方言「めっちゃ」の意味とは?地域別の使い方|大阪/愛媛/愛知/宮城/広島
日常的に使う「めっちゃ」は実は方言だったと知っていますか?大阪や愛知・宮城などで使われる方言「めっちゃ」の意味について見ていきましょう。さらに「めっちゃ」と似た意味を持つ方言を広島・北海道・沖縄などからもピックアップして紹介していきます。
目次
- 1「めっちゃ」は方言だった?
- 2ポピュラーな方言「めっちゃ」を使ってる地域は?
- 3方言「めっちゃ」の意味と由来
- 4「めっさ」という表現もある
- 5方言「めっちゃ」の大阪での意味と使い方
- 6方言「めっちゃ」の愛知での意味と使い方
- 7方言「めっちゃ」の宮城での意味と使い方
- 8方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~広島~
- 9方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~鹿児島~
- 10方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~岩手~
- 11岩手における他の方言は?
- 12方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~京都~
- 13方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~北海道~
- 14方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~沖縄~
- 15方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言〜愛媛〜
- 16方言「めっちゃ」と「めっさ」の違いは?
- 17全国の「めっちゃ」はいろいろ!
「めっちゃ」は方言だった?
あるコンサートを見に行った感想を聞かれたとして、「めっちゃ凄かった」「めちゃくちゃ盛り上がった」と答えると思います。この「めっちゃ」という言葉、実はある地域の方言だったということを知っていますか?
東京では特に方言と意識せずに「めっちゃ良かった」と話す人も多いですが、知らず知らずのうちに標準語であるかのように私たちは使っているのです。
「めっちゃ」という方言に注目して、地域による特徴について見ていきましょう。
ポピュラーな方言「めっちゃ」を使ってる地域は?
「めっちゃ」という方言は、大阪・愛知・愛媛・宮城などで使われています。4府県ともに地理的には離れている中、共通して「めっちゃ」と言う文化が残っているのは不思議に感じられるかもしれません。
方言「めっちゃ」の意味と由来
まずは基本知識として、「めっちゃ」の意味と由来について見ていきましょう。「めっちゃ」とはいったいどこの地域で生まれたものなのか、紹介していきます。
方言「めっちゃ」の意味
「めっちゃ」という方言は、「とても」「非常に」という意味を持っています。これ自体は私たちもよく知っている意味でしょう。ジェットコースターに乗って「めっちゃ怖かった」、テスト勉強を「めっちゃ頑張った」など、よく用いられます。
方言「めっちゃ」の由来
「めっちゃ」という方言は、主に関西で若者言葉として使われています。この方言は、もともと「無茶苦茶」という言葉を崩して表現したものだと考えられています。
むちゃくちゃ→めっちゃとした方が確かに発音しやすく、短いことから、好んで使われてきたのだと思われます。関西で生まれたこの「めっちゃ」は愛媛・愛知など他の地方でも使用が確認されています。
「めっさ」という表現もある
「めっちゃ」だけでなく「めっさ」と発音する場合もあります。むちゃくちゃ→めっちゃという変化に留まらず、そこからめっちゃ(むっちゃ)→めっさ・むっさという違うパターンでの変化も生まれました。
「めっちゃ」も「めっさ」も方言ではありますが、その地域でない人であっても意味は通じます。いずれにしろポピュラーな方言と言って良いでしょう。
「めっちゃ」「めっさ」については後半にもう一度触れておきたいと思います。
方言「めっちゃ」の大阪での意味と使い方
「めっちゃ」は関西で生まれたとされています。関西の大都市、大阪で「めっちゃ」がどういった意味と使い方を持っているのか、見ていきましょう。
