異常性癖の種類が多い?異常な性癖の人の心理や考えられる原因
異常性癖の種類はとても多く100種類を超えるとも言われています。人の性的嗜好はそれぞれですが、異常性癖とよばれる性癖にはどのようなものがあるのでしょうか?その種類や、心理、原因について紹介します。あなたのパートナーは大丈夫ですか?
目次
「異常性癖」ってどういう意味があるの?
異常性癖とはどんなものがあるのでしょうか?何をみて性的興奮を感じるかは人それぞれ違いますが、あまり人に話すことではないのでどこまでが正常でどこからが異常かという線引きは難しいでしょう。また異常性癖の種類はとても多く、大なり小なり異常性癖を持つ人はとても多いと思われます。
では異常性癖にはどんな意味があるのでしょうか?○○フェチとはどんな違いがあるのでしょうか?異常性癖の意味を紹介したいと思います。
異常性癖とは?フェチとは違うの?
○○フェチというように、異性の特定の部分や行為が好きという方は多いでしょう。これは異常性癖なのでしょうか?異性とのセックスにおいて性的興奮をするのは一般的なことです。女性の目が好き、胸が好き、足が好きというようにその部位が好きでそれを見て興奮することは異常性癖とまでは言えません。
ただ、異常性癖はそれとは異なり、一般的には興奮しない部位、シュチュエーション、対象者などに異常に興奮する性的嗜好のことを言います。さらに、その性的興奮の対象が異性だけではなく、物に対してであったり、性交渉を伴わないものもあります。
異常性癖と正常性癖の違いは?
性的嗜好障害、性嗜好異常は英語でパラフィリアと呼ばれ病理的な精神疾患と診断される症状のことを言います。その基準や境界線をはっきりとに線引きすることは難しいですが、世間一般の性や社会的なルールから逸脱する性的嗜好を持つ人のことをそう呼ぶ場合が多いでしょう。
異常性癖と正常性癖の境界線は、時代や文化の移り変わりとともに変化していくものでパラフィリアかどうかの判断には専門家の診断が必要でしょう。
異常性癖の種類は多い!100種類以上あるとも!
異常性癖の種類はとても多いです。性癖というのは不特定多数の人に知らせることではないので、公にされる機会は少ないものです。
恋人になって初めて知ることもあるでしょうし、異常性癖の程度が軽ければ相手の欲求が異常性癖だと気づきにくいものもあるでしょう。その種類はとても多く100種類を超えるとも言われています。
ここでは100種類以上あると言われる異常性癖の中から特徴的なものを紹介したいと思います。
公然の面前で裸体をさらす「露出性愛」
公衆の面前で自身の裸体や性器を露出する「露出性愛」のことをエキシビショニズムといいます。
いわゆる露出狂です。これは露出するという状況に興奮するという異常性癖で、コートの下は裸でそれを露出するというケースや、電車の中で性器を露出するケースなどがあります。不特定の人に向けられる場合が多いので公然わいせつ罪の罪に問われることもあります。
赤ちゃんプレイともよばれる「幼児行動性愛」
「幼児行動性愛」はオートネピオフィリアともよばれ、赤子や幼児のように振舞う行動をとることに興奮する異常性癖のことです。急に赤ちゃん言葉になったり、赤ちゃんのように振舞うなど、俗に赤ちゃんプレイとも呼ばれます。
オムツやおしゃぶりなどを好む場合もあります。恋人がこの性癖を受け入れられる人ならいいのですが、大抵は急な恋人の変化に驚くことでしょう。
幼い子供が好きな「少女性愛」
相手の年齢に対する異常性癖で一番で有名なものは「少女性愛」とよばれるペドフィリアでしょう。11才~13才くらいの女の子に性的な興奮を感じるという異常性癖です。
通常守るべきはずの幼い子供に、性的興奮を感じてしまうことは一般的には理解されず嫌悪感を感じる人も多いでしょう。少女や幼い子供が対象となるので、本人も隠している場合が多く、性犯罪がおこってから明らかになることがあります。
盗み見ることで興奮する「窃視性愛」
第三者の行動やセックスなどを盗み見る性的嗜好でスコプトフィリアともいう。見られていることを意識していない人を覗き見ることで興奮する、盗撮なども異常性癖が関係しているのでしょう。こっそり覗く、悪いことをしている感覚と無防備な姿を見ることで興奮する心理です。
苦痛を与えることに興奮する「加虐性愛」
サディズムとも呼ばれ、相手に精神的、身体的な虐待や苦痛を与えたりすることによって性的快感を感じる異常性癖です。
実際に行動に移さなくても、虐待行為をしている自分や、相手が苦痛を与えられているところを妄想して性的興奮を感じることもあります。SMという言葉で知られていますがそのSはサディズム、サディストの頭文字を表しています。
苦痛を与えられることに快感を感じる「被虐性愛」
マゾヒズムともよばれ、SMとよばれるMはマゾヒズム、マゾヒストのMである。サディズムとは反対に、精神的肉体的に虐待を与えられたり、羞恥心や凌辱感を与えられることで性的興奮を感じる異常性癖の一つである。
