思い込みが激しい人の心理や性格とは？

男性、女性にかかわらず、職場や学校に必ず一人はいるのが思い込みが激しいタイプの人。「やればできる！」「不可能はない！」なんていうポジティブな思い込みならいいのですが、困るのは攻撃的だったり、被害者意識が強かったりするタイプの人です。

思い込みが激しい性格の人と付き合うのは誰にとっても至難の業（わざ）ですが、とくに大人しい性格の人や優しい性格の人、聞き上手な人は思い込みが激しい人に振り回されがち。

思い込みが激しい人と一日一緒に行動した日の疲労感は並大抵ではありません。気力、体力ともに削られ、身体も心もぐったりしてしまう人も多いのではないでしょうか。

では、彼もしくは彼女の思い込みがそこまで激しくなってしまう原因とは何なのでしょう。生まれながらの性格？育った環境？一概に「ズバリ！コレが原因だ！」とは言えませんが、原因について考えてみましょう。

思い込みが激しくなる原因として一番に考えられるのは、「その人の持って生まれた性格だから」というものです。

人には様々な個性があります。個性には良いものもあれば、もちろん悪いものも存在します。思い込みが激しいのも個性の一つ。その人が生まれながらにして授かってしまった性格なのです。

思い込みが激しくなる原因の二つ目は「育ってきた環境」です。この場合は、親も同様に思い込みが激しいタイプであることが考えられます。

子どもにとって親の言葉は絶対です。子どもにとっては当然の思考回路である「尊敬する両親が間違っているはずがない」という根拠のない自信は、両親が公平公正な人物であれば問題ないのですが、残念ながら両親が思い込みが激しいタイプの人物だとあまり良くない結果を招きます。

最後に挙げる思い込みが激しくなる原因は、誰しもに当てはまる原因でもある「加齢」です。人は歳を重ねるごとに柔軟さを失っていきます。今まで自分がたくわえてきた知識に固執（こしつ）し、新しいものを理解したり、取り入れたりしなくなります。その頑なさこそが思い込みの原因になるのです。

「最近の若い人って〇〇よね」あなたはこんな言葉を口にしてはいませんか。最近の若い人というのは一体誰を指すのでしょう？テレビに映るアイドル？SNSではしゃぐ女の子や男の子？

あなたの目に映るそれらの人々は「最近の若い人」のうちのほんの一部でしかありません。一部を見て全部を知った気になり、意気揚々（ようよう）と他者を判じているその行動が「加齢」による思い込みなのです。

それでは、上記に挙げた原因などから思い込みが激しくなってしまった人の心理的な特徴にはどういったものがあるのでしょうか。

まず、一つめに挙げられるのは自分自身に対して過剰に自信があるという心理的特徴です。このタイプの人は自分の価値観に絶対的な自信を持っており、自分の考えが絶対に正しいという心理から自分至上主義の言動をおこないます。

自分の価値観にそわないものは絶対に認めようとせず、どれだけ論理的に説明されても納得しようとしません。

思い込みが激しい人の心理として非常に被害者意識が強いという特徴が次に挙げられます。事実を捻じ曲げ、すぐに他人に傷つけられたという被害妄想に陥ったり、自分を正当化するために相手や物事を貶します。

また、思い込みが激しい人には自分に自信がなかったり、自分のことが好きではなかったりする人が多く見られます。自分の不安な心理を満たすために宗教やアイドルなどにのめり込み、その価値を妄信してしまいます。

