竜涎香とは?値段(価格)や特徴・見分け方などを徹底解説

端的に言って龍涎香とは香水の材料です。それは希少であることによって、貴重であり、金銭的にも大変価値のあるものです。見てくれは、海岸に流れ着いた、ただの石。それと偶然出会える能力と、龍涎香と見做すことが出来る知識があれば、あなたも億万長者間違いなし?、

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目次

  1. 1貴重な香り「竜涎香」
  2. 2「竜涎香」とは?
  3. 3「竜涎香」の価値・値段
  4. 4「竜涎香」の特徴と見分け方
  5. 5「竜涎香」は日本でも見つけられる?
  6. 6「竜涎香」を使った香水2選
  7. 7【番外編】シャネルの5番の香料はジャコウネコのアソコ
  8. 8江戸時代に鎖国はなかった?
  9. 92018年12月26日、日本は国際捕鯨委員会を脱退をしました。

貴重な香り「竜涎香」

商業捕鯨以前、龍涎香は海岸に打ち寄せられる偶然によってしか入手ができませんでした。そのため、非常に貴重な天然香料でした。

しかし、商業捕鯨が開始されるようになってからは、鯨の解体時に入手できるようになりました。それでも、やはり高価であることは代わりませんでしたが、安定的に商業的な供給がなされていました。

1986年以降、突然商業捕鯨が禁止されるに及んで、現在は商業捕鯨以前と同様になってしまいました。つまり、偶然によってしか入手できなくなってしまったのです。

「竜涎香」とは?

龍涎香の成分とは、マッコウクジラの主なエサであるタコやイカであり、その硬い嘴(くちばし)が含まれています。その固さのため未消化のまま消化分泌物で結石化させます。それをフンにとして排泄するのです。

それがそのままではなく、水より比重が軽いため、フンは海面に浮かび海洋を浮遊します。日光に晒され続けることが龍涎香に化ける鍵なのです。しかし今なお、龍涎香生成の生理的機構や意義に関しては不明な点が多いのです。

香料の王様

竜涎香は「香料の王様」とも呼ばれ、香料の中でも超最高級品です。古より、香水や薬用としての高い価値を有し取引されてきました。クレオパトラや楊貴妃にも愛用されたという伝承があります。

「竜涎香」の価値・値段

この広い世界には「アンバーグリス(竜涎香)ハンター」という職業があるそうです。ただ、日がな一日中海岸を歩きつづけ、運が良ければ竜涎香を発見できる。そんな可能性に賭けた商売。時には、極稀ですが(苦笑)、1キログラム時価約200万円の価値の塊を見つけられることもあるそうです。

海外では何百人という人が、鯨のフンにすぎない石ころで生計を立てています。日本よりも物価高の国でさえ、生活が成り立ちます。そういった国のある人が、2週間で約3キログラム、600万円以上相当の竜涎香を拾うことに成功し、たちまち自らの事業を売り払って専業になってしまったそうです。

ニュージーランドは日本とほぼ同じ人件費ですが、海岸における陣地、縄張りまであります。マッコウクジラの個体数が回復した今、世界では膨大な海洋資源一つである竜涎香が注目されています。

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「竜涎香」の特徴と見分け方

ここからは、龍涎香の概要について紹介していきます。なにぶん高価なものなので、実存体験としての実感をともなって紹介しているものは稀なのです。よって、成分や計測できるものの他は、又聞きの又聞きにしかすぎないことは否めないでしょう。

どんな香り?

その香りとは、まず、悪臭がします。次に青臭くなり、それが、かび臭い匂いに変わり、その後、得も言われぬような薫りとなります。「海の香り」とか、「麝香(じゃこう)」に似た、かぐわしい香りに変化すると云われています。

――が、本物の龍涎香を嗅いだことのある人は限られているので、どんな表現を取ろうとも、言葉から言葉への伝達にしかすぎないのが本当のところです。

重さは?

石としての大きさは、一塊で約50グラム〜50キログラムと、まちまちの重さです。持った実感としては軽石に近く、そのような石の塊が海岸に落ちていても、注意深く鼻を近づけて嗅ないことには判別できないでしょう。つまり、龍涎香とは例え目の前に落ちていても、知識と目的のない人には一生見つからないものなのです。

色や形は?

龍涎香の色や形とは、白、緑、黄色味がかったもの、茶色、灰色、琥珀色、黒色などの色があり、形としは不定形で、大理石状の模様をした蝋状(ろうじょう)の固体です。

「竜涎香」の鑑定方法

専門の鑑定に出す前に、自己チェックする方法があります。その手順を紹介します。
まず、水に浮かぶか調べます。次にホットワイヤーテストをします。以下その方法です。
 

1.針やワイヤーの先端を、ガス台、ライター等で赤くなるほど熱します。
2.この針を龍涎香の候補の対象物に、約1センチほどの深さまで差し込みます。
(竜涎香であれば、物体の表面は熱い針に溶け出し、先端は奥へと侵入していきます。溶けた油分が煙を出し、黒い残留物が触れた部分にまとわりつきます)
3.煙とともに匂いが出たら、その匂いを嗅いでみます。
(先端から、ジャコウのような香りがすれば、それは龍涎香です)

「竜涎香」は日本でも見つけられる?

