エトセトラ(etc.)の意味とは?などなどの使い方も例文で紹介

「エトセトラ」を使ったタイトルの曲がヒットしたり、ビジネス文書で使われたりと、馴染み深い言葉ではありますが、正しい使い方を知らない人もいるかもしれません。「エトセトラ」の使用例の他、「エトセトラ」のスペルや語源など、「エトセトラ」のトリビアもご紹介します。

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目次

  1. 1何気に使っている「エトセトラ」
  2. 2「エトセトラ」の意味とは?
  3. 3「エトセトラ」の語源
  4. 4「エトセトラ」の使い方《例文紹介》
  5. 5「エトセトラ」を使う際の注意点
  6. 6英語と日本語の「エトセトラ」の使い方の違い
  7. 7「エトセトラ」を使いこなそう

何気に使っている「エトセトラ」

「エトセトラ」は、海外でも活躍する人気ロックバンド「ONE OK ROCK(ワンオクロック)」の曲のタイトルにもなっている言葉ですし、女性デュオ「PUFFY」のヒット曲のタイトル、『渚にまつわるエトセトラ』で耳に残っている人も多いでしょう。

よく聞く言葉ですし、小説や漫画でも目にすることがあります。

便利な言葉ですが、意味や使い方があやふやなまま使っていませんか?ビジネス文書や専門書、論文などでも目にする機会が多い「エトセトラ」の意味や語源、使い方の例などをご紹介します。

「エトセトラ」の意味とは?

「エトセトラ」とは、「...など(等)」「...や、その他」を意味する副助詞です。例を挙げるときに、例が多すぎて列挙しきれない場合、それだけに限らないという気持ちを込めて、残りの例を略するときに使われます。

文字表記する場合は、カタカナか、略式英語を使います。

「エトセトラ」の英語表現は「etc.」

「エトセトラ」を英語で書くときは、「etcetera」ではなく、「etc.」と省略形を使うのが普通です。「etc.」と書いてあっても、「イーティーシー」とは読みません。

英語でも「エトセトラ」と発音しますが、アメリカでは、「etc.」と書いてあっても、「and so forth」と読むこともあります。

日本語の文章でも、「エトセトラ」とカタカナ表記するより、「etc.」と英語の略式表記にしたほうがスマートで格好良く見えます。

「エトセトラ」の類語

「エトセトラ」とは、それ以外にもまだありますという意味を込めた表現です。類語としては、同列の事柄を列挙するのを省略するときに使う「などなど」「等々」や、いろいろな事柄をぼかして表現する「云々(うんぬん)」などが考えられます。

その他には、「以下省略」「他多数」などもあります。

「エトセトラ」の語源

「エトセトラ」の語源は、ラテン語の「et cetera」です。発音は「エトセトラ」より「エトセテラ」に近いです。英語表記の「etc.」は、このラテン語の「et cetera」を略したものです。

「etc.」の最後の「.(コンマ)」は、省略していることを示しています。数学の証明や、小説やドラマで、刑事や探偵が事件の推理を披露したときにも使われる「Q.E.D.」にも、「quod erat demonstrandum」の略を意味する「.」が使われています。

ラテン語の「et」は、英語の「and」に当たり、「cetera」は「the rest」という意味です。つまり、「エトセトラ」は、「and the rest」となり、「その他何もかも、何やらかにやら」「...などなど」という意味になります。

「エトセトラ」の使い方《例文紹介》

「エトセトラ」はたくさんの例を挙げるのを省略したり、話の範囲をぼかしたりするのに大変便利な言葉です。具体的には、一つ、または複数の例を挙げた後に、「エトセトラ」または「etc.」と続けます。

実際にどんな使い方をするのか、「エトセトラ」や「etc.」の使い方の例を見てみましょう。

例文①「私の趣味は、読書、映画鑑賞、旅行、エトセトラです」

もっとも一般な使い方が、いくつか例を挙げ、その他に「エトセトラ」と続けるパターンです。「エトセトラ」を付けると、「他にもまだたくさんあるけれど、全部挙げていてはきりがない」というニュアンスが伝わります。

好きな食べ物や今まで読んだ中で面白かった本、行ってみたい場所など、たくさんあり過ぎて全部はとても話しきれない、書ききれないときに使います。多くて挙げきれないと理由だけでなく、面倒くさいという理由で「エトセトラ」を使う場合もあります。