Sっぽい、Mっぽいなど日常生活でも聞いたことがある言葉ですが、どちらのタイプもあくまで性的興奮と結びついて初めて異常性癖とよばれるのです。
夫婦や恋人に第三者が加わることで興奮する「三者性愛」
夫婦や恋人関係に第三者が加わることで性的興奮する三者性愛はトロイリズムとも呼ばれます。自分の恋人が他人とセックスすることを観察することで性的な興奮をします。
一般的には自分の恋人が他の人とセックスすることを望むのは理解しがたいですが、トロイリズムは第三者のことを自分自身も恋人も認めているのです。
窒息行為で興奮する「窒息性愛」
首を絞めたり、ビニール袋などを使って低酸素症や窒息する状態に性的興奮をすることを「窒息性愛」ハイポクシフィリアと言う。窒息によって脳から酸素が少なくなると低酸素症になり半幻覚状態となり、それが興奮を高めると言われている。
しかし、危険な行為なので死亡事故や第三者を巻き込んだ事件につながることもある、非常に危険な異常性癖です。
死に興奮を覚える「死性愛」
自殺行為や自傷行為に対して性的興奮を感じる「死性愛」はタナトフィリアと呼ばれる。
自殺行為も自傷行為もあくまで自分自身に対して向けられるもので、自分自身の死を意識することによって興奮するというものです。この異常性癖もエスカレートして実行に移すと、命の危険が伴う危険な行為となります。
身長差に興奮する「身長差性愛」
極端な身長差に性的興奮する「身長差性愛」のことはアナスティーマフィリアとよばれます。極端な身長差とは30センチ程度と言われています。
身長が高い男性が好きという女性は多いでしょが、ここいう「身長差性愛」とはあくまで、身長差に性的興奮を感じるかどうかということなので、ただ好みだという場合は異常性癖とはなりません。
汚れたものに興奮する「汚損性愛」
使用して汚れた衣服や下着に性的興奮を感じることをミソフィリア「汚損性愛」と言います。下着や衣服の汚れたれだけでなく、入浴していない人の体臭や分泌物にも興奮します。
使用済みの下着を販売していたブルセラショップを利用している人にもこの汚損性愛という異常性癖を持つ人が多いと思われます。
まだまだたくさんある異常性癖
異常性癖の種類は100種類以上あると言われており、特定の部位に執着するものや、その状況に興奮するもの、相手の年齢に対するものなど、ありとあらゆるものに対して存在します。人が興奮しないものに異常に性的興奮を感じるという異常性癖。
いろいろな人がいるように、人の数だけ性癖の種類も存在します。程度の差はありますが、恋人とのセックスが少し違うなと感じたらそれは異常性癖かもしれませんね。
異常性癖になる原因とは?
異常性癖はいつから、何が原因でうまれるのでしょうか?セックスそのものに性的興奮を感じるだけではなく、特定の者や状況に固執してしまうようになった原因とは何なのでしょうか。
性癖とは公にされないことが多いので、自分の性癖が異常性癖なのかどうか自覚していない人も多いでしょう。ここでは異常性癖を持つに至った原因を紹介したいと思います。原因は必ずしも一つではなく環境や要因が複雑に絡み合っていると思われます。
幼少期の環境が原因
性的嗜好が確立するのは思春期までと言われています。そしていったん刷り込まれた嗜好はその後の性生活にも影響します。幼少期に性的虐待や、トラウマ、極端に強い性的刺激などを受けた場合、それが後の異常性癖の原因になることもあります。幼少期の出来事は心に強い影響を与えます。
健全な男女であっても性的興奮を感じるポイントやセックスの嗜好はそれぞれです。しかし通常、相手を思いやり愛情をもって接する中での行動と言えます。異常性癖を持つ人は、それが社会やパートナーに受け入れられないという苦痛やジレンマを抱えている場合も多いでしょう。
抑圧からの解放が原因
ストレスの多い現代で異常性癖を持つ方は増えていると言われています。恋人とのセックス中のふとしたきっかけでその行為に快楽を感じ、脳が快楽と興奮をインプットしてしまうことが原因となる場合もあります。一度覚えた快楽がエスカレートして異常性癖に結びつくこともあるようです。
例えば、自慰行為をしている最中に目に入ったものを脳が記憶して、それを快楽と結びつけることもあると言われています。
アニメや漫画などが原因
異常性癖を増幅させる大きな原因は、ネットやアニメなどで気軽に異常性癖に触れられることでしょう。AVやアニメでも男女のセックスだけでなく、性の対象が幼児のものや、特殊なセックスプレイをするものなどその種類も驚くほどたくさんあります。
異常であると分かりながらも、興味を持てばいつでもその性的欲求を満たせる環境が異常性癖をエスカレートさせる原因とも考えられます。
異常性癖を持つ人の心理はどうなっている?
