節操(せっそう)の意味や使い方とは?節操のない人の特徴も紹介
「節操がない」という言葉をよく聞きませんか?デリカシーがない人や貞操観念が薄い人に対して言うことが多い言葉でもあります。ですがその意味をしっかりとご存知でしょうか。今回は「節操がない」の意味からその使い方、節操がない人の特徴までご紹介いたします。
目次
よく耳にする「節操」を正しく使おう!
「節操がない」という言葉を聞いたことはないでしょうか。「節操」という言葉は日頃よく使われますが、その意味をしっかりとご存知でしょうか?今回は「節操がない」そして「節操」の意味から使い方、そして節操がない人の特徴についてご紹介いたします。
「節操」の意味とは?
まず「節操」とはどのような意味なのでしょうか?「節操」とは、「ルールや決まりごとをしっかりと守ってその信念を変えないこと」です。「節操」はルールをしっかりと守ることに対する大切さ、そしてそれらを守り通す人の姿を表した言葉です。
これらのルールは日常生活や社会での決まりごとはもちろん、小さな人との約束事や倫理観など、あらゆる人の観念が含まれています。「節操」はそれらの決まりごとをしっかりと守ることができる、筋の通った人を表す言葉としての意味合いが強いです。
その意味を当てはめて「節操がある」人とはそれらの小さな決まりごとや人としての守るべき価値観をしっかりと守り通すことができる人を指す言葉でもあります。人を褒める表現としての意味合いが強い言葉で、美点を表す表現でもあります。
「節操」の類語と意味
それでは「節操」は置き換えるとどのような言葉になるのでしょうか?こちらでは「節操」の類語とその意味を合わせてご紹介いたします。まずは「節操」の類語一覧から見ていきましょう。
・規律(きりつ) |
・操(みさお) |
・節度(せつど) |
・節義(せつぎ) |
これらのようにやはりルール規範をしっかりと守ることを意味する言葉が「節操」の類語にあたります。これらの意味について、以下でそれぞれご紹介いたします。
「規律」の意味
「規律(きりつ)」とは「人としての行動の基準・ルール」を意味する言葉です。「規律」の方がルールとしての意味が馴染み深いという方が多いかもしれません。特に明確に定められた法律や校則などを指す意味合いが強い言葉でもあります。
「規律正しく生きる」などの使い方のように、人としての規範に則ったまっとうな生活を送る人に対して使われる表現などにもよく登場します。特に人が社会を生きる上で守らなければいけないことを総称する意味合いが強い言葉が「規律」です。
元はキリスト教など宗教において教えを守ることを指す言葉であったり、軍隊など統制のとれた集団の守るべきルールや掟についてを指す使い方が多く、その集団に属する人がきっちりと守らなければいけない、破ってはいけないルールが規律です。
「操」の意味
「操(みさお)」とは「意志を決め、それを貫くこと」を表す言葉です。特に定められたルールや法律などよりも、倫理観や貞操観念など、人が社会集団の一員として生きる以上守るべきことをしっかりと守ることを表す言葉としての使い方が主流です。
特に別の意味では女性に対して、「純潔を守ること」という意味も含まれています。女性はひとりの男性に対してのみ受け入れる意志の強さ、また浮気や不倫を絶対にしないという意志の強さを見せることを「操を立てる」と表現する使い方もあります。
その意味から転じて、「操」とは「精神的に成熟した人」を表す言葉としての意味を持ち合わせます。なのでその意味をとって、「操(みさお)」で漢字一文字の男性名として使われることも珍しくありません。
「節度」の意味
「節度(せつど)」とは「行き過ぎない程度」など、人が守るべきルールの範囲内での行動を守っている人を意味する言葉としての意味合いが強いです。人はきっちりルールを守ってきっちりと全員が同じ正しい行動を取る、という訳ではありません。
そのルールの範囲で思い思いの行動をすれど、人としてのルールは守っていることを表す言葉が「節度」です。飲み会で騒ぎすぎないことを注意するとき、「節度を守って飲みましょう」と言うことが多いです。それらは決まりの範囲内を守るという意味を持ちます。
また、現在はあまり使われてはいませんが「節度」とは「命令」という意味も含まれています。古い文献などでは「節度」を「命令」と意味するものも多く、特に上司や国からの命令に対して「節度」という使い方をする場合もあります。
「節義」の意味
「節義(せつぎ)」とは「人として正しい行いをすること」という意味があります。特に節操(人としてのルールを守ること)と道理(世の中の理を重んじること)の二つの意味を持ち合わせた言葉としての意味合いが強いのが「節義」という言葉です。
社会集団を生きる人として守らなければいけないルールを守り、人のために、社会のために良い行いをすることができる人としての意味が強く、「節義を重んじる」という使い方もよくされます。「節義を重んじる」とは節義の意味を大切に守り実行することを指します。
「節操がない」の意味とは?
