白身魚のバサはおいしい!正体はナマズの仲間だった?
「バサ」と呼ばれる魚をご存知でしょうか?バサとは、ベトナムなどインドシナ半島で養殖される白身魚で、日本でも多く流通し、多くの人が「バサ」だと知らずにおいしくいただいている魚です。淡白で上品な味わいの「バサ」のことを知り、おいしくいただきましょう。
目次
意外と知らないバサの魅力に迫る!
「バサ」という名前の魚に聞き馴染みはあるでしょうか。この「バサ」という名前にあまり馴染みがないという方も多いと思いますが、「バサ」は、意外と日本人もよく口にしている魚です。
ここでは、「バサ」という魚について、どのような魚なのか、特徴やおいしいいただき方などについて見ていきます。スーパーでも手に入れることができますので、ぜひご家庭でも召し上がってみてください。
バサってどんな魚なの?
「バサ」とは、どのような魚なのでしょうか。端的に言えば、ベトナムなどインドシナ半島で養殖される、白身魚の淡水魚で、ナマズの仲間です。
ナマズの仲間の食用魚と聞くと一瞬びっくりしてしまいますが、きっと誰もが一度は口にしている、日本でもなじみのあるポピュラーな魚です。
バサの特徴
「バサ」は、ナマズの一種で、「パンガシウス」とも呼ばれます。「バサ」は、1.2mにもなる大型の淡水魚で、日本でもよく食用に用いられる白身魚です。「白身魚のフライ」の「白身魚」とは、この「バサ」であることが多く、ハンバーガーにもよく用いられています。
「バサ」は、食用に適した部位が多いのも特徴の一つして挙げることができます。また、冷凍しても風味が落ちることはなく、冷凍保存にも適しています。これらの特徴から、人間の食用魚としてかなり適した魚であることが分かります。
バサはナマズの仲間
「バサ」は「パンガシウス」と呼ばれる、大型のナマズの仲間です。日本人がイメージするナマズと同じように、顔にはヒゲがあり、一見して「ナマズだ!」と分かるような特徴があります。
「パンガシウス」という名で水族館で見つけることができます。あるいは、北アメリカやオーストラリアでは、「basa fish」という名称で親しまれています。
でっぷりとした体つきで、スーパーの鮮魚コーナーでは「ベトナム産養殖ナマズ」として売られている場合もあります。
バサの生態
「バサ」はもともとインドシナ半島でポピュラーな食用魚でした。成体になると1.2mほどになる、大型の淡水魚です。大型の魚と言えば、どう猛で食欲旺盛な、雑食の魚をイメージしますが、「バサ」は身体は大きくても完全な草食で、藻など、水草を食べて生活しています。
生命力、繁殖力が強く、食用に適した部位も多いことから、いかに人が食べる魚として適しているかが分かります。しかし天然の「バサ」が激減していることから、その適正以上に人間が食べつくしてしまったことが想像できます。
以前は、タバコやお酒と並んで、アメリカとアジアの間の貿易戦争の一因にもなりました。それほど、人間にとって有用な魚であると言えます。
バサはスーパーで買えるの?
「バサ」という名前に聞き馴染みがなくても、「バサ」は食用に適した魚で、かつ日本でもハンバーガーや白身魚のフライとして無意識のうちに食す機会があるということがわかりました。
とは言え、「バサ」はスーパーで一般人が購入することができるのでしょうか。結論は、「購入することができる」です。「白身魚」、「パンガシウス」、あるいは「養殖ナマズ」などと明記されています。
切り身として売られているだけでなく、パン粉がついており、あとは揚げるだけという状態や、バジルソースなどで味付けされ、あとは焼くだけという状態など、加工品のように売られているのもよく見かけることができます。
バサが白身魚として人気の理由
「バサ」は、知らず知らずのうちに口にしている機会が多いことが分かりました。世界中で、ここまで「バサ」が食用の白身魚として人気なのはなぜなのでしょうか。
ここからは、「バサ」が人気になる理由を考えてみます。「バサ」は栄養価が高く、味わいも上品です。
カロリーが少ない
「バサ」は、カロリーが比較的少ない魚だと言われているので、ダイエットには最適です。例えば、ウナギと比べると、切り身100gに含まれるカロリーは、ウナギ255kcalに比べ、「バサ」は158kcalです。
もちろん、カロリーは調理法によりますので一概には言えませんが、ダイエット中でカロリーを気にされている方は、ウナギよりバサを選んだ方が摂取カロリーを制約することができます。