異常性癖を持つ人の心理にはどのようなものが考えられるのでしょうか?もしあなたのパートナーが人とは違う異常性癖を持っていたら。そこにはどのような心理が隠されているのでしょうか?
本人が異常性癖に無自覚な場合もありますが、好きだからと恋人の性癖を全て受け入れるのではなく、その心理にも目を向けてみましょう。きちんとお互い納得がいくまで話し合いましょう。
満たされたい、愛されたいという心理
幼少期の満たされなかった感情が、異常性癖となって現れる場合があります。充分な愛情を感じられなかったため、寂しい気持ちから逃避するために歪んだ性癖を持ってしまうという場合は、満たされたいという心理が大きいでしょう。
愛情の表現の仕方が分からないため、歪んだ形になってしまうこともあります。心を許した恋人には、その満たされない気持ちをぶつけるように接してくることもあるでしょう。
より性的興奮を感じたいという心理
フェティシズムとよばれるように特定の部分が好きで興奮する人は視覚での性的興奮を重視します。足や胸だけでなく目や歯に至るまで、多様な性的嗜好があります。体の部分だけでなく、衣服や物に対しての場合もあります。
自分の好きな部分を強調することでより強い性的興奮を感じるので、相手に共有してほしいという心理が働きます。セックスの時も、ここを見せてほしい、こうしてほしいという要望を伝えてくることもあるでしょう。
秘密を共有したいという心理
自分の異常性癖を隠している人も多いでしょうから、その隠している性癖を好きな恋人と共有することに興奮する心理もあります。
人にはいえない秘密のセックスをしている、恥ずかしがり戸惑う恋人を見てさらに興奮することもあるでしょう。異常性癖を打ち明けるのは勇気のいることなので、好きな人には理解してほしいと思う人も多いでしょう。
背徳的なことをしているという心理
異常性癖の中には嫌悪感を感じられるものも多く、行き過ぎると犯罪行為になるものもあるため、異常性癖を抱えている人の中にはやってはいけないことをしているという背徳感を感じている人も多いでしょう。
その背徳感から性的嗜好を周囲に隠すという心理につながります。してはいけない、許されないという心理がより性的興奮を増幅させることもあります。
異常性癖に隠された心理とは
性癖が人それぞれであるように、その性癖を持つに至った理由も人それぞれです。しかし、思春期までの性との関わり方が大きく影響していると考えられます。恋人とのセックスで、お互いの合意のもと変化のあるセックス、好きな状況を楽しむことは決して悪いことではありません。
しかし異常性癖は必ずしも相手に受け入れられるわけではないので、隠さなければという心理からより閉鎖的な世界に閉じこもってしまい異常性癖がエスカレートする可能性もあります。
異常性癖を持つ人が起こしてしまった事件
異常性癖をもつ人はその性癖の異常さ故、性的欲求をみたそうとすると事件につながることもあります。ここでは異常性癖を持つ人が起こしてしまった2つの事件について書きたいと思います。どちらも、複数の異常性癖が入り混じって起こってしまった事件と言われています。
腹部へ執着する異常性癖が起こした事件
平成27年、兵庫県姫路市の路上で、当時中学3年生の女子生徒の両腕や胸、腹などナイフで複数回刺したとして、勝田州彦容疑者(39)が逮捕される事件がありました。
勝田容疑者は20年ほど前から複数の少女に対して暴行や傷害事件を起こしており、「女の子が腹部から血を流して苦しんでいる姿を想像し性的興奮を得るようになった」と説明しており、腹部への執着は、高校時代に熱中したアニメの影響だと述べました。
精神鑑定を担当した医師は、他人に苦痛を与えることに性的興奮を抱く「性的サディズム障害」と小児性愛障害が合わさった「サディズム型ペドフィリア」と診断しました。
窒息に執着する異常性癖が引き起こした事件
2005年、大阪堺市の派遣社員、前上博(36)が自殺サイトで「ネット心中しよう」と知り合った3人の男女を殺害した事件があります。
「男でも女でも、口をふさいで苦しむ姿に性的興奮を覚えた。苦しむ姿が見たかった」と述べ、また自身のホームページで、主人公が人を窒息死させるという自作の小説を掲載したり、自身をブログで窒息王と名乗っていたそうです。
精神鑑定書では、「性的サディズムやフェティシズム、人格障害の混合状態での犯行だった」と診断されました。
強い異常性癖は犯罪にもつながる
この二つは異常性癖が犯罪につながってしまった事件です。前上博は、幼少期に父親から窒息による虐待をうけていたといわれています。
すべての異常性癖が殺人や事件につながるわけではもちろんありませんが、こうした幼少期の虐待や、思春期の性的嗜好が後の人生に与える影響は大きいでしょう。一度身についてしまった性癖は簡単に変えることは難しく、何度も事件を繰り返してしまったり、よりエスカレートしてしまうこともあります。
自分だけで解決することは非常に難しいので、事件へと発展してしまう前にカウンセリングを受けるなど、専門家を受診するべきです。
異常性癖かどうかは診断チェック!
