モモンガとムササビとヤマネの違いは?どうしたら見分けれる?

愛らしい見た目がそっくりなモモンガとヤマネ、ムササビは混同されやすい動物です。しかし、それぞれの動物には異なる特徴や生態があるのです。そこで、今回はムササビやモモンガ、ヤマネそれぞれの生態や特徴と、これらの動物の見分け方を紹介していきましょう。

モモンガとムササビとヤマネの違いは?どうしたら見分けれる?のイメージ

目次

  1. 1似ているモモンガとムササビ
  2. 2モモンガとムササビの共通点
  3. 3モモンガとは?
  4. 4ムササビとは?
  5. 5モモンガとムササビの違い・見分け方
  6. 6ヤマネとは?
  7. 7モモンガ・ムササビ・ヤマネはペットにできる?
  8. 8ペットにできる外来種のモモンガ・ムササビ・ヤマネ
  9. 9特徴的な生態からモモンガとムササビとヤマネを見分けよう

似ているモモンガとムササビ

ムササビとモモンガは、腕と足に繋がっている伸縮性のある皮で空気を掴み、上手く滑空して移動する動物です。移動方法だけでなく見た目も似ていることから、ムササビとモモンガを混同してしまう人も少なくないでしょう。

また、ヤマネという動物もムササビやモモンガとよく似ているため、間違われやすい動物です。

そこで、今回は混同されがちなモモンガとヤマネ、ムササビそれぞれの特徴を詳しく説明していきたいと思います。ムササビとモモンガ、ヤマネそれぞれの違いを知りたい人は、ぜひ今回の内容に注目してみてください。

モモンガとムササビの共通点

モモンガとムササビは特に似ているため、違いが分かりにくい動物でしょう。どちらもネズミ目リス科に分類されている動物であり、夜行性という特徴も同じであるために、見た目も生態もよく似ています。

木の上で主に生活しており、皮膜と呼ばれる伸縮性のある部位を広げて、木と木の間を飛んで移動する様子もそっくりなのです。しかし、よく見ると体全体の大きさや皮膜の付け根、尻尾の形などに明確な違いが発見できます。

モモンガとは?

モモンガは忍者のようにかっこよく滑空する様子や、見た目の愛らしさから、老若男女に人気のある動物です。しかし、モモンガの詳しい生態を把握しているという人は少ないでしょう。以下では、モモンガの特徴や生態について、詳しく触れていきたいと思います。

手のひらサイズの哺乳類

モモンガは世界各国の森や林などに生息する小型哺乳類です。体長は約20cmほど、体重は100~200gほどで、手のひらに収まるほどの小さなサイズの動物とされています。

ムササビも小型の哺乳類ですが、体長や体重はモモンガのほぼ倍となので、モモンガは特に小さい哺乳類と言えるでしょう。リスの様に木の上で多くの時間を過ごし、日中は木の中の穴に隠れて過ごしています。

夜行性なので夜には皮膜を利用して空を滑空し、食べ物を探すのです。日本各地には平安時代からモモンガが生息しており、「モミ」や「ムササビ」と呼ばれていました。

本州の地域では、モモンガは悪いことをする人を懲らしめる妖怪として、扱われていたこともあるようです。北海道の先住民族であるアイヌ民族の間では、モモンガは子守を司る神として信仰されていました。

山地に生息

モモンガは木の上で多くの時間を過ごすため、木が多い山地に生息しています。日本には山が多いため、平安時代ごろから各地でモモンガが目撃されていたようです。

世界各地の山地にも生息が確認されており、現在までにフクロモモンガやタイリクモモンガ、アメリカモモンガなどの45種類のモモンガが発見されています。

モモンガは木の中に穴をあけて巣にするため、木の上で出産や子育ても行うのです。夜行性で日中は太陽光で目がくらんでしまうため、木の中の巣穴に隠れて過ごします。

食性は植物

モモンガはムササビと同じく、基本的には植物のみを食べる動物です。普段はリスのように木の実や果実などを食べて過ごしていますが、時には昆虫や小型の鳥などを捕まえて食べることもあります。

特に木の実や果実などが少なくなる寒い季節には、木に隠れた昆虫や鳥などを夜に捕まえて食べることが多いようです。また、基本的にはモモンガは単独行動をする動物ですが、冬には仲間と協力して獲物を獲ることもあります。

皮膜で滑空移動

モモンガは体の横に付いている、よく伸びる皮膜を伸ばして滑空し、木の間を素早く移動していきます。前足と後ろ足をピンと伸ばした大の字のポーズで飛ぶ姿が可愛いと、日本でも一時期注目されました。

皮膜の付き方はムササビと少々異なっており、皮膜は前足と後ろ足の間に付いています。

ムササビとは?

