2019年01月04日公開
2019年01月04日更新
今日も今日とての意味や類語とは?使い方を例文も用いて紹介
「今日も今日とて」という言葉を聞いたことはありますか?なんとなく聞いたことはあっても、意味をしっかり説明しろと言われると、難しいのではないでしょうか?今回は「今日も今日とて」とは、どんな意味なのか、使い方や類語などをご紹介します。
目次
「今日も今日とて」の使い方をマスターしよう
「今日も今日とて」という言葉を、耳にしたことはありますか?なんとなく聞いたことはあっても、しっかりと意味や使い方を説明できる人は少ないのではないでしょうか?
日常会話では、あまり使うことのない表現ですが、小説の一説として出てきたりして、目にしたことがあるという人も多いでしょう。
今回は「今日も今日とて」とはどんな意味なのか、どんな時に使うと良いのか、具体的な例文も参考にご紹介します。「今日も今日とて」の使い方をマスターして、日本語のボキャブラリーを増やしてみては、いかがでしょうか。
「今日も今日とて」の意味とは?
「今日も今日とて」とは、どのような意味なのでしょうか?「今日も今日とて」とは、「今日も今日と言って」という意味の言葉であり、昨日と変わらない日常を表すときの表現方法です。
「今日も今日とて」と使われている箇所を、「昨日と同じように」や「毎日同じように」と言い換えることもできるでしょう。
毎日の変わらない様子を「今日も今日とて○○だ」という言い方をして使います。「今日も今日とて」の後に続く事柄が、変わらないことの内容です。
「今日も今日とて」の語源や元ネタは?
「今日も今日とて」という言葉に、古めかしさを覚える人もいるようですが、語源はあるのでしょうか?「今日も今日とて」という言葉の成り立ちや、語源に関して調べてみました。
また、「今日も今日とて」が広く使われるようになった理由ともいえる、元ネタについても調べてみました。
「今日も今日とて」の語源
「今日も今日とて」の「とて」という表現は、古文の「徒然草」や「土佐日記」にも登場する、古くからある表現です。
「とて」は古語であり、「〜と言って」という意味で使われる助詞です。なので「今日も今日とて」は、「今日も今日と言って」という意味になります。また、名詞の後に続くと「だって・でも」といった意味も加わります。
そして、当時の表現を現代の表現に直すと、「今日になったからと言っても、特別何も変わりない」という意味になります。これが、「今日も今日とて」の語源と言えるでしょう。
「今日も今日とて」の元ネタ
古語に源流がある「今日も今日とて」という言葉が、現代でも使われるようになったのは、映画や小説、アニメなどの影響があるでしょう。
古い言い回しは、実際に会話している場面では、なかなか使われることがありません。しかし、小説や漫画の中では、しばしば洒落た表現として、使われることがあります。
「今日も今日とて」は語呂も良いので、映像作品であるアニメや映画でも使いやすく、その分一般にも広まりやすかったのではないでしょうか。
「今日も今日とて」の類語表現
相も変わらず |
明けても暮れても |
何も変わらず |
「今日も今日とて」には、明確な類語というものは、存在していません。しかし、同じような意味合いを持つ言葉には、いくつか当てはまる言葉や表現があります。
「毎日」や「いつも通り」なども、同じ意味を表す表現です。しかしそれでは「今日も今日とて」のニュアンスは伝わらないでしょう。ここからは、言い方のニュアンスも近い、表に挙げた3つの類語について、詳しくみていきましょう。
相も変わらず
「相も変わらず」とは、「相変わらず」を少し形を変えた言い方で、表現した言葉です。ニュアンスとしては「今日も今日とて」にかなり近い言葉といえるでしょう。
「今日も今日とて」と異なる部分は、自分に対して使うか、相手や他人に対して使うか、という部分です。「今日も今日とて」は自分に対して使う表現であるのに対し、「相も変わらず」は主に相手や第三者に対して、使われることが多いでしょう。
「相も変わらず彼は○○ばかりしている」や「相も変わらず君は○○だね」という使い方が、よくある使い方でしょう。
明けても暮れても
「明けても暮れても」も「毎日変わりなく同じことをしている様子」という意味の言葉です。「今日も今日とて」の類語といえる言葉でしょう。
「明けても暮れても」は、相手に対しても自分に対しても、使うことが出来る表現です。「彼は、明けても暮れても○○ばかりしている」や「私の生活は、明けても暮れても○○ばかりだよ」などの使い方が出来るでしょう。
慣用句としても、よく耳にする言葉なのではないでしょうか。
何も変わらず