大阪での方言「めっちゃ」の意味
めっちゃ | 意味:非常に、とても |
バラエティ番組などで、大阪出身のタレント・芸能人も頻繁に「めっちゃ」「めっさ」と方言を使って話している光景を目にしたことがあると思います。
「めっちゃ」は「非常に」「とても」という意味を持っています。既に標準語として使っても遜色ないくらい、非常に知名度の高い方言です。
大阪での方言「めっちゃ」の使い方《例文紹介》
例 それめっちゃ(めっさ)おもろいな | 意味:それは凄く面白い |
例 めっちゃあほやん! | 意味:とてもあほ(おかしい) |
テレビや小説などで大阪の方言はよく見聞きするため、関西圏の人でなくても知らず知らずのうちにこれらの方言を使っているということがあります。
ここで取り上げた「めっちゃ」意外にも「あほ」という大阪の方言がありますが、この「あほ」は愛情を含んだ意味で使われることが多く、見下した・馬鹿にした意味で使われることはあまりありません。
方言「めっちゃ」の愛知での意味と使い方
大阪から少しだけ離れた愛知県では、「めっちゃ」から形を変えて違う方言が使われています。愛知県ではどうなっているのかについて見ていきましょう。
愛知での方言「めっちゃ」の意味
でら | 意味:非常に・とてもすごい |
「めっちゃ」の面影はありませんが、愛知県では「でら」が「めっちゃ」の意味にぴったり合う方言です。地域によってここまでの違いがあるのが方言の面白さでもあります。
愛知での方言「めっちゃ」の使い方《例文紹介》
でら好きだがや | 意味:とても好きです |
愛知の方言を知らない人が「でら好きだがや」と聞いてもあまりピンと来ないかもしれません。愛知で「でら」を使うときは、「で」と「ら」の間を伸ばしながら話すのがポピュラーなようです。
方言「めっちゃ」の宮城での意味と使い方
今度は東北の宮城について見ていきましょう。東北地方は独特な方言がたくさんある印象がありますが、宮城県ではどのような方言が用いられているのでしょうか。
宮城での方言「めっちゃ」の意味
めちゃこい(めっちゃこい) | 意味:非常に小さい |
「めっちゃ」を含んだ方言として「めちゃこい」「めっちゃこい」というものがあります。日常生活で「ちっこい」ということがありますが、ひょっとするとこの方言と関係があるのかもしれません。
宮城での方言「めっちゃ」の使い方《例文紹介》
あんなめちゃこいよめごさは…… | 意味:小さいお嫁さんには…… |
「めちゃ」と「よめ」は分かっても、「めちゃこい」が小さいという意味を持っているのは知らないとわからないと言えるかもしれません。
東北では、北の方の津軽地方などは方言が特に独特であると知られています。
宮城での他の方言は?
宮城周辺の地域内において、他にはどういた方言が用いられれているのでしょうか。
一例として、「おばんです」というのがあります。これは最もポピュラーな宮城の方言の一つで、「こんばんは」という意味を持っています。特に大人世代では頻繁に用いられているそうです。
さらに、有名な宮城の方言として「めんこい」というものがあります。「めんこい」がかわいい・可愛らしいという意味であることは知っている人も多いのではないでしょうか。
方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~広島~
大阪と同じ関西方面の広島では、「めっちゃ」に該当する方言はあるのかどうかを見ていきましょう。大阪と地理的に近いということは、話し方も大阪と似ているということになるのでしょうか?
方言「めっちゃ」の広島版「ぶち」
「めっちゃ」「めちゃ」は非常に・とてもという意味ですが、広島においてこれに該当する方言が「ぶち」です。
標準語の「とても」や方言「めっちゃ」も勿論通じますが、広島で生まれ育った人の間では「ぶち」という方言が伝統的に用いられてきたようです。
方言「めっちゃ」の広島版「ぶち」の使い方《例文紹介》
ぶち好きじゃけん | 意味:とっても好きだ |
「ぶち」だけでなく、「じゃけん」というのも広島地域の方言でよく用いられます。「好き」だけが標準語から変化していないのが面白いと感じるかもしれません。
広島での他の方言は?
