めざといの意味や類語・使い方とは?めざとい人の特徴も紹介
あなたは「めざとい」という言葉の意味を正しく理解しているでしょうか。よく聞く言葉ではありますが、実際に意味を聞かれると答えられる人は少ないでしょう。今回は「めざとい」という言葉の意味に加え、実際に「めざとい人」とはどのような人か、特徴も合わせて解説します。
目次
「めざとい」とはどんな意味なの?
「めざとい」という言葉を聞いたことがある人、使ったことがある人は多いことでしょう。しかし、正しい使い方やこの単語の意味をきちんと理解している人は案外少ないでしょう。
めざといとは、漢字で目敏い、もしくは目聡いと書きます。目はもちろん人の目のことですが、後ろについている敏い・聡いとは、「感覚が鋭い・敏感である」といった意味があります。
めざといとは、分解すると上記のような意味になるのですが、単語としての意味・使い方には2種類あります。
見つけるのが早い
一般的にイメージする「めざとい」の意味はこちらでしょう。注意深く見つけるのが早い、周囲に慎重に目を配り機敏さを持っている、目をつけるのが早い時などにこの言葉を使います。
目が覚めやすい
こちらの意味はあまりなじみがないと思います。実は「めざとい」には、睡眠が中断されやすく目が覚めやすい、といった意味もあるのです。
「めざとい」の正しい使い方を例文で紹介
めざといという単語が持っている意味は理解できたことでしょう。では次は、実際にこの言葉を日常生活の中で使う時は、どのように使うのかを解説していきます。
めざといという言葉は良くも悪くも使われる表現ですので、今回もその両方の用途に合わせて、良い意味での使い方と悪い意味での使い方、2つに分けてご紹介していきます。
実はこの見分けについては、文脈から判断するほかないことが厄介な点なのです。自分自身でその文脈を読み取り、プラスとマイナスどちらの意味合いで使われているのかを、その時々で判断できないといけません。例文を通じて見極める力をつけましょう。
「めざとい」の良い意味での使い方
良い意味でのめざといの使い方、ニュアンスとは、その優れた観察力・洞察力や細かい部分にまで目が届くことを褒める、というものです。
例えば「そんな良い時計を半額セールで買うなんて、相変わらずめざとい奴だな」という文章ですが、これはプラスの意味での使い方です。セールにすぐ気が付いた、つまりセールに敏感だったという事です。
次に「こんな気遣いができるあなたは、やっぱりめざとい人だね」という文章です。これは観察力に優れ、細かい部分にまでよく気が付いて気配りができる、その部分を褒めるためのポジティブな表現です。ここでの意味ももちろん良い意味です。
「めざとい」の悪い意味での使い方
悪い意味でのめざといの使い方、ニュアンスとは、いちいち細かい部分を気にする、どうでもいいことに突っかかったり上揚げ足を取ったりする、というものです。
まず「こんなことをわざわざ指摘するなんて、やはり君はめざとい人だね」という文章ですが、これは明らかにマイナスの表現です。細かいことをきにしていちいち突っかかってくること、揚げ足を取ってくること、というマイナスの意味で使用しています。
次に「僕の祖父はちょっとの物音で目覚めるから、すごくめざといんだよね」という文章です。これは「目が覚めやすい」という意味で使う場合ですが、マイナスの意味を持っています。
この文章における「めざとい」という単語は、夜中に飲み物を飲む音、トイレへ行く物音だけですぐに目が覚めてしまう、こんな面倒な特徴を表現しています。
「めざとい」の類語は?