上に挙げた特徴を踏まえて男性の思い込みが激しい性格について見てみましょう。こういう男性は職場や家庭に意外と多く見つかります。

このタイプは「俺が美味しいと思ったんだから全世界の人間が美味しいと思うに違いない」という、物事を何でも自分基準に考える男性。

同じ経験をして、自分と違う感じ方をする人間がいるなんて夢にも思っていません。自分の価値観だけがこの世に存在する唯一の正義であり真実という厄介なタイプの男性です。

何か意見を求めても「だって」「でも」「やめた方がいい」と反対するような意見や否定するような意見しか言わない男性です。

自分の方が正しいと主張したいタイプの男性は何をどう説明しても、結局は自分の意見が一番。相談するだけ無駄なタイプです。

とにかく気が短くて物事を深く考えずに思い込みだけで行動に移してしまうタイプです。いつも落ち着きがなく、何を聞いても生返事しかしない男性に多い性格。

イノシシのごとく自分一人で突っ走るならそこまで問題でもありませんが、職場などにいると面倒なのはこの性格の男性です。周りを巻き込み、事態を悪化させてしまいます。

それでは、女性で思い込みが激しい人にはどういう性格の人がいるのでしょう。こちらも意外と身近にいるタイプばかりではないでしょうか。また、自分に当てはまっていないかどうかもチェックしてみてください。

口を開けば愚痴ばかり。相手の都合なんてお構いなしに愚痴や陰口などネガティブな言葉をまき散らすタイプの女性です。

よくよく聞くと愚痴や陰口の内容も事実無根だったり、勘違いだったりすることが多く、一人で勝手に騒ぎ立てているだけ。まるでスポークスマンのごとく誰彼構わず話して回るので、このタイプの女性に目をつけられると非常に厄介です。

「Aさんに無視をされた！」「Bさんに押された！」など、さも自分が不当な扱いを受けたかのように騒ぎ立てて、自分を悲劇のヒロイン化してしまうタイプの女性。

「Aさんは聞こえなかっただけじゃないの？」「Bさんもちょっと肩が当たっただけだよ」などと自分の被害証言を否定されようものなら狂ったように取り乱し、相手に食ってかかります。

気が短く、深く考えることが苦手なため、一度耳にした情報を精査することなく信じ込み、あたかもそれを自分だけが知っている特別な知識かのように披露します。みんなが集まっている場所で一番最初に得意げに口を開くのがこのタイプの女性です。

正しい情報の共有なら問題はないのですが、たいてい話の最初しか聞いていないので彼女の情報は不確かです。そこを訂正しようと説明しても、一度思い込んだことを修正するのが苦手なタイプなのでなかなか納得してくれません。

周りを巻き込んで問題を起こす思い込みが激しい性格は困りものですよね。あなたが思い込みが激しい性格の持ち主だった場合、早急に対策を立てた方がいいでしょう。思い込みが激しい性格を治す方法を4つご紹介します。

思い込みというのは間違った情報を信じてしまうことが発端となります。一度手にした情報が本当に正しい情報なのかということを常に意識して、3～4つの情報源を使い情報を精査するようにしましょう。

正しい情報を見極めようという努力を続ければ、情報の精度が上がり、あなたの思い込みは「思い込み」ではなく「正しい知識」となります。

思い込みが激しい男性や女性に多く挙げられる口癖の特徴として「絶対」という言葉があります。本来、「絶対」という言葉は軽々しく使っていい言葉ではありません。世の中にある100％正しいことなんてほんのわずかです。

どんな科学者も研究者も政治家も宗教家も、ときに間違います。人間とは間違う生き物なのです。「絶対」という言葉を極力使わないようにしてみてください。妄信的に信じるものが減るだけで、きっと驚くほど心が軽くなりますよ。

さらに思い込みが激しい女性がよく使う言葉が「たぶん」や「きっと」です。これは情報を精査していないために思わず口から出てしまう言い訳の言葉です。何が正しい情報か自ら考えることを怠りながら、他人に知識をひけらかしたいタイプの女性が使いがち。

情報の精査を怠ったツケは「間違った情報を正しいと思い込んでいる痛い人」というレッテルです。今すぐに「たぶん」「きっと」を封印し、正しい情報を正しく人に伝えられるよう意識しましょう。

この方法が一番難しく、そして一番効果のある改善方法です。どうして思い込みが激しくなるのかという問題を考えると、その根底にある心理は「自分が嫌い」「自分に自信がない」「自分を認められない」という自分に対するネガティブな気持ちです。