標準語と勘違いしてしまいそうな広島の方言に、「知ったげ」があります。「あいつ知ったげに言いよんじゃけぇ」と聞いて、何という意味か分かりますか?
「知ったげ」は、"知ったかぶり・知っているように"という意味です。広島の方言は標準語と形が似ているものが多く、「うまげ(美味い)」「はよ(早く)」などはその代表例です。
方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~鹿児島~
これまでは大阪・愛知などの本州を中心に方言を見てきました。
遠く離れて九州の鹿児島では、「めっちゃ」に該当する方言はあるのでしょうか。見ていきましょう。
方言「めっちゃ」の鹿児島版「スッタイ」
スッタイ | 意味:とても |
「スッタイ」という方言を聞いたことはありますか?実はこれこそが、鹿児島で「めっちゃ」に当てはまる方言なのです。意味はほぼ「めっちゃ」と同じ。「とても」「非常に」というニュアンスで使うことができます。
方言「めっちゃ」の鹿児島版「スッタイ」の使い方《例文紹介》
いっぺこっぺ、さるっもしたや、スッタイだれもした。 | 意味:あちこち歩きまわったら、とてもつかれた。 |
少し長いですが、スッタイを使った例文として紹介しました。鹿児島弁に精通していない限り、ちょっと理解することは難しいかもしれません。
方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~岩手~
本州をかなり北に上った岩手県ではどういった方言が用いられているのでしょうか?
本州の最北である津軽地域などの方言は、かなり難解なことで知られています。岩手県の「めっちゃ」にあたる方言も、独特であることが予想されます。
方言「めっちゃ」の岩手版「らずもね」
らずもね | 意味:とても |
鹿児島の「スッタイ」も個性的な方言ですが、こちらもそれに劣らず個性的な言葉です。「らずもね」でとても・非常にという意味を持っています。岩手の方言は他にも難解なものが多く、バラエティ豊かです。
方言「めっちゃ」の岩手版「らずもね」の使い方《例文紹介》
らずもねごとすてすまったや | 意味:とんでもないことをしてしまったんですよ |
「らずもねごと」でとんでもないこと、という意味を表していると考えられます。標準語しか知らない人にとっては、解読するのも難しいかもしれません。
岩手における他の方言は?
「らずもね」以外にも、岩手の方言では個性的なものがたくさんあります。「とても」という意味の方言だけでなく、岩手にはどういった方言がよく用いられているのか、見ていきましょう。
岩手の方言「おがどおぐり」
「おがどおぐり」これだけを見て、どんな意味か想像はできますか?ほとんどの人には難解に映るのではないでしょうか。
「おがどおぐり」は「お見送り」という意味を持っています。下で、その例文についても紹介していきます。
岩手の方言「おがどおぐり」の例文
しぇんしぇーおがどおぐりしろ | 意味:先生をお見送りしなさい。 |
先生を見送りする場面ではこれを使えばOKです。「しぇんしぇー」が発音では「せんせい」とほぼ同じなのが、面白い点かもしれません。
方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~京都~
京都は大阪と地理的に近いため、歴史的にも多くの繋がりをもった町でした。そのため、方言においても大阪と京都では近いものがあるように感じられます。
実際のところどうなのか、見ていきましょう。
方言「めっちゃ」の京都版「えろう」
えろう | 意味:大変・辛い・非常に |
「えろう」で大変・辛い・非常にという意味です。「えらいこと」「えらい事件だ」としばしば言いますから、標準語しか知らない人でも通じるのではないでしょうか。
方言「めっちゃ」の京都版「えろう」の使い方《例文紹介》
エライ悪いこと言いまして | 意味:大変悪いことを言いまして(すみません) |
大阪弁や京都弁は、しばしば「関西弁」としてひとまとめにされることもあります。「えらい事件が起こった」と聞くと、「何か大変なことがあったんだなあ」と予想ができると思います。
