カタルシスの意味や効果とは?心理学用語の言葉を徹底解説

カタルシスの意味や効果、心理学としての用語の意味を解説します。カタルシス効果という言葉を聞いたことはありますか?カタルシス効果とは、心が浄化されることで辛い症状が軽くなることです。医学の用語としても使われている言葉です。カタルシスの語源も紹介していきます。

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目次

  1. 1カタルシス効果を知っていますか?
  2. 2そもそも「カタルシス」の意味とは?
  3. 3「カタルシス」の語源
  4. 4カタルシス効果とは?
  5. 5カタルシス効果を得たい人にお勧めの本
  6. 6カタルシス効果の活用法《マーケティング編》
  7. 7カタルシス効果の活用法《恋愛編》
  8. 8カタルシス効果を活用しストレス発散を

カタルシス効果を知っていますか?

カタルシス効果という言葉は、時々聞きますが、意味が分からない、使い方が分からない方もいるのではないでしょうか。カタルシスとは、心の浄化という意味になりますが、医学用語として、また心理学としても使われています。

心の浄化の方法は色々ありますが、苦しみから解放されたいと思いながらも逆効果なことをしている人もいます。

今回は、カタルシス効果の語源や意味を知ると共に、本当の意味での心の浄化ができるよう具体的な方法を紹介していきます。

そもそも「カタルシス」の意味とは?

カタルシスとは、哲学や心理学で「浄化」を意味する言葉です。浄化の元々の意味は「隅々まで洗い流されて綺麗になること」です。

カタルシスは精神の浄化なので、「心の中にある悶々とした思いがスッキリと洗い流される」ことになります。

カタルシスを得る、カタルシスを感じる、などの使い方をされますが、両方とも「精神が浄化された」という心理用語や意味となります。

「カタルシス」の類語

「カタルシス」や「カタルシスを得る」の類語としては「浄化」「解除反応」「心が洗われる」「浄化される」「心が綺麗になる」「心が救われる」「心が癒される」「心が清められる」「清々しい気持ち」「魂が清められる」

・・などがあります。カタルシスは、心や精神が晴れる、綺麗になる、清らかになる、洗われると言った言葉と同義語となります。

「カタルシス」の語源

ここで「カタルシス」の語源について見て参りましょう。日本語でないことは確かですが、なぜ「心が洗われる」の別用語として「カタルシス」が使われるようになったのでしょうか。

元々は医学用語?

カタルシスは、元々は医学用語であると言う説もありますが、ウイキペディアによれば「アリストテレスが演劇学用語として使った後に医学用語として転用された」となっています。

どちらが先か本当のところは不明ですが、いずれにしてもカタルシスはギリシャ語の「お清めの儀式」が語源となっているようです。医学用語のカタルシスは「薬物を用いて、嘔吐や下痢を起こさせる」こととなっています。

昔は今のように衛生的な環境が整っておらず、ばい菌や悪いものを体内に入れてしまい病気になることがありました。薬物を使って一時的に体内の悪い物を出すことで快方に向かうような治療を、おこなっていたのだと思います。

アリストテレスの著書より演劇用語に?

アリストテレスとは、古代ギリシャの哲学者です。プラトンの弟子でもあります。その業績は多岐に渡り近代哲学にも大きな影響を与えました。

カタルシスはアリストテレスの著書「詩学」の中の悲劇論の中で使われています。詩学の中では「悲劇が観客の心に恐れや憐れみの感情を呼び起こすことで精神を浄化する効果」となっています。

しかし、アリストテレスは、劇中の登場人物の心が浄化されるのか観客側なのかは言及しておらず、また、心理学や医学的な用語ではなく、単なる演劇用語として捉えていたという説もあります。

19世紀後半から心理学用語として使用

その後、カタルシスは「観客側の恐れと憐みによって」心の浄化がされるもの、という心理的な理解になっていきました。

また、精神科医で心理学でも有名な「フロイト」が、カタルシスを使い初めました。このあたりから、カタルシスは心理学の用語として認識されはじめます。

すなわち「カタルシス」は、代償行為(演劇などで恐れや憐れみを感じること)によって得られる満足感、スッキリした気持ちや心理状態をさす言葉となったのです。

カタルシス効果とは?

