飼い殺しの意味とは？仕事や会社・職場などでの例を紹介

働いている職場や、家族関係、恋愛関係においていつ起こるか分からないのが飼い殺し状態になることです。どうしてそのような飼い殺し状態という精神的にも肉体的にも辛い状況に陥ってしまうのでしょうか。

いかにもいいように使われ、使い捨てられてしまうイメージの強い「飼い殺し」とはどういった意味があるのでしょうか？

「飼い殺し」と聞いてまず良い印象は持たないでしょう。「飼って」「殺す」だなんてひどいにもほどがあります。飼い殺し、という言葉とは、どのような意味があるのでしょうか。辞書によると以下のように書かれています。

①家畜が役に立たなくなっても死ぬまで養うこと。
②その人が能力を発揮できるような仕事を与えないままに、ずっと雇っておくこと。 例文：「 （飼い殺し）も同然の扱いだ」

多くの人は、「飼い殺し」という言葉とは、上司など上の立場の人間から力を発揮する場を「意図的に」与えられない実力者を指して使用されます。本当は実力があるのに実力をはっきする場をあえて与えてもらえないという意味です。

飼い殺しの類語には、「ヘビの生殺し状態」「生殺し」「生かさず殺さず」「宙ぶらりん状態にする」「生殺し状態にする」「慰みものにする」などがあります。どの言葉も中途半端な状態にして苦しめることを意味する言葉です。

飼い殺しにされやすい人の特徴とはどんなものがあるのでしょうか？誰だって飼い殺しになるのは避けたいですよね。飼い殺しにされやすい人の特徴についてまとめてみました。

内気で心が優しく、自分の意見が言えない人は飼い殺しにされやすいです。会社の中の意味のない雑用を押し付けられても文句を言えず、飼い殺しにされやすいと言えるでしょう。

飼い殺しにされないためには嫌だったり無理なことは引き受けない、NOと言える勇気が必要になります。

消極的で内気な性格な人は、職場においても恋愛においてもいつもネガティブになってしまいがちです。相手が悪いことでも「自分が悪いんだ」と思い込んでしまうので飼い殺し状態にされやすくなります。

また職場に相談できるような相手がいないと、飼い殺しにされたときも相談に乗ってもらうことができず、ひとりで抱え込んでしまう傾向にあります。

飼い殺しされる人の特徴３つ目は、自己評価が低いことです。会社側としては、「自分はこんなことが得意です！」と胸を張って言えるような存在が欲しいと考えます。

しかし、自分に自信を持てない人は、自己評価が低いです。はなから「これは自分にはできない」と、投げやりになってしまいがちです。

そのせいで、やる気のない人に見られます。やる気のない人は会社にはいらないと、ろくな仕事も与えられず、飼い殺しされやすいのです。

自分から仕事を提案したり、仕事を見つけたりすることができずに、ただ言われたことをこなすような人は飼い殺しにされやすいといえます。

主体性がないので、いつも上司の言うことは聞いてやることができますが、それだけなので「仕事ができない人」と判断されてしまい、仕事を与えられなくなります。

指示がないと何も出来ないので、仕事の量も当然少なくなります。仕事が与えられる機会が少ないと自分のスキルも上がっていかないのでどんどん同期との差が開いていくでしょう。

会社における飼い殺しとはどのようなものでしょうか？一般的に仕事を与えてもらえないで、窓際族、なんて呼ばれているイメージがありますが、飼い殺されている社員とは一体どのような仕打ちを受けているのでしょう。

会社に在籍する全社員が、優秀で仕事ができるわけではありません。「仕事ができる社員」と「できない社員」がいれば、当然「できる社員」に仕事が多く回ってきます。
そうなると、「できない社員」に回ってくる仕事は少なくなってきます。