モモンガとムササビの違いをしっかり把握するには、それぞれの生態や特徴を正しく掴む必要があります。以下では、ムササビの特徴や生態についても、詳しく説明していきましょう。

特に見間違えやすいモモンガの生態や特徴と見比べて、違いを意識してみてください。

国内で最も大型の哺乳類

日本の固有種であるムササビは、主に日本の北海道以外の地域やアジア圏の国に生息するネズミ目リス科の哺乳類です。分類上は小型の哺乳類とされていますが、日本国内に生息するネズミ目リス科の層物の中では、最大の大きさを誇る動物とされています。

体長は50㎝ほど、体重は500~1,500gほどとされており、モモンガの2倍ほどのサイズです。尻尾もモモンガよりも圧倒的に長く、尻尾の長さは約25~40㎝とされています。

大木の生えた山林に生息

モモンガよりも大きなサイズのムササビは、大きな木の生えた山林に主に生息しています。大木でないと体が収まる巣穴が掘れないため、大木の上で生活します。特に、木の実や若葉などが食料になるケヤキや楓の大木を好むのです。

近くに人家がある場合は、人家の屋根裏で生活することもあります。

食性は植物

ムササビもモモンガと同様に、木の新芽やドングリや松の実、カキやアケビなどの果実や樹皮などの植物を主に食べて過ごします。しかし、冬には鳥や虫などを食べることもあるのです。

モモンガは冬には仲間と協力して狩猟をすることもありますが、ムササビは冬も完全な単独行動をします。

皮膜で滑空移動

ムササビもモモンガと同じく、皮膜を活用した滑空移動を行います。体が大きい分、滑空できる距離もモモンガより長く、ムササビは1回の滑空で約40~50m移動することもあるのです。モモンガの滑空可能距離はその役半分とされています。

皮膜の付き方もモモンガと異なっており、首と前足の間や尻尾と後ろ足の間にも皮膜が存在しているのです。また、立派な尻尾は滑空時に舵のように使います。

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モモンガとムササビの違い・見分け方

モモンガとムササビを両方見たことがある人でも、なかなか瞬時にモモンガとムササビを見分けることは難しいでしょう。そこで、以下ではモモンガとムササビの違いや見分け方を詳しく解説していきたいと思います。

ムササビとモモンガを混同してしまっている人は、ぜひ以下の違いと見分け方を覚えてみてください。

大きさ

モモンガとムササビを瞬時に見分けたい時に役立つポイントが、体の大きさです。モモンガやムササビの約半分のサイズなので、体の大きさに着目すると容易にムササビとモモンガを見分けることができます。

また、ムササビは大きな木のある山林に生息するので、近くに大きな木があるかどうかも、ムササビとモモンガを見分けるポイントになります。

目の大きさ

モモンガとムササビの見分け方には、目の大きさの違いも挙げられます。ムササビよりもモモンガの方が、目がかなり大きいのです。顔を比較してみるとその大きさは一目瞭然なので、ぜひ一度ムササビとモモンガの目元を見比べてみてください。

皮膜の発達の仕方

モモンガとムササビの見た目の違いの中でも、特に目立つものが皮膜の発達の違いと言えます。モモンガは皮膜が前足と後ろ足の間にしか付いていませんが、ムササビには皮膜が後ろ足と尻尾の間、前足と首の間にもあるのです。

皮膜の面積が大きいムササビは、モモンガよりも長い距離を飛べます。また、ムササビの手首には普段はコンパクトに収納されている特殊な軟骨があり、その軟骨を滑空時に広げることで、より皮膜を広げることができるのです。

尾の形

尻尾の見た目の違いも、ムササビとモモンガの見分けに役立ちます。ムササビの尻尾はモモンガの尻尾よりも太く、円錐形をしているのです。一方で、モモンガの尻尾はムササビと比べると小さく、平べったい楕円形の形をしています。

滑空時には特に尻尾が良く見えるので、ムササビやモモンガが滑空している時は尻尾に注目してみてください。

糞の形

糞の形も、ムササビやモモンガの見分ける時にぜひ注目したいポイントです。モモンガの糞は俵型で、ムササビの糞は丸い形をしています。

モモンガもムササビも滑空距離をできるだけ伸ばすために、飛ぶ前に巣穴近くで糞をするのです。そのため、巣穴のある木の根元には、ムササビやモモンガの糞がたくさん落ちていることがよくあります。

ちなみに、ムササビの糞は、古くから「五霊脂」と呼ばれる漢方薬の材料として使われているのです。

生息している場所

生息している場所も、ムササビとモモンガを見極めやすくなるポイントです。寒さにも強いモモンガは、世界各国の山地に生息しており、日本では北海道から九州地方にまで生息しています。

しかし、日本の固有種で寒さに弱いムササビは、アジア県内の温かい地域の山地にしか生息していません。北海道には、ムササビは生息していないのです。

ヤマネとは?

