2019年02月24日公開
2019年02月24日更新
そばの消化は良い?悪い?うどんと蕎麦で消化がいいのは?
体調がすぐれないときや、胃が弱っているときは消化に良い食べ物がおすすめです。麺類はさらっと食べられるので、消化にもいいイメージがありますが、そばはどうなのでしょう?そばとうどんならどちらが消化に良いのか、そばの消化を助ける食べ方や薬味の効果をご紹介します。
目次
お蕎麦は消化の良い食べ物?
体調が悪い時や、胃が弱っているときは、消化に良い食べ物を食べるのがいいでしょう。では、そばは消化に良い食べ物なのでしょうか?さらっと食べられる、和食の麺類であるそばですが、なんとなく消化に悪いイメージもあります。
では、実際にはどうなのでしょうか?今回は、そばは消化に良い食べ物なのかについて、調べてみました。同じ日本の麺類であるうどんとも比較しながら、そばの消化について、みていきましょう。
普段からそばをよく食べるというそば派の人も、うどん派の人も、麺類はあまり食べないという人も、記事を読むとそばの印象がかわるかも?是非読んでみてみてください。
蕎麦の消化時間
そばの消化にかかる時間は、それくらいなのでしょうか?そもそも消化とは、食べ物が胃に入ってから胃から出るまでの時間を言います。消化にかかるのが2時間以内のものは、消化に良い食べ物といえるでしょう。
消化に5時間以上かかるようなものは、消化に悪いです。たんぱく質や脂質などがこれに当たります。消化にいい食べ物は、胃に負担がかからないのが、メリットといえます。
では、そばはどちらなのでしょう?そばはほとんど炭水化物でできています。そばは、一人前だと消化に約2時間半かかります。早いように思えますが、実は穀物の中では遅い方なのです。
蕎麦とうどんではどちらが消化が早い?
そばは、実は穀物の中では消化に良い方ではないということが分かりました。では、うどんと比べると、どちらが消化に良いのでしょうか?
実は、消化に良いイメージがあるうどんの、消化にかかる時間は、約2時間45分です。消化に良いイメージがあるうどんの方が、消化にかかる時間が長いというのは、意外な結果です。ではなぜ、このような結果になるのでしょうか?
実は、成分的に見ていくと、うどんの方が消化に良いはずなのです。では、そばとうどんの成分について、詳しくみてみましょう。
蕎麦とうどんの原材料と栄養素を比較
蕎麦の原材料 | そば粉、水、(小麦粉や山芋、卵等のつなぎ) |
うどんの原材料 | 小麦粉、水、塩 |
蕎麦 | うどん | |
カロリー | 262kcal | 242kcal |
タンパク質 | 11.04g | 5.98g |
脂質 | 1.61g | 0.92g |
炭水化物 | 50.83g | 49.68g |
食物繊維 | 3.45g | 1.84g |
そばとうどんの原材料の違いは、「つなぎ」が存在するかどうかです。うどんは、麺としてまとまりやすい小麦粉を主な原材料です。しかし、そば粉は固まりづらく、そば粉と見ずだけで作る「十割そば」を除けば、小麦粉や山芋などのつなぎが使われています。
そのつなぎによって、消化に悪い脂質やたんぱく質が、うどんより多くなっていることが分かります。これにより、うどんよりそばの方が消化に悪いとされているのです。そば粉のみの「十割そば」では、たんぱく質や脂質は減るので結果は変わってきます。
うどんのほうが消化が良い理由
では、そばよりも少しだけ消化に時間がかかるうどんの方が、消化に良いと言われている理由はなんなのでしょうか?体調不良のときなど、胃が弱っているときは、卵とじのうどんを勧められることも多いでしょう。
ではなぜ、風邪のときなどにうどんを食べるのを勧められるのでしょうか?うどんの方が消化が良いと言われている理由を、見てみましょう。
うどんとそばは、同じ麺類で和食でもありますが、食べ方などを見てみると、けっこう違いがあるものです。うどんとそばの違いをみてみましょう。
食べるときの温かさ
そばを食べるとき、汁そばよりもざるそばを食べることの方が多いのではないでしょうか?一方うどんは、ざるうどんなど冷たい状態で食べることもありますが、温かいうどんを食べる方が、どちらかというと多いのではないでしょうか?