それでも、まだ少しでも仕事があるうちはよいです。でもこれがさらに進んで、ついには任せる仕事がないという事になると、その社員は仕事がなくなってしまいます。
 
しかし、会社はいくら仕事が辞めさせることできないからといって解雇ができません。たとえ解雇しても不当解雇で訴えられたら、会社は負けてしまいます。そのため、ぶら下がり社員を雇用し続けるしかありません。会社は、仕方なく社員を飼い殺しにしているのです。

仕事を与えないようにするなど、目に見える飼い殺しもありますが、目に見えないかい殺しも存在します。それは、『社員に対して成長やスキルアップの機会を与えず、ただ会社の駒の一つとして低賃金で長期間使い続ける状態』のことです。

このケースは、周囲はもちろんのこと、本人も飼い殺しにされていることに気付きません。毎日、ルーティンワークの繰り返しです。

新しいスキルを身に付けることもなく、レベルアップした仕事をさせてもらえず、変わり映えのしない仕事が毎日毎日続きます。本人が自分が飼い殺しにされていたと気付いたときには、時すでに遅しです。

ただし、最初の時点では、社員自身は飼い殺しにされているという自覚はありません。
そして、年齢を重ねていき、勤続年数も重ねていっているにもかかわらず、給料は一向に増えません。給料が上がらないことに我慢できず、転職を決意します。

でも、採用してくれる会社はありません。年齢相応のスキルや経験が備わっていないので無理もない話です。簡単で誰にでもできる仕事しかしてこなかったツケが回ってきたということです。

会社は、敢えて社員にスキルや知識を身に付けさせないことで、上手く飼い殺し状態にしてしまったのです。そして、安い労働力を手に入れたということになります。

飼い殺しは、会社内だけでなく、家族間でも起こり得ます。そんな家族間の飼い殺しの例を具体的に紹介します。

自分の親の介護をしている場合、親が「ああして欲しい」「もっとちゃんと面倒を見ろ」「育ててやった恩を忘れたのか」などと言われながら、介護する人たちが飼い殺しになっている例があります。

親の認識では介護されていることが当たり前になっているので、介護をしてもらっているという感謝の気持ちもなく、自分のわがままや要求を通すことしか考えていません。

また、自分の体が思うように動かせないことからのストレスで介護者に八つ当たりするような親もいます。ですが、そんな親でも親は親ですし、自分しか介護できる人がいないとなると見捨てることができません。
 

自宅で介護となると、近所の人からの目もあります。大声を出して親に反発することもできず、介護を投げ出すこともできず、八方塞がりになってしまいます。

自分の仕事を介護のために辞めなければならない場合もあるでしょう。そうして親に縛られ、誰にも相談できず、「飼い殺し」され続けてしまいます。

結婚して家族になり、旦那さんにないがしろにされている女性はものすごく多いです。
子供がまだ小さいのに飲み会で朝帰り、給料を半分以上自分のために使ってしまう、愛してもらえない、夫の愛情を感じないなどです。

それらを不満に思い、離婚したい旨を伝えても「離婚はしない」と片付けられ、不満な点も改善してもらえず、ただ飼い殺しにされているのです。

お互い仮面夫婦としてやっていくと納得しているなら良いですが、女性は愛されていないと不安になるものです。このまま一生この人と誰にも愛されないまま生きていくと思うと恐ろしい、なんてぼやく女性も。

恋愛関係でも飼い殺しにされることはあります。多いのは女性が男性にないがしろにされたり、傷つけられたり、逆に自分なしでは生きられないように調教されていいように使われてしまう場合も。

二人にしかわからないクローズドな関係だからこそ、気をつけたいですよね。

付き合っているのにもかかわらす、彼氏に「忙しいから」となかなかデートをしてもらえない場合は「飼い殺し」にされている、と言えるでしょう。

もちろん、お互いに月に１度のデートで満足しているならば、何の問題もありません。
しかし、不満がある場合は一応付き合っているので他の男性と遊びに行くことも出来ず、飼い殺しにされている状態になります。