大阪弁にしろ京都弁にしろ、標準語に深く浸透しており、ある程度であれば意思疎通ができることがわかります。
方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~北海道~
海を渡って北海道にも、「めっちゃ」のような方言は存在しているのでしょうか。見ていきましょう。
方言「めっちゃ」の北海道版「なまら」
なまら | 意味:とても・すごく |
北海道の方言では、「めっちゃ」に該当するものとして、「なまら」という方言が用いられています。北海道内では、高齢者よりも若者が好んで話す傾向があるそうです。
方言「めっちゃ」の北海道版「なまら」の使い方《例文紹介》
今夜はなまら最高だ! | 意味:今夜はとても最高だ! |
「すげー」に近いニュアンスを持つのが、「なまら」の特徴です。「めっちゃ最高だった」「ヤバかった」これに近い意味として「なまら」を使うことができます。
方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言~沖縄~
本州・九州から海を広く隔てた沖縄では、独特の文化が歴史を通じて生まれてきました。方言においてもそれは例外ではありません。
「めっちゃ」に該当する沖縄の方言は何なのか、見ていきましょう。
方言「めっちゃ」の沖縄版「でぇじ」
でぇじ・デージ | 意味:大変・大変なこと・とても |
沖縄地域では、「でぇじ」という方言が「めっちゃ」に該当します。カタカナで「デージ」と表記すると何かの専門用語に見えてくるかもしれませんが、地域では頻繁に用いられる方言なのです。
方言「めっちゃ」の沖縄版「でぇじ」の使い方《例文紹介》
でぇじ まぎー まやー ひんぎたー | 意味:とても大きな猫が逃げた |
沖縄地域の方言は、個性的なものが多いです。上の例文でも「まぎー」「まやー」「ひんぎたー」がそれぞれ”大きい”、”猫”、”逃げる”という意味を持っていますが、沖縄弁を知らないと外国語のように感じられてしまうかもしれません。
個性的な方言は沖縄の魅力の1つでもあります。方言を使ってみることで親しみを持ってもらえることもありますから、旅行などの際にはトライしてみても良いでしょう。
方言「めっちゃ」と同じ使い方の方言〜愛媛〜
今度は四国の1つ、愛媛における方言について見ていきましょう。大阪の「めっちゃ」「めっさ」に該当する愛媛の方言はどういったものがあるのでしょうか。
方言「めっちゃ」の愛媛版「がいに」
がいに | 意味:非常に、とても |
愛媛では、「がいに」が非常に・とてもという意味を持っています。
愛媛のその他の方言としては、「いなげな(奇妙な)」「がいな(強い、乱暴な)」などがあります。標準語とはだいぶ違った表記をしており、個性的と言えます。
方言「めっちゃ」の愛媛版「がいに」の使い方《例文紹介》
がいに降ってきたなー、もういのや | 意味:ずいぶん降ってきたな、もう帰ろうよ |
この例文では、愛媛では「がいに」で”ずいぶん”、「いのや」で”帰ろうよ”という意味を表しています。
「いのや」が愛媛固有の方言かどうかは明確ではないようで、日本全国で用いられているとのこと。古文の「往ぬ・去ぬ」と関係があると指摘する声もあります。
方言「めっちゃ」と「めっさ」の違いは?
「めっちゃ」と「めっさ」について改めて説明しておきましょう。
「めっさ」でも「めっちゃ」でも意味自体は変わりません。というのも、「めっちゃ」が変化して生まれた言葉が「めっさ」だからです。若者言葉としては「めっさ」が使われることがやや多いとされていますが、明確な区別はありません。
全国の「めっちゃ」はいろいろ!
いかがだったでしょうか?テレビや新聞、ネットでは標準語を中心に用いられていますが、日常会話において方言とはその地域の特徴をよく表しているもの。勉強してみると面白いかもしれません。
「めっちゃ」に注目してみても、全国でいろいろな方言があることがわかりました。日本語は決して画一的なものではなく、いろいろな方言があるということが改めて感じられます。