冷たいものを食べると、内蔵が冷えてしまい、消化不良を起こしやすくなります。その食べ方の違いが、うどんの方が消化がいいという考えにたどり着くのです。
つなぎがいらない
そばは、そば粉だけで作る「十割そば」以外は、つなぎを使っています。一方うどんは、小麦粉と水と塩だけでできています。そのため、脂質やたんぱく質がそばより少なく、消化にいいとされているのです。
たまに、添加物として加工でん粉が入っているうどんもあります。消化の良さを考えると、添加物の入っていないものを選ぶのが良いでしょう。
麺がやわらかい
うどんは、そばよりも麺が柔らかくできています。そのため、消化がいいとも考えられます。胃で食べ物を消化するということは、食べ物を分解していくということです。
そのときに、同じ炭水化物であれば、食べ物が柔らかい素材である方が消化にかけるエネルギーが少なくてすむでしょう。
特に、体調が悪い時などは、よく煮込んだ柔らかめのうどんを食べるでしょう。よく煮込んである分、麺がふやけて柔らかくなり、より消化を助けてくれるのです。
胃の調子が悪い時の食事に蕎麦は適さない?
では、胃もたれがするときや、胃の調子が悪い時にそばを食べるのは良くないんでしょうか?胃の調子が悪い時におすすめの食事としては、うどんやお粥が挙げられます。そばを食べるのは、あまり推奨されていません。
胃の調子は良くないけれど、どうしてもそばが食べたいときは、温かい汁そばにする・てんぷらなどの油もののトッピングは避ける・唐辛子などの刺激物を使わない、などを心がけましょう。
蕎麦の消化を助ける食べ方《レシピ紹介》
では、そばの消化を助けるようなレシピはあるのでしょうか?大根ととろろ、そばと相性の良い二つの食材を使って、そばの消化を助けてくれる食べ方をご紹介します。どちらも簡単なので、是非ご家庭で試してみて下さい。
また、お店で食べる分にも、大根ととろろはトッピングとして、よく利用されているので、注文するときに意識してそれらのトッピングを選ぶのも良いでしょう。
大根そば
大根には、「アミラーゼ」という消化酵素が含まれており、消化を助けてくれます。また、アミラーゼは熱に弱いので、大根おろしにして生のまま食べるのが、最も適しているのです。
温かいそばに大根おろしをトッピングするのも良し、冷たいそばに大根おろしをかけても、消化を助けてくれる効果が期待できます。そのため、そばはやっぱりざるそばが良いという人にもおすすめです
大根そば一人前の材料は、そば100g・大根約5cm・お好みのめんつゆ適量・好みの薬味適量です。まず大根をすりおろします。そばを茹でて、盛り付けて、大根おろしをたっぷり盛り付ければ完成です。お好みの麺つゆをかけて、薬味とお召し上がりください。
とろろそば
とろろにも、でんぷんを消化する酵素アミラーゼが含まれています。また、胃の粘膜を保護するネバネバ成分も含まれており、胃に優しい食材です。
アミラーゼと同様このネバネバ成分である「ムチン」という成分も、滅に弱いため、冷たいそばとの相性が良いのです。ざるそばが好きな人には、もってこいの食材でしょう。
とろろそば一人前の材料は、長いも5㎝・そば100g・麺つゆ適量・お好みの薬味適量です。作り方はとても簡単。すりおろした長芋を、茹でたそばにかけて盛り付け、上から麺つゆをかければ出来上がりです。お好みで薬味もトッピングしてください。
麺類以外に消化のいい食べ物
そばもうどんも、食べ方やトッピングを間違わなければ、消化に良い食べ物であると言えるでしょう。では、そばやうどんの他に、消化に良い食べ物はあるのでしょうか?麺類以外の消化にいい食べ物をご紹介します。
基本的に消化に良い食べ物とは、柔らかくて繊維が多くなく、炭水化物でできていることです。うどんやそばも、これに当てはまるので、消化にいいといえます。
では具体的に、胃が弱った時や体の調子がよくないときに、おすすめできる消化にいい食べ物をご紹介します。
お粥
これは、言わずもがなでしょうか。お粥は、とても消化にいい食事です。お米は炭水化物でできており、脂質やたんぱく質がとても少ない食物です。病気の時や手術の後などにも、お粥を食べるでしょう。
雑穀米などは、ミネラルが含まれており健康には良いのですが、消化という点ではあまり良くないでしょう。特に胃の弱っているときは、卵なども入れず、お米だけでしっかり柔らかくなるまで炊くことが大事です。