異常性癖かどうか、それはどうやって診断されるのでしょう。性的嗜好はひとそれぞれで、どこからが異常性癖でここまでは正常と画一的な線引きはできるのでしょうか?
アメリカ精神医学会によると「精神障害の診断と統計マニュアル」第4版改訂版ではすべての性嗜好異常に共通する第一段階における診断基準が書かれており、精神疾患だと診断するための条件として、下記の2点を同時に満たすことが必要とされている。
健康な生活を送れるかどうか
一つ目は「当人が自分の性的嗜好によって、心的な葛藤や苦痛を持ち、健康な生活を送ることが困難であること」とされている。
この診断基準としては、自分の異常性癖を悩み、日常生活においての生活、性生活に支障がでてきている状態のことである。この場合はカウンセリングに行くなどして専門家の診断を受け、自身の異常性癖の原因や心理と向き合うことが必要である。
社会的に受け入れられない行動を抑制できるかどうか
二つ目は「当人の人生における困難に加えて、その周囲の人々、交際相手や所属する地域社会などにおいて、他の人々の健全な生活に対し問題を引き起こし、社会的に受け入れ入れがたい行動等を抑制できないこと」とある。
この診断基準は、その個人の性的嗜好が社会的に問題があったり、恋人や第三者に被害を及ぼしたりしないかどうかが診断のポイントになります。その異常性癖が個人の妄想や性癖でとどまらず、性的欲求を満たそうとすると犯罪につながる危険性があるからです。
異常性癖を持つ人との付き合い方
それでは、今後、恋人が異常性癖を持っていたらどうしたらいいのでしょうか?また、自分の異常性癖に悩んでいる人はどうすればいいのでしょうか?まずは自分のことを知ること、異常性癖について向き合うことが大切です。
まずは自身の異常性癖を知る
人と少し違う性的嗜好を持っていることに違和感を感じたらそれは異常性癖かもしれません。しかし、それでも日常生活に支障がなく、誰にも迷惑をかけていないのならそこまで悩むことはないでしょう。
異常性癖といってもその程度はさまざまで、すべてが犯罪や事件につながるわけではありません。しかし、一方でその衝動を抑えることができずに、事件を起こしてしまうケースもあります。まずは自分の異常性癖と向き合うことが大切です。そして、必要であればカウンセリングを受けるなどして、専門家の診断を聞くことも大切でしょう。
恋人が異常性癖を持っていたら?
恋人とセックスするという段階になって、恋人に異常性癖があることを知ったらどうしたらいいでしょうか?まずは自分がその異常性癖を受ける入れられるかどうかを考えましょう。好きだからと我慢するのではなく、嫌なこと、したくないことは恋人にはっきり伝えましょう。
人にはそれぞれ性癖というものが存在します。それは悪いことではありません。変わった性癖であっても二人が納得できるならそれは誰からも責められるものではありません。どちらかが我慢して、傷ついたり嫌な思いをすることのないように恋人としっかり話し合いましょう。
異常性癖と向き合おう
いかがでしたでしょうか?異常性癖の種類がたくさんあることや、その心理や原因、診断基準を紹介しました。犯罪や事件の原因としても知られる異常性癖ですが、すべての異常性癖が事件に結び付く危険なものばかりではありません。
隠そうとする心理や、背徳感がより異常性癖を危険なものへとさせてしまうこともあるので、一人で抱え込まずにカウンセリングを受けるなど専門家の診断を聞きましょう。
人の好みが様々なように、人の性癖も様々です。好きな食べ物が違うように好きな性癖も違うのです。性に対して話すことは恥ずかしい、性癖を見せるのは恥ずかしいと思う人が多いでしょうが、恋人のことをしっかり知り、納得のいくまで話し合い、愛のあるセックスをしましょう。