画が話し合われたのです。しかし、この際1人の猟師が単独でヒグマを追って山に入ってしまいます。その猟師は行方不明となり、後日遺体となって発見されたのです。

その後討伐隊によって射殺

ヒグマ討伐計画を安全に遂行するために、翌日には300人もの人員が集められました。山に入った討伐隊員は、すぐに大きなヒグマを見つけ、猟銃を発砲しました。しかし、ヒグマは弾を避け、隊員2人を襲ったのです。

襲われかけた隊員が放った散弾銃がヒグマの急所に命中すると、ヒグマはひるみ、その隙に他の隊員たちが次々とヒグマに発砲しました。ようやくヒグマは大人しくなり、隊員たちは安心したのです。

5人の死亡者を出す獣害事件だった

石狩沼田幌新事件では、最初に襲われた兄弟2名とその母親、猟師1名と討伐隊員1名の合計5名の命が奪われました。仕留められたヒグマは体長2m、体重200kgという巨体で、解剖されたヒグマの胃からは、被害者の遺体の一部が出てきたのです。

石狩沼田幌新事件の原因は?

石狩沼田幌新事件の後、事件が起きた原因を突き止める調査が行われました。その結果、原因は死亡した馬を村の敷地内に埋めていたことと判明しました。

ヒグマは村に埋められていた馬の死骸を餌として食べており、たまたま集団で通りかかった村人たちが餌を奪う敵と認識したのです。

ヒグマは元々餌の独占欲が強く、餌を強奪しようとする他の動物には狂暴になる習性があります。そのため、最初にヒグマと会った村人8名を、そのような動物と見なし、攻撃し出したのではと推測されたのです。

石狩沼田幌新事件のその後は?

惨たらしい石狩沼田幌新事件は、その後村で語り継がれていきました。以下では、石狩沼田幌新事件の事件がその後どうなったのか、解説していきましょう。

ヒグマの毛皮は幌新小学校に保存

石狩沼田幌新事件で仕留められた巨大なヒグマは、毛皮にされ地元の小学校で保管されました。現在も幌新地域ではヒグマが時折出没するため、地元の小学生たちへの注意喚起のために、ヒグマの毛皮は活用され続けたのです。

現在は沼田町郷土資料館に展示

石狩沼田幌新事件のヒグマの毛皮の傷みが激しくなったため、現在ヒグマの毛皮は沼田町郷土資料館に移されています。現在も展示されており、入館者はだれでも見ることができるのです。関心がある人は、ぜひ一度郷土資料館に足を運んでみてください。

幌新の現在は?

石狩沼田幌新事件が起きた幌新地域では、事件後に炭鉱の町として栄え、ヒグマが生息するエリアは縮小し続けたのです。現在、ヒグマの数は減少しているので、ヒグマが出没する事件も減っています。

しかし、今もヒグマを目撃したという声は時々上がるので、注意が必要です。

石狩沼田幌新事件以外の重大獣害事件

石狩沼田幌新事件と同様に、狂暴な動物に人間が襲撃されたという事件は全国で起きています。以下では、石狩沼田幌新事件と似ている悲惨な獣害事件2つを、詳しく紹介していきましょう。

十和利山熊襲撃事件

十和利山熊襲撃事件は、2016年に秋田県の鹿角市十和田大湯近くにある、十和利山で起きた獣害事件です。山菜やタケノコの収穫で訪れていた男女7名が、突然出没した大きなツキノワグマの集団に襲われ、4名が亡くなってしまいました。

戦後に起きた獣害事件の中で、一番最悪なケースとされています。

三毛別羆事件

1915年に北海道の苫前郡苫前村三毛別地区で起きた三毛別羆事件は、日本で最も深刻な被害を出した獣害事件として有名です。北海道の開拓に訪れていた人々が、大きく狂暴なエゾヒグマにしつこく襲われ、7名が悲惨な死を迎えました。

その後、組織された大規模な討伐隊によって、体長2.7m、体重340kgというエゾヒグマは仕留められたのです。

熊に襲撃されない対策法は?  

クマに襲わないようにするには、具体的にどのような対策をしたらよいのでしょうか?以下では、クマ対策となる方法も、詳しく説明していきましょう。クマが出没するエリアに出向く予定がある人は、ぜひ以下の対策を実践してみてください。

ラジオを流しながら歩く

力が強い上に素早く、利口でもあるクマに人間は対抗できません。そのため、クマと出会わないための対策が必要なのです。クマの警戒心が強いことを利用して、鈴を鳴らしながら移動するということは、定番のクマ対策と言えるでしょう。

しかし、鈴の音ではクマが人と気付かないこともあるのです。そこで、携帯ラジオを流しながら歩くと、人の気配に敏感なクマをより確実に追い払うことができます。

匂いのある食べ物を携帯しない

クマは鼻が利く動物でもあるので、強い匂いを発する食べ物を持ち歩かないということも、有効なクマ対策になります。例えば、ハイキングやピクニックでは、ニンニクや玉ねぎといった匂いの強い味のお菓子を、おやつとして持ち込んでしまいがちです。

そのような少量のお菓子の匂いにも、お腹を空かせたクマは引き寄せらえてしまいます。クマが出没する地区では、匂いのある食べ物は携帯しないようにしましょう。

クマに出会った時に絶対に避けるべき対処法

クマに出会ってしまった時には、クマを極力刺激せず、ゆっくりと後ろに下がっていくようにしましょう。死んだふりをするという対処法が有名ですが、クマは獲物が死んだと認識すると、本格的に食べようとしてしまいます。

さらに、大声を出して威嚇するという対処法も、クマをパニック状態にさせてより狂暴化してしまう可能性が高いのです。そのため、死んだふりや威嚇するという対処法は、絶対に避けるようにしてください。

Thumb【夢占い】熊の夢の意味!クマに襲われる・逃げる・追いかけられる夢など
可愛い熊はキャラクターとしてはよく目にしますが、一方で本物の熊との関わりは日常でほとんどあり...

重要な教訓を残した石狩沼田幌新事件

今回は5人の命が失われた石狩沼田幌新事件について、詳しく取り上げました。石狩沼田幌新事件は悲惨な事件ですが、得られた教訓はしっかり地域に受け継がれ、仕留められたヒグマの毛皮は注意喚起のために利用されています。

現在もクマの襲撃事件は起きているので、この事件のことを忘れず、クマへの警戒心は常に持つように心がけましょう。

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