「何も変わらず」は「相変わらず」とほぼ同じ意味で使う言葉です。類語表現の中では、最も凡庸な言葉でしょう。気取った言い方でも、くどい言い方でもなく、意味合いを付けずに「変化のない様子」を表すことが出来ます。
相手に対して「何も変わらず、お元気ですか」と聞くことや、「毎日、何も変わらず○○しています」と答えるような使い方が出来るでしょう。自分に対しても、相手や第三者に対しても、どちらに使ってもOKです。
「今日も今日とて」は言い換えが無限
「今日も今日とて」は、明確な類語表現が無いものの、言い換えが可能な表現が沢山あります。
「今日も今日とて」と同じような詩的な言い方にすると、先ほど挙げた「相も変わらず」や「明けても暮れても」の他、「来る日も来る日も」などの表現があります。
単純に「毎日」や「ルーティーン」や「いつも」という単語で言い換えることも出来るでしょう。少しマイナスな意味を加えると、「代わり映えのない」や「代わり映えしない、「ワンパターンな」などの言い換えが出来ます。
「今日も今日とて」と同じように、良いニュアンスも悪いニュアンスも含まない言い方であれば、「昨日と同じように」や「普段通り」や「今日もまた」や「いつも通り」という言い方も出来ます。
これらは、会話の中でも使いやすい言い方でしょう。それだけ言い換えが沢山ある言葉も、なかなか無いのではないでしょうか。それだけ「いつもの同じ」日常を過ごす人が多い、ということなのかもしれません。
「今日も今日とて」の使い方
「今日も今日とて」は、どのような使い方をする言葉なのでしょうか?「今日も今日とて」とは、そのあとにつづく言葉や事柄を、強調するときに使われます。
「今日も今日とて、あの人のことばかり気にしてしまう」という文章があれば、「あの人のことが気になっている」という事柄を、強調させるために「今日も今日とて」を使うのです。
「今日も今日とて」とは、何も日常が変わらない様子を言いますが、変わらないことが大事なとき、変わらないということを強調させたいときに、使うようにしましょう。
また、「今日も今日とて」は、基本的に自分に対して使う言葉です。相手の行動に対して「君は、今日も今日とて○○しているね」という使い方は、あまりみられません。
言葉の意味としては「昨日と変わらず」や「毎日毎日変わらずに」という意味なので、相手にも使えそうな気がしますが、そうではないのです。「今日も今日とて」を使う時は、相手の行動に対して使ってしまわないように、注意しましょう。
「今日も今日とて」を使った例文
それでは、具体的に「今日も今日とて」を使った例文を見ていきましょう。
「今日も今日とて」の使い方別に、3つの例文を挙げてみました。例文を参考にすると、「今日も今日とて」を使う場面が、より分かりやすいでしょう。
例文①今日も今日とて家の中は騒がしい
これは「今日も今日とて」という言葉を、昨日と変わらない日常を表す表現として、使っている例文です。小さい子供がいる家庭や、大家族の人が使う例文でしょう。
決して「騒がしい」ことが嫌だと言っているわけではなく、「この騒がしさが我が家らしさだな」と思っているような、明るい雰囲気が読み取れます。
この例文から読み取れるように、「今日も今日とて」という言葉は、なにげない日常を慈しむシーンでも、使うことが出来そうです。
例文②今日も今日とて職場へ向かう
これは「今日も今日とて」という言葉を、毎日のルーティーンとして使っている、表現です。日常生活での、自分の決まり事に対して、使うことが出来るので、「今日も今日とて、いつもの定食屋へ足を運ぶ」などの使い方も出来ます。
他にも「今日も今日とて、メイクのために鏡に向かう」や「今日も今日とて、彼のことばかり頭に浮かぶ」など、様々な例文が作れます。
ルーティーンとして使っている使い方ですが、前提として「今日も今日とて」に続く文章を強調するために使うので、「歯を磨く」や「顔を洗う」など、誰もが当たり前にやっていることには、使わないでしょう。
例文③今日も今日とてアイツは遅刻だ
これは「今日も今日とて」を、いつまでたっても改善が見られない状況に対して、使っている表現です。何度注意しても改善が見られない状況に、半ば諦めてしまっているようなニュアンスが伝わってきます。
改善できていない様子を表しているので、「今日も今日とて」の後には、マイナスな出来事や表現が続いています。他にも「今日も今日とて愚痴ばかり」や「今日も今日とて、私の意見を聞く気はないようだ」などの例文が挙げられます。
このような使い方は、よく見られる使い方なので、「今日も今日とて」という言葉にマイナスなイメージを持つ人もいるようです。
「今日も今日とて」は悪い意味なの?