めざといという言葉ですが、どのような類語があるのでしょうか。ここでは、めざといという言葉に似た意味を持つ慣用句を紹介していきます。
めざといの類語には、以下の4つがあります。
・目が早い ・鼻が利く ・飛耳長目(ひじちょうもく) ・寝聡い(いざとい) |
目が早い
素早く気が付いて見る、見つけるのが早い、という意味で使われる慣用句です。「流行品には目が早い」といった使い方をします。純粋なる褒め言葉として、上下関係や場面を問わず、様々な使い方ができる言い回しです。
鼻が利く
この慣用句には、もちろん嗅覚が優れているという能力的な意味もあります。その意味になぞらえて、「敏感で物を見つけ出すことに長けている」という意味も持っているのです。後者の意味が「めざとい」と同様の意味だと言えます。
ただ、この言葉は皮肉交じりな褒め言葉としての使い方が多いため、人に対して使う時には注意が必要です。
飛耳長目(ひじちょうもく)
この単語は見聞きしたことがある人が少ないことでしょう。フリガナ通り、「ひじちょうもく」と読みます。この言葉は物事の観察に鋭敏であることを表しています。そのため、一般的に私たちがよく使う「めざとい」という方の意味に近いと言えるでしょう。
元は、鋭い観察力、そして高い情報収集能力をもたらす書物のことを指していました。中国の古典に由来する言葉で、かの有名な吉田松陰がその重要性を説いていたと言われています。
寝聡い(いざとい)
これは「目が覚めやすい」という意味で使われる方の「めざとい」と同じような意味を持った言葉です。すぐに目が覚めてしまう様子を表現する言葉です。
「めざとい人」の特徴がコレ!
めざといとはどういう意味なのか、それはよくわかった事と思いますが、では実際にめざとい人の特徴とはどのようなものなのでしょうか。ここからはめざとい人の特徴を解説していきます。
周囲への気配りができる
めざとい人は何度も言うように、観察力や洞察力に優れています。その能力から常に周囲への気配りを忘れず、いつでも相手の気持ちになって考え、行動することができることが特徴です。
めざとい人は色々なことに本当によく気が付きます。少し先のことを考えながら行動ができたり、相手が何か言う前にその気持ちを察してあげたりできます。このような行動から、良く気配りができると思われるのです。
裏表があるように思われがち
めざとい人はその観察力、洞察力を駆使して、相手のために尽くしたりするタイプなのですが、それ故に何か見返りを求めているのではないか、などと裏があることを疑われる原因にもなってしまいます。
もちろん裏表があるかどうかは、行動の前後や言動を見ていればわかることなのですが、付き合いが浅くそこまで行動が予測できないうちは、このような悪い印象を持たれがちであることも特徴の1つだと言えるでしょう。
観察能力が高い
めざとい人はその観察力の高さから、常に相手にとって1番良いタイミングで行動を起こすことができます。周囲には「よく気が利く人」「痒い所に手が届く人」だという印象を与えることが特徴です。
めざとい人は、持ち前の観察力で常日頃から色々なことに関心をもっています。その幅広い関心に対して日々考え、試行錯誤した結果として、どんな時も最善の行動がとれるようになっていくのです。
正義感が強い
めざとい人はいつもポジティブ思考です。良いこと、メリットになることを考えて過ごしているうちに、悪いことも良いことにしたくなってしまい、結果正義感が強い人が多い、というわけです。
悪く言われている人を励まし、擁護することもできますが、大勢から敵対視されていようと関係なく擁護するため、ある意味これは敵が増えやすい特徴でもあります。
噂話・悪口は決して言わない
めざとい人はその正義感の強さも含めて、噂話はしませんし悪口も言いません。噂話は憶測でしかありませんから、そのような話をすることにメリットを感じず、自分はそのようなことをしないのです。
さらには悪口を聞かされたとしたも、「これはこう考えると良いところだよね」とプラスに持っていくことができるなど、他人の良い部分を見つける洞察力の高さがうかがえます。
自ら率先して行動できる
めざとい人は自分の気持ち、その時の感情に任せて自分の意志で行動を起こします。自分で自分の行動に責任を持てるからともいえますが、決断力に優れているためにこのような特徴があります。
待ち合わせなどで「どうする?何時にする?どこにする?」と言い、一向に決める気がないように見える人も多いですが、めざとい人は「●時にここで!」とすぐに決めることができます。
率先して相手を褒める
めざとい人はよく他人を褒めます。きっと経験があるかと思いますが、人は褒められるとついつい気が大きくなり、褒めてくれた人に何かお返しをしようとしたりします。めざとい人は褒めるとお返しがあるかもしれないと知っているのです。