では、カタルシス効果とは具体的にどんな内容をさすのでしょうか。カタルシス効果とは「心の浄化(カタルシス)により、今ある症状が改善されること」です。

悶々とした気持ちが続き元気が出ない、何となくやる気が出ない、何だか分からなけれど不安を感じる、怒りが収まらない、人に対する恨みの気持ちが消えない、トラウマが消えない、などが軽くなることを「カタルシス効果」と言います。

カタルシス効果の例

カタルシス効果の具体的な例をご紹介します。上手に「カタルシス効果」を使えば、どんよりした気持ちが浄化されるかもしれません。

最近は、夜遅くまでの残業や睡眠不足、人間関係の悪化などで「うつ症状」に悩む人が増えています。また、恋愛がうまくいかない人、家庭内の不和などでストレスを抱えている人もいます。

眠れなくなったら心療内科に行ってお薬を、とい流れになる場合もありますが、カタルシス効果を得られれば、心の状態の悪化が防げる可能性もあります。

音楽

失恋したときには明るい歌を聞けば元気が出るのでは?と考える人がいます。しかし、カタルシス効果を狙るのであれば、明るい曲を聞くのは逆効果となります。失恋の時は失恋ソングを聞いて悲しみ浸って泣く方がカタルシス効果が得られます。

カタルシスとは、心にある辛い思いを外に出すことです。悲しい時に元気な曲を聞くのは、たとえで言えば「体調不良で食欲がない時に1㎏のステーキを強制的に食べるようなもの」です。

人間の心理には「同質の原理」があり、自分の気持ちと同質のもの、波長が合うものを聞くと中にある膿みが出やすくなります。イライラしている時はアップテンポの曲、失恋のときは中島みゆきの歌を聞くと元気が出るのはこのためです。

映画

映画を見るだけでもカタルシス効果を得られることがあります。典型的なのが、映画の主人公と自分を重ね合わせることで、自分の中の問題が解決できたような気持になったり、なぜだかスッキリすることです。

たとえば、映画の中でいじめに合っていた主人公が、何かのきっかけで自信をつけていじめっ子に復習をするシーンがあったとします。実際に職場や学校でいじめに合っている人は、それを見る事で勇気が湧くかもしれません。

また、社会においては必ずしも正義が勝つことはなく理不尽なことだらけです。したがって、正義が勝つ映画を見ると、ほとんどの方が今まで経験した悔しい気持ちを晴らしたような気分になります。映画で爽快な気分になるのはカタルシス効果ともいえるでしょう。

カラオケ

カラオケで歌うことでもカタルシス効果が得られます。職場で嫌やことがあったり、失恋したときは、友達とカラオケに行くよりも、一人カラオケでストレス発散になることがあります。友達と一緒だと自分の好きな曲を思い切り歌えないこともあるからです。

心の鬱憤は大きな声で叫んだり、泣いたりすることで実質外に出ていくのです。薬理作用で下痢をさせばい菌を外に出すのと一緒です。

カラオケで歌う曲はどんなものでも良く、その時の気分で選びましょう。自分の好きな曲を選び、大声で歌い歌詞や曲調と同化することで、カタルシス効果が得られるはずです。

カタルシス効果を得たい人にお勧めの本

では、ここでカタルシス効果を得たい人にお勧めの本をご紹介します。読書は映画やテレビと違ってどこでもできる利点があります。主人公の世界に入り込むことで、代償効果が得られるためカタルシスになるのです。

読んで元気が出る本は、主人公が自分と同じような境遇を味わいながら乗り越えていく本であったり、主人公が自分の気持ちを代弁するかのような事を言っている本です。

やたらに元気な主人公が出てきて、最初から最後まで元気なまま終わりでは共感は得られません。ここでは「泣ける本」としてランキング上位になった物を3冊紹介します。

君の膵臓をたべたい

「住野よる著」膵臓を病んだ少女と平凡な男子の恋愛物語です。必死に生きようとする二人に共感して泣く人が続出。ラストは予想外の展開です。大変話題となった本で映画化もされました。

博士の愛した数式

「小川洋子著」これも大変な話題を呼び映画化されています。不慮の交通事故で記憶が80分しか持たない天才数学者と家政婦と息子の心の交流を描いた作品です。数学を愛する博士に次第に心を寄せていく女性。ある日数式に秘められた美しい言葉の意味を知ります。

ツナグ

「辻村深月著」一生に一度だけ死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」ゴースト作品ではありますが、ツナグの仲介のもと再会を果たす人達の心が温まる物語です。