「節操がない」とは「信念がなく主張がすぐに変わること、貞操観念が薄いこと」という意味があります。一般的には定められたことは守っているけれど、人として大切なことを守ろうとする意志がない人を表す言葉としての意味が強いです。
また、「貞操観念が薄いこと」は例えばすぐに浮気をしたり、異性と関係を持つなど、恋人がいるのにも関わらずその恋人を裏切ってしまうような行動を平気で取ることを意味します。もちろん恋人に限った話ではなく友人や家族なども同様です。
「節操がない」の類語と意味
こちらでは「節操がない」の類語についてご紹介いたします。「節操」の意味も合わせて、その類語の意味をしっかりと知っておきましょう。
・無節操(むせっそう) |
・いい加減(かげん) |
・八方美人(はっぽうびじん) |
・軽率(けいそつ) |
これらのように、人を蔑視するような言葉が「節操のない」の類語として挙げられます。これらの言葉の意味と使い方について見ていきましょう。
「無節操」の意味
意味はそのまま、「節操が無い」の「無い」を「節操」の熟語の前に置いただけです。ひとつの単語として「節操がない」ことを表すことができるので、「無節操な人」などこちらの表現でも使われることが多いです。
「いい加減」の意味
「いい加減」も「節操がない」の類語です。「大雑把で適当」という意味を持つ「いい加減」は日常でもよく使う人も多いのではないでしょうか。特に仕事面などで「節操がない」という言葉を表現する際に用います。
「八方美人」の意味
「八方美人」も聞き馴染みがある言葉のひとつです。「八方美人」とは誰に対しても良い顔をして相手に媚びを売るという意味で使われることが多く、他人に相手を合わせたり、適当に同調する「節操がない」人の一面に合致する言葉です。
「軽率」は「軽はずみな行動をとること」という意味があります。言動や行動が短絡的で、その場しのぎの、また目先の利益しか考えないような行動をとることを表す言葉で、「節操がない」の類語としても挙げられます。
「節操」の使い方《例文紹介》
それでは「節操」「節操がない」の意味がわかったところで、その使い方についてご紹介いたします。「節操」の意味をしっかりと使いこなして、日常のボキャブラリーに幅をもたせましょう。よくあるシーンに当てはめて言葉を覚えるととてもわかりやすいです。
それぞれの具体的なシーンや情景に当てはめて、「節操」という言葉の使い方についてご紹介いたします。3つのポイント別にご紹介いたしますので、「節操」そして「節操がない」という言葉の意味や使い方をマスターしましょう。
例文①人の恋人に手を出すなんて節操がない
恋人がいる人に手を出して関係を持ってしまうなど、人としてのルールに則っていない行動を取る人のことを「節操がない人」と言うことがあります。人が守るべき倫理観や秩序がないことを表し、人を蔑視したり罵るような言い方で使われることが多いです。
例文②あの人は話を合わせるだけの節操のない人だ
特にビジネスシーンでよく使われるのがこの使い方で、「自分の主張がない人」も「節操がない人」と意味することがあります。例えば会議などで人に話を合わせるだけだったり、人を見て自分の意見をコロコロ変えるような人に対して使われることもあります。
例文③この前彼氏と別れたばかりなのに節操がないなあ
恋人と別れたらすぐに違う恋人と付き合い始める、など恋人が絶えない人に対しても「節操がない」と表現することがあります。前の恋人なんてもう忘れたかのように楽しそうに振る舞う姿に対して軽蔑、また嫉妬の意味を込めて表現することが多いです。
節操がない人の特徴
それでは実際節操がない人はどのような特徴を持ち合わせているのでしょうか?こちらでは節操がない人の特徴についてご紹介いたします。実際あなたの周りにも「節操がない」と言われている人はいませんか?その人はこれらの特徴に当てはまるかもしれません。
行動理念は「自分に得かどうか」
俗に節操がないと言われている人は、その行動の中心にある思考は「自分に得かどうか」です。もちろんこの気持ちは誰でも持っていることであり、自分にとって得かどうかを考えることは日常生活においてとても大切なことでもあるのは確かです。
ですが、その行動があからさまで、逆に言うと自分に得ではない物に対しては徹底的に興味がなく、やろうともしません。仕事などで誰かがやらなければいけない雑用仕事などを引き受ず、あれこれ理由をつけて他人に押し付けようとするなどの行動が挙げられます。