豆腐
豆腐も消化にいい食べ物です。大豆はたんぱく質でできているので、消化によくないと思うかもしれませんが、豆腐に加工する過程で、組織を壊して、食物繊維が取り除かれているので、消化にいいとされています。
絹ごし豆腐などは、柔らかく、舌触りもつるっとしていて、食欲がないときにも食べやすいでしょう。温かい食事の方が消化にはいいので、食べるときは冷や奴より、温かい湯豆腐などで食べるといいでしょう。
バナナ
果物は、基本的に消化にいい食べ物です。中でもバナナは、柔らかいので食べやすく、更に栄養もたっぷりなので、胃が弱っていてあまり色々なものを食べられないときに、おすすめできる食材なのです。
しかし、熟していない、少し硬い青いバナナは、おすすめできません。胃が弱っているときには、完熟したバナナを選ぶように心がけましょう。
【番外編】蕎麦の薬味がもたらす健康効果
ではここからは、番外編という事で、そばによく使われている薬味の、健康効果についてご紹介します。薬味は「薬」という言葉が使われているだけあって、しっかりとそれぞれに期待できる健康効果があるのです。
そば好きの人も、そうでない人も、要チェックです。味や気分で薬味を選ぶのも、もちろん良いですが、健康効果を意識して薬味をチョイスするのもたまにはどうでしょう?
例えば夏バテの時には、食欲を高めるような食材を取るなど、自分の体調に合わせて食材を選ぶことは、健康な身体を作るうえで重要といえます。
ねぎの効果
ねぎには、主にカルシウム、ビタミンA、ビタミンCなどの成分が多く含まれています。また、食欲を高めたり、消化器系の働きを良くしたり、血行を良くする効果も期待できます。
刻みネギなどは、ざるそばの薬味だけでなく、温かいそばにもよく使われています。食欲を高める効果があるので、夏バテのときなどにも良いでしょう。
のりの効果
のりには、食物繊維やカルシウムやミネラルが沢山含まれています。また、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB、タンパク質などの成分もバランスよく含まれており、優秀な食材といえるでしょう。
疲労回復や貧血の予防、骨を強くする効果、中性脂肪の減少などの生活習慣病の予防なども期待できます。日々の食事に取り入れたい食材といえます。
ざるそばには、よくトッピングされています。温かい汁そばに入っていることは少ないですが、毎日の食事に取り入れると、足りなくなりがちな栄養をしっかり補える食材なので、家で調理するときなどには、取り入れてみるといいでしょう。
わさびの効果
わさびは、ざるそばに欠かせない薬味です。刺激の強いわさびですが、実は食欲を高める効果の他にも、消化液の分泌を促し消化を助ける、という効果があるのです。また、細菌の増殖を抑える働きもあり、食中毒予防にも効果が期待できます。
食欲を高める効果があるので、夏バテのときなどにざるそばを食べるのがおすすめです。
七味の効果
温かいそばにかける薬味として、一番かつやくするのが唐辛子でしょう。唐辛子だけのものを「一味唐辛子」と言い、柚子の皮やゴマなど様々な薬味と混ぜたものを「七味唐辛子」といいます。
唐辛子の効果として有名なのが「カプサイシン」でしょう。カプサイシンは、味覚や嗅覚を刺激して、食欲を増進させる効果があります。また、脂肪を燃やす効果も高く、ダイエットに効果的です。
しかし、刺激物なので胃が弱っているときには控えておきましょう。
そばは消化に決して悪くない
そばとうどんの消化の良さの記事は、いかがでしたか?そばは消化に悪いイメージがありますが、そば自体は決して消化が悪いわけではありません。しかし、冷たくして食べるざるそばや、トッピングで天ぷらを追加することで、消化が悪くなってしまうのです。
つなぎのない「十割そば」にすることや、温かい汁そばをゆっくり食べること、ざるそばなら大根やとろろと一緒に食べることで、十分消化に良い食べ方をすることが出来ます。
そばが好きな人は、一緒に食べるトッピングの役割や、薬味の役割を知ることで、健康的な面でも効果的に食べられるようになります。食べる際の注意は必要ですが、そばは決して消化に悪いわけではないので、あまり怖がることはありません。