日本にも幾つかの龍涎香に関する記録が残っています。その有名なものの一は和歌山のものであり、もう一つが沖縄のものです。その二つを紹介します。

1696年和歌山県で発見

1696年(元禄9年)の3月28日、和歌山県熊野日置浦の浜辺において、五貫五百目(約20キロ)の鯨糞(竜涎香の別名)が拾われたという記録があります。現在の価値では、質のよい竜涎香で1グラムで2100円ぐらいとするなら、420万円くらいでしょうか。巨大なもので800万円ぐらいの値がついたものもあるそうです。

1704年沖縄県で発見

沖縄の古い役所(琉球王国時代)の記録によれば、1704年に大きな竜涎香が見つかりました。現在の沖縄県石垣島、川平村の民が見つけて蔵元、当時の役所に届けた石の塊は、記録では162斤130目とあり、現在の重さに換算して約100キログラムでした。

見返りとして、粟(あわ)およそ40石(こく)が与えられたそうです。現在の価値で1グラムにつき2,300円とすれば、2億3千万円相当になります。おおざっぱにいって、江戸時代の40石は300万くらい。ただし、お米での計算になります。粟が米より高かろう筈がありません。暴力的な安さ、ピンハネですね。

当時の琉球では、国を挙げて偶然の賜物でしかない漂着物の竜涎香を探していました。トラブルの起きぬよう竜涎香取引のための価格表もあり、琉球沿岸各地で多数の竜涎香が拾われました。

「竜涎香」を使った香水2選

本物の龍涎香が使われているのか、それとも人工のものか不明ですが、二つの商品を紹介します。もし、天然の本物がふんだんに使用されているなら、庶民に手が届く値ではないでしょうが。

1.ホワイトアンバーグリス・竜涎香”デヘン・アル・アンバーグリス・ホワイト

濃縮香水スプレー15ミリリットル。フレンチアラビアンスタイルの調香師として知られる「Sharif La Roche(シェリフ・ラ・ローシェ)」が手がけました。「La Roche Collection」を中心とした天然香料を使用しています。

ハンドメイドによるブレンドの香りは独特な魅力があり、それを一旦身にまとえば、異性の嗅覚を刺激する動物的かつ蠱惑的な甘さが放たれます。

このアンバーグリスピュアホワイトは、ユニセックス(男女兼用)でもご使用可能です。※単品・通常発送の送料は2,400円です。速達便、複数同梱発送も、お選びいただけます。

2.練り香水 龍涎香

お肌に優しい「練り香水」。付け過ぎの心配がない初心者にもお勧めの香水です。「練り香水」の魅力は、優しく香り強すぎないことです。次に、お肌にやさしいこと。アルコール不使用で、ミツロウ、アボカドオイル、ホホバオイルなどの成分で作られています。

また、コンパクトで持ち運びにも便利です。液体香水のようにこぼれる心配がなく、気軽にポーチに放り込んで持ち運びできます。香りが弱くなったら、パッと付け足し。3~4時間ていどが付け足しの目安です。価格は、1,620円 (税込)です。

【番外編】シャネルの5番の香料はジャコウネコのアソコ

その正体は、ジャコウネコという動物のアソコ近くにある「会陰腺(えいんせん)」から採れる香料「シベット(霊猫香)」です。そのままでも強烈な臭気を持ちますが、エタノールに溶解させ薄めると、心地よい香りへと変化します。

他の香料と混ぜることで初めて香水となるのです。花の香りなどを付加し「シャネルの5番」にも使われています。古代においては、媚薬として用いられていました。また、クレオパトラが体に塗っていたという言い伝えがあります。

江戸時代に鎖国はなかった?

一口に鎖国と言っても、様々な見方があります。交易の出入り口としては、出島ルート=オランダ=プロテスタント信徒の国との交易ルートがあり、松前藩ルート(樺太ロシア交易ルート)、対馬列島ルート(清国、李氏朝鮮交易ルート)、琉球ルート(清国、ならびに東南アジア交易ルート)などがありました。

これらの交易ルートがなければ、日本南海の海辺で龍涎香が(血眼になって?)拾われたり、国際的な商取引に使われたりすることはなかったでしょう。もし龍涎香の価値が国際的でなければ、もし日本が完全に鎖国していたら、どうだったでしょう。

日本の香り文化は、実は江戸幕府の鎖国と交易のあり方の複雑さを物語っています。香りの道から、歴史を多角的に見直すこともできるのです。

2018年12月26日、日本は国際捕鯨委員会を脱退をしました。

現在、マッコウクジラの個体数が回復しており、膨大な海洋資源の一つとして竜涎香が注目されています。人工の竜涎香も開発されていますが、天然の龍涎香となれば、その価値が跳ね上がります。1g当たり約2000~2100円で取り引きされ、イギリスの海岸で、犬の散歩中に拾った臭い石が約800万円もの値をつけました。

過去、日本は世界有数の竜涎香の産地でした。なにしろ、海岸線の長さは世界で第6位です。海外で商売が成り立っているのなら、この海岸線の長い日本で成り立たないワケがありません。しかし、マッコウクジラが一時減って、頭のおかしな宗教ともいえる文化差別によって、捕鯨の文化・技術は衰退してしまいました。

日本政府は2018年12月26日、クジラの資源管理について議論する国際捕鯨委員会(IWC)を脱退しました。それとともに、商業捕鯨を再開することを決定したのです。日本は商業捕鯨停止から30年以上にわたって、委員会にムダ金を拠出し再開を訴え続けてきました。捕鯨関係者並びに水産庁、我々にとっては悲願の脱退となります。

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