たんぱく質が多い
また、たんぱく質が豊富です。バサの切り身100gに含まれるたんぱく質は15gもあります。たんぱく質は、人の筋骨を構成するのに欠かせない栄養素です。
筋トレ中の方にはもちろん、低カロリー高たんぱくである「バサ」は、ダイエット中の方にもおすすめしたい食品と言えます。ダイエット中でもたんぱく質をしっかり摂取することは、健康を維持するためにも重要です。
味にクセがない
「バサ」は、クセがなく、淡白で上品な味わいです。ナマズの一種と聞くと、ちょっと抵抗を持ってしまいそうですが、そうとは知らずにおいしくいただいている人は多いと思われます。
クセがありませんので、いろんな料理にマッチしておいしくいただくことができます。特に油と相性が良く、また、淡白な味わいですので、様々なハーブと合わせるのも、互いの魅力を引き出す調理法と言えます。
おいしいバサを食べられる簡単レシピを紹介
ここまで、「バサ」は、繁殖力も強く冷凍保存に向いた、低カロリー高たんぱくで、淡白で上品な味わいの白身魚であることがわかりました。
ここからは、おすすめしたい「バサ」の簡単でおいしいレシピを紹介します。「バサ」は、油と一緒にいただくとよりおいしい味わいになると言われています。
欧米では、フィッシュアンドチップスやフィッシュバーガーとして、人気があるようです。
天ぷら
まずは定番の「天ぷら」です。キスの天ぷらなどはよく知られていますが、「バサ」もキスと同じ白身魚ですので、おいしい天ぷらをいただくことができます。
衣をつける前に、しっかりめに塩コショウを振っておくことがおいしく仕上げるコツです。できあがった天ぷらは、そのままいただくか、少し塩をつけるのがおいしい味わい方です。
蒲焼き
次におすすめしたいのが、高級魚ウナギにも引けを取らない、蒲焼きです。家で作るときも、めんどくさがらずに串うちはしっかり行いましょう。串うちをすることで、身が縮むのを抑制することができます。
グリルで焼くのもおいしいですが、よりお手軽に焼きたいときはフライパンを使うのもおすすめです。まずは串うちしたバサの両面を焼き、うっすら白く焼けてきたら蒲焼きのタレを少しずつかけながら焼いていきます。タレを焦がしながら焼くことがポイントです。
醤油、みりん、砂糖で、おいしいタレを家庭で作ることができます。ウナギに負けない、おいしい蒲焼きを作ることができます。
唐揚げ
油と相性の良いバサは、唐揚げとしていただくのもおいしいです。よく水気をとったバサに塩コショウをふり、味をなじませます。小麦粉をまぶして、170度の揚げ油で揚げれば完成です。中までしっかり火を通すようにしましょう。
ひと手間かけて、よりおいしい唐揚げに仕上げるには、二度揚げがおすすめです。一度揚げた唐揚げを、少し時間をおいてもう一度揚げるだけで、よりカラッした唐揚げに仕上がります。
最初の塩コショウでの味付けを薄めにしておけば、唐揚げにタルタルソースやチリソースなどをつけて味わってもおいしくいただけます。一つの料理で様々な味を楽しむことができます。
「バサ」は釣り魚でもある
「バサ」の養殖が盛んなベトナムでは、なんと「バサ」の釣り堀もあります。日本でいうと、鯉の釣り堀のようなイメージです。それくらい、現地ではメジャーな釣り魚であると言えます。
竿は、一般的なリールロッドを用い、草食である「バサ」のエサは、なんとパンです。リールロッドとパンで、1.2mを超えるナマズの一種を釣り上げることができるとは、なんとも圧巻です。
ベトナムでは、「バサ釣り」はメジャーなレジャースポーツですので、釣り好きの方は、現地を訪れた際は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
「バサ」を知り美味しくいただこう
ここでは、「バサ」という、あまり聞き馴染みのない魚について考えてきました。「バサ」とは、名前こそあまり知られていないものの、「白身魚のフライ」や「フィッシュバーガー」として日本でも愛されている白身魚の淡水魚です。
ベトナムなどインドシナ半島で養殖されており、低カロリー高たんぱく、淡白で上品な味わいの「バサ」は、油と相性がよく、揚げ物やムニエルとしていただくのがおいしい食べ方です。
スーパーでもよく見かけますので、一度意識していただいてみてください。