自分に自信がないからわざと自信過剰に振舞うのです。自分自身が嫌いだから他者に異常な執着を見せるのです。自分を認めてくれない他人を貶（けな）すのも自分が自分を認めていれば、他人の評価なんてどこ吹く風で流せるはず。

実は、思い込みが激しい性格の人は、男性も女性も人よりも傷つきやすく、自分を守りたいという心理を持つ人なのです。そのため、まずは自分のことを愛してあげることが重要です。思い込みという殻に閉じこもることなく、本当の自分を解放してあげるのです。

他人に縛られず、自由に伸び伸びと生きることを心がければ、自然と自分を良く見せようと虚勢を張ったり、他者に執着したりしなくなりますよ。

職場の仲間や友達に思い込みが激しい性格の人がいる場合、どう対処すればいいのでしょうか。思い込みが激しい人は、男性、女性問わず高確率であなたや周囲の人間を巻き込むトラブルメーカーとなります。

思い込みが激しい人の起こすトラブルに巻き込まれないようにするための上手な付き合い方をご紹介します。

思い込みが激しい人はとにかく自分の意見が大事です。ですので、その意見を否定したり、正そうとしたりすると激昂し、あなたに食って掛かります。

とくに、思い込みが激しい女性を激昂させると、今度はあなたが攻撃対象になり、陰口や悪口を言いふらされるようになってしまいます。

その状況を回避するためには、思い込みが激しい人の意見を否定しないことが最重要です。思うところがあってもグッと堪えて、別の場所で吐き出すようにしましょう。

「意見を否定しないことが大事」と述べましたが、安易に思い込みが激しい人の意見に同意し、同調するのは非常にリスクの高い行為です。とくに、他人を傷つけたくないという優しい女性は気をつけてください。

たとえば、思い込みが激しい人の「Aさんって性格悪いよね」という意見に対して、あなたが深く考えずに口にした「そうだね」と同意したとします。

おそろしいことに、その安易な同意は思い込みが激しい人の中で、あなたが積極的にAさんのことを嫌っているという意見にすり替えられてしまいます。

1の意見や感情を10にも100にも増やして思い込むのが思い込みが激しい人の特徴です。そしてその勝手な思い込みをほかの人にも当然のように吹聴して回るのです。その結果、あなたがAさんのことを性格が悪いと言っているという噂が立つことも考えられるでしょう。

ですので、思い込みが激しい人の話を聞くときは「うーん、そうかな」や「あなたがそう思うならそうなのかもね、私はあんまり思わないけど」というようにやんわりと「あなたと私の意見は違いますよ」ということを主張するようにしましょう。

思い込みが激しい男性や女性がよく口にする陰口や愚痴は、聞いているこちらまで胃が痛くなってしまうもの。楽しい時間もあっという間に地獄に早変わりしてしまいます。

そんなときにおすすめなのは「思い込みが激しい人の好きな話題に話を変える」こと。相手が好きなものの話というのは聞いていても楽しいものです。愚痴なんかよりよっぽど健全で心にも優しい話題ではないでしょうか。

日頃から、思い込みが激しい人の趣味や好きなものについてさりげなく調査をしておいて、ネガティブな話題になってしまった場合は、さりげなく思い込みが激しい人の好きなものの話に話題をチェンジしましょう。

実は、思い込みが激しい人と上手に付き合う一番最適な方法は「付き合わないこと」です。上手な付き合い方なのに付き合わないってどういうこと？そう思った人もいるかもしれません。

しかし、男性であれ女性であれ、思い込みが激しい人と上手に付き合おうというのは端から無理な話なのです。あなたがまともな神経の持ち主なら遅かれ早かれ、思い込みが激しい人との摩擦に神経をやられてしまいます。

一番いいのはとにかく思い込みが激しい人から離れること。いきなり関係を断つと女性だけでなく、男性の場合もヒステリーを起こす可能性があるので、ゆっくりしかし確実に会う頻度を減らしましょう。