これだけ聞くとあまりよくない特徴のように思われてしまうかもしれませんが、めざとい人は自然とこのような行動を取っているだけですので、裏があるというわけではありません。
相手を褒めてお互いに良好な関係性を築くことで自分が得すること、そして自分が得をするためにはどう立ち回るのが最適なのか、それを常日頃考えているために、自然とこのような行動に繋がるというわけです。
めざとい人になりたい
めざといということは、案外悪いことではないとわかってきたことでしょう。ポジティブな特徴も多いですから、自分もめざとい人になってみたい!と思う人も多いかと思います。
ここからはそんな人に向けて、めざとい人になるためにはどうしたら良いか、そのポイントを紹介していこうと思います。
本心に従って動く
先ほど特徴として紹介した通り、めざとい人は裏表がありません。なので、本心に従って行動することが、目ざとく生きるための第一歩とも言えます。
もちろんこれだけでは足りませんから、同時に相手を思って行動する力や相手の長所を見つけ出す観察力を身につけていく必要もあります。このすべてが揃うと、めざとい人になれるでしょう。
そのように他人の良い部分を見つける練習として、まずは自分自身が本心に従って行動することが大切というわけです。もちろん難しいことなのですぐにはできないでしょうから、背伸びせずに少しずつ慣れていきましょう。
期待せずに生きる
もちろんどんな時も期待してはいけない、ということではありません。適度な期待は心をワクワクさせ、楽しく過ごすために必要です。過剰な期待はしないようにしましょう、ということです。
人は何か行動を起こす時、ついつい見返りを求めてしまいがちです。しかし過剰な期待をしてはいけません。めざとい人は自分と相手が得をすることを考えていますから、自分一人の利益だけを考えるのは辞めましょう。
過剰な期待をするくらいなら、その間にも自分が期待する結果になるように努力をするなど、ただ待つだけでなく地盤固めをすると良いでしょう。
感謝の気持ちを忘れない
人やモノに対して、素直な心で感謝することも大切なポイントです。感謝の気持ちを持つという事は、それだけで相手の良い部分が見えるようになるという素敵な行動なのです。
「めざとい」の英語表現は?
「めざとい」という言葉やそれに似た慣用句ですが、英語だとどのような表現になるのかはあまり知られていないでしょう。英語にするとどのような表現になるのか解説します。
「すぐに気づく」の意味での英語表現
こちらの意味での英語表現は、「sharp-eyed」、もしくは「quick-sighted」となります。めざといの類語でもある「目が早い」をそのまま英語にしたような表現です。
また、洞察力が高く何事にも常に気を配っていることから、alert toという表現もされます。これは直訳だと「油断なく、警戒して、警告する、注意する」などの意味がありますが、日本語に訳す時に「めざとい」とされることが多いです。
「すぐ目が覚める」の意味での英語表現
こちらの意味では、「be easily awakened」と表現されます。こちらも意味のまま、「すぐに目が覚める」をそのまま英語にした表現です。
ただ、この意味での「めざとい人」になると、すぐに目が覚めてしまう人、つまり眠りが浅い人となるので、英語表現もa light sleeperと変化します。
「めざとい」と「あざとい」は同じ意味なの?
「めざとい」に似た言葉として、「あざとい」という言葉があります。「あいつはあざとい」などと、どちらかというとマイナスイメージの強い言葉です。「めざとい」と言葉は非常に似ていますが、実際の意味としてはどうなのか確認していきましょう。
あざといとはどういう意味?
あざといとは前述の通り、どちらかというとマイナスの意味合いが強い言葉です。辞書には、「思慮が浅い・小利口である・抜け目がなく貪欲だ・小狡い・やり方があくどい」といった意味が記されています。
いずれにしてもマイナス的要素が強いので、あまり良い表現として用いられることはありません。
めざといとあざといでは全く違う意味
言葉としては似ている両単語ですが、意味を考えると全く異なることがわかります。あざといは全体的にマイナスの使い方しかされませんが、めざといは時と場合によってプラスにもマイナスにもなるのです。
意味の違いを正しく理解し、きちんと使い分けましょう。
あざとい人に関する記事はこちら!
「めざとい」は褒め言葉にも悪口にもなる
これまで曖昧な理解で間違えた使い方をしていた人も、これで「めざとい」の正しい意味を理解できたことでしょう。似ている表現も合わせてお覚えて、ぜひ表現の幅を広げてみてください。
また、めざといことは決してマイナスだけではありません。とてもポジティブな特徴を持っていますので、なりたい人は今回の解説をヒントに努力してみてください。