ムササビとモモンガと、見分けがつきにくい動物には、ヤマネという動物も含まれています。以下では、そのヤマネの生態や特徴について、詳しく取り上げていきましょう。

ヤマネという動物をよく知らないという人は、ぜひ以下の内容からヤマネをイメージしてみてください。

ハムスター程の大きさ

ヤマネとはヨーロッパ大陸やアフリカ大陸、東アジアエリアなどに広く生息している小型の哺乳類で、ハムスターほどのサイズとされています。

日本には、ニホンヤマネという種類のヤマネが約数百万年も前から生息していたと考えられており、国の天然記念物とされているのです。体長は10cmほど、体重は40~50gほどのニホンヤマネはとても小さく、ムササビやモモンガのような皮膜もありません。

しかし、見た目はかなりムササビやモモンガと似ており、背中には特徴的な一直線の黒い模様が入っています。

森林に生息

ヤマネはムササビやモモンガと同じく、木がたくさんある森林で生活しています。木の上で生活する点も似ていますが、皮膜が無いヤマネは、長い尻尾を枝に巻き付けてぶら下がりながら移動するのです。枝が無い場合は走って移動します。

木の中に巣を作り、その巣の中で冬眠するのです。

食性は雑食

ムササビやモモンガは基本的に植物を食べて暮らしていますが、ヤマネは雑食なので、季節に関係なく様々なものを食べて暮らしています。木の実や木の新芽を食べることもあれば、昆虫や小鳥なども食べるのです。

冬眠が長い

ムササビやモモンガは冬眠しませんが、ヤマネは気温が15℃以下ほどになると必ず冬眠します。その冬眠期間は約半年と、かなり長いのです。

さらに、長い冬眠の間は凍死を防ぐために、体温や心拍数を極限まで下げて仮死状態になります。そのため、コオリメズミや冬眠ネズミという別名もあるのです。

また、冬眠前には冬眠中の栄養を蓄えるために、体重が2倍ほどになるまで脂肪を蓄えます。その丸々太った様子から、マリネズミと呼ばれることもあるのです。

モモンガ・ムササビ・ヤマネはペットにできる?

モモンガやムササビ、ヤマネはどれも愛らしい見た目をしているので、ペットにしたいという人もいるでしょう。しかし、ヤマネやムササビ、モモンガは、日本でペットにすることができる動物なのでしょうか?

以下では、日本でモモンガやムササビ、ヤマネをペットにできるかどうか、確認していきたいと思います。

日本生息の種類は飼育禁止

日本に生息しているムササビやモモンガ、ヤマネはどれも絶滅危惧種や天然記念物などに指定されているため、個人的に飼うことはできません。絶滅危惧種や天然記念物をペットとして飼育してしまうと、法律に触れるので絶対に飼わないようにしましょう。

しかし、国外に生息しているモモンガやムササビ、ヤマネならは、日本でもペットにすることは可能です。

ペットにできる外来種のモモンガ・ムササビ・ヤマネ

以下では、日本でも個人的に飼うことが可能な外来種のムササビやモモンガ、ヤマネをいくつか紹介していきましょう。これらの動物をペットにしてみたい人は、ぜひ以下の内容をよく確認してみてください。

フクロモモンガ

縞模様のある顔が特徴的なフクロモモンガは、インドネシアやオーストラリアなどに生息するモモンガです。体長は20㎝ほど、体重は90~150gほどで、比較的人に懐きやすいとされています。特に、子供の頃から育てるとかなり良く懐きます。

また、80㎝四方ほどの枝を入れたケージで飼育でき、必要な餌も少量の果実や野菜、肉などであるため、飼育しやすいモモンガと言えるでしょう。

しかし、リンやカルシウムといったビタミン類が不足しやすく、不足すると骨折の危険が高まるため、ビタミン不足には注意が必要です。

カオジロムササビ

カオジロムササビは、主に台湾や中国に生息しているムササビで、顔が白い毛に覆われていることからこの名前が付きました。レッサーパンダのような愛らしい見た目から、価格は約30万円と高価ですが、日本でも人気があるようです。

しかし、体は一般的なムササビよりも少し大きく、噛む力もかなり強いので、頑丈で大きなケージが必要になります。また、かなり警戒心が強く懐くまでには時間がかかるので、飼うにはある程度の覚悟が必要です。

アフリカヤマネ

アフリカヤマネは、一般的なヤマネよりもサイズが小さめで、大人しい性格のためペットとして人気が高まっています。ハムスター用のケージでも飼育可能で、巣箱や止まり木などを用意すれば、ストレスを与えずに飼育できるでしょう。

しかし、雑食性かつ夜行性なので、夜の騒音や時々行う必要がある昆虫の給餌が気になる人には飼育が難しいと思われます。

特徴的な生態からモモンガとムササビとヤマネを見分けよう

今回はムササビとモモンガ、ヤマネそれぞれの特徴や生態を紹介しながら、それぞれの見分け方も取り上げました。ムササビとモモンガ、ヤマネはどれも愛らしい見た目やユニークな生態を持つ動物です。

今回の内容を覚えてしっかり見分け、それぞれの動物の魅力をしっかり感じ取ってみてください。

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