遊びや食事のお誘いを断る頻度を2回に1回、3回に1回、4回に1回にと少しずつ増やしていくのがおすすめです。そのうち、思い込みが激しい人は新たなターゲットを見つけて、あなたから離れていくでしょう。

思い込みが激しくなる原因についてはすでに述べましたが、ここではもう一つの原因である「病気」について触れたいと思います。

思い込みが激しすぎるのは性格や環境が原因ではなく、何らかの病気にかかっている可能性もあります。自覚症状がある人は病院や診療所で適切な処置を受けましょう。

統合失調症とは脳の機能低下によって思考が散乱し、考えや気持ちがバラバラになってしまう精神病です。

統合失調症の症状には幻聴、情緒不安定などがありますが、そのうちの一つに思い込みが激しくなるという症状も見られます。ありもしないことを妄想し、現実だと確信してしまうのが統合失調症の特徴です。

「自分が正しいわけがない」「私は幸せになってはいけない人間だ」などと自分に対して心理的にネガティブな思い込みを起こす症状がある人はうつ病の可能性があります。極度に感情が沈み込んでしまう疾患で、重度の場合、自傷行為や自殺行為に及ぶ危険性があります。

すでに述べた統合失調症、うつ病以外にも病的な思い込みを発症する病気を精神病といいます。精神病とは広い意味で精神的な病気全般を示す病名です。

精神が混濁し、現実と妄想の区別がつかない状態まで思い込みが強まっている場合は、心や身体が何らかの異常をきたしている精神病の可能性があります。

男性、女性問わず、世の中にまったく思い込みをしない人はそう多くはいません。みんな程度の差こそあれ、日常において多少の思い込みをしています。ここではあなたの思い込みの強さを診断。まずはいくつチェックが当てはまるか確認してください。

□深く考えず他人が間違っていると判断する
□新しく得た知識は今すぐ誰かと共有したい
□世の中は不公平だが、それも仕方ないと感じる
□どちらかというとせっかちである
□人から意見を否定されると無性に腹が立つ
□世の中には定められた運命があると思う
□どうしても価値観や性格が相いれない相手がいる
□自分は他人よりも少しばかり賢いと思う
□人間の能力は生まれた時点である程度決まっていると感じる
□友人に対して「どうしてわかってくれないの」と怒りを覚えたことがある

【当てはまった数が0～3・・・客観的に自己分析できています】
思い込みの強さは低い~普通です。日常生活でも問題ないレベル。とくに問題はありません。

【当てはまった数が4～6・・・少し思い込みが強い傾向あり】
思い込みの強さは普通～強め。どちらかというと思い込みが強い傾向があります。柔軟な発想を心がけ、心理的に自分を見つめなおす機会を作りましょう。

【当てはまった数が7～9・・・他人から付き合いづらいと思われているかも】
思い込みの強さは強め。このレベルになると他人から「ちょっと変わってる」と思われているかもしれません。友達や家族のアドバイスを真摯に受け止め、性格改善に努めましょう。

【当てはまった数が10・・・妄想癖あり！自分を見直しましょう】
非常に思い込みが激しい人です。何に対しても思い込みから判断したり、物事を決めつけてかかってしまいます。今回ご紹介した改善方法に取り組み、早急に思い込みの呪縛から逃れるよう努力するべきです。

すでに述べたように思い込みが激しい人は他人からあまり良い評価を受けません。それどころか、付き合いづらいと思われている可能性大。

今回ご紹介した「思い込みが激しい性格を治す改善方法」などを取り入れるなどして、柔軟な考え方ができるように日頃から意識して生活しましょう。

思い込みが激しい人と関係を築くのは非常に困難です。しかし、男性であっても女性であっても、思い込みが激しい人は何らかの不安を抱えていたり、大きなコンプレックスを抱いているのかもしれません。

他人を嫌ったり、悪口や陰口を言ったりすることはあなた自身の人間性を歪めてしまいます。ネガティブな心理はあなたの心を蝕みます。

身近な人の思い込みが激しいからといって、安易に批判したり攻撃したりせず、適度な距離感を保ってお付き合いしましょう。