「今日も今日とて」とは「毎日飽きもせず」や「なんの変化もなく」というニュアンスがあるため、悪い意味なのかと思う人もいるでしょう。しかし、必ず悪い意味で使われるというわけでは、ありません。
「今日も今日とて」自体には、マイナスな表現は含まれていません。しかし「今日も今日とて」は、その後に続く文章を強調させる言葉です。なので、後に続く言葉が「嫌い」や「つまらない」などマイナスな表現になると、悪いイメージも膨らんでしまいます。
それによって、「今日も今日とて」自体が悪い意味の言葉だと、勘違いする人がいるのでしょう。「何も変わらない」というのは、マイナスなイメージを持つ人もいるでしょうが、決してそんなことはありません。変わらない幸せというものもあるものです。
変わらない日常は是か非か
「今日も今日とて」が悪い意味にとらえられがちなのは、「変わらない日常」というものが「変化のないつまらないもの」と思われることが多いからではないでしょうか。では、「変わらない日常」は悪い事なのでしょうか?
「毎日の様子が変わらないこと」は決して悪い事ではありません。もちろん、辛い出来事が毎日続くことは、悪い事でしょう。しかし、「平凡」という意味の日常が続くことは、実はとても素晴らしいことなのです。
「変わり映えのしない毎日」も、後から思えば、かけがえのない時間だったりするものです。学生時代などが当てはまるでしょうか。
日々に刺激を求めるのも良いですが、ありふれた日常にある小さな幸せにも、目を向けてみると、より充実した生活が、送れるのではないでしょうか。
それでも、「日常がつまらない」と感じているなら、なにか好きなことに熱中する時間を作ったり、ふらっと知らない土地に行ってみたりすると、新しい出会いがあるかもしれません。
「今日も今日とて」の英語表現
「今日も今日とて」という言葉には、英語表現はあるのでしょうか?これはどの国の言葉にも当てはまることですが、日本語は日本独自の言い回しや表現があり、必ずしも英語に訳せるというわけではありません。
特に、慣用句などは、英語に訳すのがなかなか難しい表現方法でしょう。では、「今日も今日とて」という言葉は、英語に言い換えることができるのでしょうか?
「今日も今日とて」という言葉を英語表現として伝えるには、どういう言い方があるのかを調べてみました。難しい日本語を英語で表現できると、ネイティブの人と言葉を交わすときにも、気の利いた言い回しが出来るようになるでしょう。
day after day
「今日も今日とて」という言葉を、的確に英語で表現するには「day after day」という言葉を使うと良いでしょう。これは、和訳すると「来る日も来る日も」になり、「今日も今日とて」の言い換えとして、十分ニュアンスが伝わるでしょう。
もちろん「今日も今日とて」は「毎日変わらず」という意味なので、「毎日」という意味の「every day」を使っても、意味は通じます。
しかし、「今日も今日とて」という言葉の微妙なニュアンスを伝えるには「day after day」の方が、より細かい意味が伝わるでしょう。
day in and day out
もう一つ「今日も今日とて」の英語表現としておすすめなのが、「day in and day out」です。こちらは和訳すると「明けても暮れても」という意味になり、「今日も今日とて」という言葉の意味を、しっかり伝えられる英語表現でしょう。
「今日も今日とて」という言葉が持っている「毎日変わらず」というニュアンスを、しっかり伝えてくれる英語表現です。
「今日も今日とて」をマスターして詩人気分に
「今日も今日とて」という言葉の使い方は、しっかり伝わったでしょうか?少し詩的な印象もある言葉なのは、語源が古語にあったからかもしれません。
変わらない日常は、つまらない日々のようにも思われがちですが、変わらない日常の中にかけがえのない時間もあるものです。
平凡になりがちな毎日を、少し良いものに思えるように、「今日も今日とて」という言葉を使って、変わらない日常を表現してみても、いいかもしれません。