カタルシス効果の活用法《マーケティング編》

次はマーケティングでのカタルシス効果の活用法です。マーケティングとカタルシスって何か関係あるの?と思われた方もいるでしょう。

マーケティングとは販売戦略のことです。どうしたら自社の商品を買ってもらえるか計画を練り、様々な販売経路を使って売っていくことをマーケティングと言います。

カタルシス効果を活用すれば、売り上げが大きくなることがあります。映画や新曲、ドラマの宣伝などもカタルシス効果を使っていることがあります。

感情を大きく扱う

たとえば、映画の宣伝で「爆笑コメディー」とか「胸がキュンとするラブコメディー」などの言葉が使われることがあります。あれは、視聴者の「思い切り笑ってストレスを発散したい」という気持ちや「胸キュンで失恋を癒したい」という感情を利用するためです。

注意点としては「怒りは逆効果」であることです。「怒りをぶつけた方が、心は浄化されるのでは?」と思うかもしれません、しかし、怒りに任せた行動をすると逆に怒りの気持ちが持続してしまう結果になります。

マーケティングにカタルシス効果を応用する際には、相手をそそのかして怒りの感情を沸かせるのは得策ではありません。もし怒りを扱うのであれば、怒りの矛先を示して怒りが静まるようにした方がいいでしょう。映画で言えばハッピーエンドにすることです。

消費者の悩みに共感した表現

消費者の悩みに共感することも、カタルシス効果となります。人は「自分の気持ちを相手に分かってもらえない」と思ったとき苦しみは大きくなります。

しかし、誰かが自分の気持ちを代弁するかのような事を言ったとしたら、それだけで心が軽くなります。時には今までの悩みが「共感や代弁」だけで消えてしまうことすらあります。

優秀な営業マンは、相手の気持ちに寄り添うのが上手です。お客さんの悩みを引き出してあげたり、言葉にならない気持ちを代弁するのも得意です。

お客さんは商品を買うだけでなく「誰から買ったか」というのも意外に大事な要素だったりします。カタルシス効果を使いながら信頼関係を築くと、マーケティングもしやすくなるでしょう。

カタルシス効果の活用法《恋愛編》

最後はカタルシス効果の活用法「恋愛編」です。前述した営業マンのように、恋愛においてもカタルシス効果を使って恋人と仲良くなることができます。

表面的なテクニックにとどまらず、心から共感してあげれば本当の意味でのパートナーシップが築けるでしょう。

悩みを聞いてあげる

誰かに悩みを聞いてもらうだけで、人はカタルシス効果を得られます。辛い体験を彼女に語ってもらいながら「だからこう思ったんだね?」とか「僕なら逃げてしまうかもしれない。相当辛かったんじゃない?」などと相手の気持ちに寄り添うような聞き方をします。

代弁が苦手な人は、とりあえず相手の話を遮らずに、黙って聞いてあげるだけでもいいかもしれません。特に女性の場合は悩み相談をするときに「解決策」を求めているわけではありません。

「ただ聞いてほしい」「分かってほしい」「慰めてほしい」だけなのです。女性の場合は、誰かに気持ちを分かってもらう、同調してもらうだけで気分が晴れることはよくあるようです。

吐き出したことを受け入れる

相手が吐き出したことを受け入れてあげるだけでも、相手はカタルシス効果を得られるでしょう。先ほども言ったとおり、問題点を指摘したり解決策を示すのも時には必要ですが、相手がそれを望んでいない時には、ただ受け入れて上げる方が良いようです。

「僕だったらこうするのに」「これって変じゃないの?」など偏見の目を持っているとそれは相手に伝わります。色眼鏡でみることなく、事実を受け止めて上げるようにしましょう。それだけでも貴方を頼りにする気持ちは深まるはずです。

カタルシスが生まれやすい場所でのデート

カタルシスが生まれやすい場所でデートをすると、二人の結びつきは深まります。カタルシスが生まれやすい場所とは、たとえば映画館などです。

先ほども言いましたが、映画はお客さんのカタルシスを得るために作られていると言っても過言ではありません。二人で同じ映画を見て、思い切り笑ったり、泣いたりすることで気持ちの共有ができるとともに、お互いにカタルシス効果を得られます。

人はカタルシス効果を得たとき、そこにいる人に親近感を覚えるそうです。悩み事を相談していた男友達がいつの間にか恋人になる話を聞くことがあると思いますが、それもカタルシスを得るまで一緒にいてくれたからなのです。

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カタルシス効果を活用しストレス発散を

カタルシスの意味や効果とは何か?心理学用語の言葉を徹底解説しました。カタルシス効果を上手く活用すれば、心の膿を吐き出すことができストレスから解放されます。映画や読書や音楽でカタルシスは得られるので気になったものは見てみましょう。

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