「好きな食べ物は、バナナ、リンゴ、ミカン、トマト、チョコレート、エトセトラです」とか、「行ってみたい国は、アメリカ、ドイツ、カナダ、フィンランド、中国、エトセトラです」など、何にでも応用できます。

例に挙げるのは一つだけでもかまいません。「今まで読んだ本で印象に残ったのは、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』エトセトラです」などと言えば、相当な読書家に見えるかもしれません。

例文②「結婚相手に望むのは、優しさ、誠実さ、エトセトラです」

「嘘は言っていない。でも本当のことも言いたくない」というときにも、「エトセトラ」は有効です。「エトセトラ」を使えば、話を曖昧にすることができます。

結婚相手に優しさや誠実さを求めているのは本当ですが、それ以上に経済力や容姿の美しさを求めているとしても、「エトセトラ」でくくってしまえば、あからさまに言わずに済みます。

また、「エトセトラ」には、具体的に言いたくないことや、話の内容の薄さを誤魔化す働きもあります。

上の例では、「本当はアイドルの追っかけが趣味だけど言いたくないな」というときや、「たいした趣味はないから困ったな」という場合です。当たり障りのない例を挙げた後、「エトセトラ」と言っておけば丸く収まります。

例文③「エトセトラでいいでしょう」

「エトセトラでいいでしょう」とは、「その他もろもろの扱いでいい」という意味で、重要度が低い案件について用いられます。

ちょっと特殊な使い方ですし、正式な使い方とも言えませんが、ビジネススラングとして、このようなかたちで「エトセトラ」を使う場合がまれにあります。この場合は文書においても「etc.」とは表記せず、「エトセトラ」と書きます。

初めて耳にした人は、いったい何のことなのかさっぱりわからないでしょうが、「エトセトラ」を「その他」と変換できれば、何となく言っている意味は理解できます。

「エトセトラ」を使う際の注意点

「エトセトラ」は応用範囲が広く、とても便利な言葉です。とはいえ、使う際には注意が必要です。とくに英語で使う場合は、間違いが多いので気をつけてください。

日常的に使うことはまれ

「etc.」は、商業文書や専門書などで使い、それ以外で用いられることはほとんどありません。一般的には、「etc.」の代わりに、「and so on」や「and so forth」、または「and the rest」や「and the like」を使うのが普通です。

もちろん、私的な文書や、仲間内でのやり取りに使ってもいけないわけではありませんが、「etc.」は格式ばった印象を与えるということは覚えておきましょう。

コンマが必要

例を複数列挙する場合は、「and」ではなく、「,」を使います。「私は、バナナ、リンゴなどが好きです」と言う場合、「I like banana,apple,etc.」となります。「etc」の前の「,」を忘れないように気をつけましょう。

例に挙げる物が1つだけの場合は、「I like banana etc.」となり、「,」は必要ありません。

主語に用いたときは単数扱い

「エトセトラ」は、「あれやこれや」という意味なので、つい複数形を使いたくなりますが、「etc.」は単数扱いです。「色などは重要ではない」と言う場合は、「The caller etc. is not important.」とするのが普通です。

また、日本人は「etc.」のピリオドを忘れがちなので、その点も注意しましょう。

英語と日本語の「エトセトラ」の使い方の違い

英語では、「趣味は、テニスと野球とサッカーとサイクリングとカメラとキャンプと釣りと料理と...」と、たくさんある例を省略する場合にのみ、「etc.」を使います。

日本語のように、話をあやふやにしたり、誤魔化したりするために「etc.」を使うことはありません。

また、日本語の「...など」には、それだけには限らないがという気持ちを込めて一例を示す使い方があります。例えば、「お茶などいかがですか」と言う使い方をするときがそうです。しかし、英語の「etc.」にはそのような使い方はありません。

「エトセトラ」を使いこなそう

「エトセトラ」は、本来の意味の基づいて、長いリストを省略するとき以外にも、話をうやむやにしたり、複雑そうに見せかけたりするときにも、使える便利な言葉です。

複数の肩書を持っていて全部を書ききれない場合は、名刺に「モデル、デザイナー、スタイリスト、作家、画家、料理研究家など」と書くより、「etc.」を使うほうがスマートです。

もともと「etc.」は、商業文や学術書などに使われる単語なので、堅い文書のときなどは、「1や2などの問題があります」と書くより、「問題点は、1と2、etc.です」と書いたほうが格好良いかもしれません。

「...など」は、いろいろなシーンで頻繁に使われる言葉ですから、同じように「エトセトラ」も使いこなしてみてはいかがでしょうか?

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