彼氏ができると、仕事や家族や友達より、自分より、何より彼氏！！となってしまう女性も珍しくはありません。「愛は盲目」という言葉があるように、少なからず恋愛中はそういう状態になるものです。でも全てにおいて彼氏が優先で彼氏が中心になってしまうとよくありません。

大切にしてくれていて、恋愛に満足できているならまだ良いですが、いつも自分ばかり彼を優先して彼が自分の予定に合わせてくれなかったり、ないがしろにされていつも不安が付きまとってしまってはいませんか？

また、不安だからと彼氏をつなぎとめておくために過剰に彼氏に貢いだり、過剰に世話を焼いて尽くしてしまっているのに、彼氏にしょっちゅう浮気をされたり、それほど大切にされていない女性は飼い殺しにされている、と言えるでしょう。

仕事で飼い殺しにされてしまった場合、どのように対処したら良いのでしょうか？飼い殺し状態から脱却する方法をまとめました。

あなたがまだ３５歳以下なら、転職することをお勧めします。このまま会社に飼い殺しにされていてはあなた自身のスキルアップもできませんし、きっとこのまま昇給も見込めないかもしれません。

たまたま今の会社が合っていなかっただけで、転職したら社内で活躍して一目置かれるようになることだってあります。あなたが今会社に飼い殺しにされていると感じるなら、勇気を出して転職することをおすすめします。

あなたが現在会社で飼い殺し状態であるということは、それだけ他の人より残業もなく、仕事も少ないはずです。そんな状態で給料をもらえるのです。逆に「ラッキー」だと捉えましょう。

会社にいるときは、なるべくエネルギーを使わず、きっちり定時で帰宅。そして帰ってから副業や資産運用の勉強をするのも良いでしょう。

飼い殺しにされている状況を逆に利用して自分のスキルアップの時間を作ることができます。

もしあなたがまだ会社で役に立つような資格を持っていないなら資格取得のために勉強することをおすすめします。資格をとればできることの幅も広がりますし、できる仕事が増えるかもしれません。

それに、もしいざ転職する、となった時にも資格があると有利になります。残業しない分そういった自分のスキルアップに時間を使うことをおすすめします。

会社以外の人間関係で飼い殺しにされないためにはどうしたら良いのでしょうか？ここでは飼い殺しにされないための具体的な方法をお伝えします。

どんな関係であっても、人間関係は対等です。なので「彼氏に嫌われるから言わない」とか「夫婦関係に波風立てたくないから」なんて考えないで嫌なことは嫌だと伝えるようにしてください。

女性は特に言わないでも察してよ、と思うかもしれませんが察することができるのはごく限られた人です。あなたが我慢して尽くしていることに相手が気づいていない場合もあります。

なのでまずは嫌なことは断るようにしましょう。

もし親の介護で限界を感じているならば、外部サービスを利用するのも手です。訪問介護サービスや、デイサービスで一時的にプロに家族を見てもらい、自分の時間を確保するのです。

そうすることで精神的に余裕が出てきます。また、家での介護が限界なら今は２４時間体制で介護してくれる老人ホームもたくさんあります。

そういったプロの手を借りるのは何も悪いことではありません。また一部そのようなサービスを受けることで相談に乗ってもらったり、アドバイスを受けられることがあります。

あなたは飼い殺し状態に慣れすぎて今が異常なことだとは思えないかもしれません。でも少しでも辛いな、と感じるならば誰かに相談することをおすすめします。

仲の良い友人でも良いですし、最近はインターネットの掲示板などで気軽に相談できます。まずは、あなたの状況を誰かに話してみてください。

「それは辛いですね」と少し共感してもらえるだけでも少し気持ちが楽になるものです。

飼い殺しについて色々とみてきましたが、飼い殺しは会社においてだけでなく、家族間や恋愛関係においても十分起こりえることです。飼い殺しにされないために、普段から自己肯定感を高く持ち、相談できるような友達が近くにいる状態にしておくと良いですね。また、嫌なことははっきりと断ったり、訴える勇気も必要です。