また自分に興味がある物、自分にとって得だと思う物に対しては他人を押しのけてでも掴み取ろうとします。ある意味決断力が早いことにもつながりますが、そうすることで今まで持っていた大切なものを簡単に手放して後になって後悔することもあります。
考え方が短絡的で優柔不断
周りに意見を合わせることが多い節操がない人。だからこそ、いざ自分で物事を決めなければいけない場面に立たされた時、とても優柔不断になります。いつも短絡的な考え方で、目先の自分の得のみを考えてきた仇が出たと言うべき特徴でもあります。
優柔不断で大切な決断をする能力が欠けていることから、本当に大切な切断を迫られた時に慌ててしまうタイプで、そうした特徴から、目の前で自分の決断を迫られた時、例えば詐欺師などから追い詰められれば意見を押し切られ騙されてしまうので要注意です。
また、基本的にお金や仕事に対する意識も低いことがその特徴として挙げられます。なので仕事をしても続かない、貯金が貯まらず浪費ばかりしてしまうなどの行動が挙げられます。そうした考え方が短絡的でゆるいところもしっかりと注意しなければいけません。
周りを振り回してしまうタイプ
周りを振り回してしまうタイプでもあります。節操がない人はその特徴として先ほど例文でも触れたように、周りに合わせて意見をコロコロと変えます。最初はこう言っていたのに気分や何やらが変わったら意見は簡単に逆転します。人に意見を合わせることも多いです。
特に自分に興味のない決め事に対しては、人に合わせる傾向が強く、好きな人がこう言っていたから自分もこうする、など人に意見を合わせることも珍しくありません。何を決めるのもその時の気分。そうした特徴から人から信用されないのも特徴です。
社会生活を送っていると自分にとって人生に関わるような大きな決断に迫られることもあります。そんな時であっても周りの意見に合わせたり、決断をコロコロ変えるので周りはそれに振り回されてしまい、やがて人は離れて行ってしまいます。
集中力がなく飽き性な人が多い
節操がない人は自分の興味がないことに関しては全く無関心なので、集中力がなく、飽き性な人が多いことも特徴のひとつです。はじめは頑張っていたことでも、目先の新しいこと、面白そうなことを見つければすぐにそっちの方に言ってしまうなどが挙げられます。
なのでひとつのことを集中して続けられることは、節操がない人にとってはとても稀なことであることが多いです。頑張っていることでも少し面白そうなことを見つければそちらの方にいってしまうので成し遂げられることも成し遂げられません。
継続性がないので、例えばジムや習い事も、最初のうちはしっかりと通っていても、他の興味のあることを見つけたり、飽きてしまえば次第に行かなくなってしまいます。そのように自分の思うことに忠実すぎるが故に飽き性な一面も持ち合わせています。
誰かと長く付き合うことができない
恋愛についても同じことで、特に大きな特徴がこちらです。人は誰かと好きで付き合ったとしても、次第に一緒にいることが当たり前になってしまい、マンネリや飽きを感じてしまいます。そんな時に他の素敵な異性が現れた時、節操がない人はどうするでしょうか。
その行動はとてもシンプルで、恋人がいるにもかかわらずその目先の異性にアピールをして浮気をしたり、不倫をするなどが挙げられます。相手に恋人がいても同じことで、自分に振り向いてくれたら、そして自分が愛されればそれで問題なしと考えています。
なので誰かと長く付き合うこと、誰かと結婚して幸せな家庭を築くことはとても難しい人が多いのも節操がない人の特徴だと言えます。安定した関係性を築くことができず、いつも喧嘩別れしたり浮気の常習犯であることがその特徴です。
節操のない人か自分を見直してみよう
いかがでしたか?今回は「節操」「節操がない」の意味から節操がない人の特徴までご紹介いたしました。節操がない人は基本的に人から信用されず、自分の損得では動かないことから周りが振り回されてしまいますので、しっかりと距離を取ることが大切です。
また、自分が節操がない人になってしまってはいませんか?その特徴をしっかりと確認することで、その特徴から脱却してよりよい自分になることを意識して行動するようにしましょう。そうすることで人から好かれる人物像に近づくことができます。