統率力の意味やリーダーシップとの違いとは?まとめる力がある人の特徴
統率力という言葉をご存知でしょうか?自分は統率力があるほうだと思いますか?仕事をしていく上で、特に昇進を目指している人にとって大切なスキルが統率力と言えるでしょう。この記事では統率力の意味や定義、統率力を身につける方法を紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
皆をまとめる力を身につけたい!
仕事でチームを任された、プロジェクトリーダーになった…そんな機会があった場合、どのように行動していますか?リーダーを任された時最も必要とされるのは皆をまとめる力、つまり「統率力」です。統率力という言葉を聞いたことはあるけど意味はイマイチという方もいませんか?
ここから「統率力」という言葉の意味や、統率力のある人の特徴を紹介していきます。もしも今仕事で統率力を求められている、自分で必要性を感じている人のために統率力を身につける方法も紹介しますので、最後まで読んで実践してみてください。
「統率力」の意味とは?
統率力とは、一つの目的に向けて組織やチームをまとめる力のことを言います。集団をまとめる力、目的達成のためのタスク管理をする力、そのタスクを適正に人に割り振る力や最終決定を下せる判断力も必要です。人の意見をまとめる力も必要でしょう。
統率力がある人になるには、色々なスキルが必要です。特に対人においてのスキルが重視されるので、ただ業務をこなすだけでは統率力があるとは言えないのです。この後の記事をよく読み、どのような能力が必要なのかを理解していきましょう。
「統率力」と「リーダーシップ」の違い
統率力とリーダーシップは似ているようですが、根本の定義が違います。リーダーシップとは、リーダーになるにあたって必要な資質を意味します。統率力、つまり人をまとめる力はリーダーシップの中の1つになります。
つまりリーダーシップの中に含まれる資質の1つが「統率力の有無」なのです。リーダーシップに含まれるのは、統率力の他に「問題解決能力」「タスク管理能力」「コミュニケーション能力」などがあります。
「統率力」の類語
統率力の類語 |
・指導力 ・マネジメントスキル ・主導権 |
統率力の類語には上記のようなものがあります。これから統率力の類語について意味や例文を紹介していきます。なんとなく同じ意味のように感じるけれど、実は意味は違うという言葉もありますのでしっかりと言葉の意味や本質を理解しておきましょう。
指導力
例文:指導力はリーダーシップに欠かせない要素だ。
指導力は、人を教えて導く力です。個人に対しての使われる場合も、チーム全体に対して使われる場合もあります。人や個人に正しい方向性を示し、その目的達成をするスキルを上げる方法を上げる教育の能力を指します。
マネジメントスキル
例文:彼のマネジメントスキルの高さは部長クラスと言っても良い。
マネジメントスキルは統率力と似ているようですが、根本的に定義が違います。マネジメントスキルとは会社などの組織において、決まった目標のためにタスク管理を行いながら人材や予算のバランスを見て最大限に活用する能力のことです。
統率力とは違い、マネジメントは組織やチームの仕事を最大効率で向上させるためにタスク管理をしたり、人材の配置を決定したりします。組織の利益と人材の動かし方の配分を考慮して業務を進めていくのもマネジメントのスキルと言えます。
主導権
例:彼はいつも主導権を握りたがる。
主導権は英語ではイニシアチブと呼ばれます。主導権とは、グループやチームの中心になって物事を動かして進めることができる力のことを言います。うまく人をコントロールして自分の思うような結果を達成させたりすることです。
統率力がある人の特徴
統率力の意味や統率力の類語の意味は理解できたでしょうか。それでは次に、一般的に統率力がある人の特徴としてはどのようなものがあるのでしょうか。周囲に人をまとめる力の強い人がいる場合、その人の特徴を思い出しながら読んでみてください。
コミュニケーション能力がある
統率力の高い人は、コミュニケーション能力が高いのも特徴です。人とまとめる力の要素として、皆が何を考えているのか、進捗や仕事について問題や悩みを抱えていないかを聞き出し、その問題を解決するように指導することも必要です。
コミュニケーションが高くなければ人から悩みや問題を聞き出すことはできないでしょう。統率力の高い人は、その高いコミュニケーション能力を以って人の悩みや問題を聞き出し、解決へのヒントを与えることで皆の支持を集めることも必要なのです。
個人個人に目を配る力
統率力が高い人は気配り上手なのが特徴です。目的達成を図るには、チーム全体の士気をあげることが必要不可欠です。士気を上げるには、個人個人のモチベーションが上がっている状態を作り出すことが必要になってきます。
個人のモチベーションは「上司からの評価」です。リーダーが自分をきちんとみてくれている、評価されていると思うからこそ人は頑張ることができるのです。チーム全員に目を配り、きちんと評価をしてくれている人こそ統率力の高い人と言えます。
メンタルが強い
統率力の高い人には、チームメンバーとは違ったストレスがあります。タスク管理をしたり、個人個人に目を配ったりすることは、仕事とは言え疲れるものです。自分の上司と部下の板挟みになることもあるでしょう。時に強いストレスに晒されることもあります。
そんな時に、ストレスに負けてチームの状態を管理できなくなっては元も子もありません。統率力の高い人はストレス耐性が強く、ストレスを受けてもうまく解消できたり、些細なことではクヨクヨ悩まないことも必要なのです。
意思決定能力がある
統率力の高い人は意思決定能力の高い人が多いでしょう。何か問題が起きた時や、チームの方向性を決める時、周囲の意見を取りまとめて行くことも大切ですが、最終決定を下すのは責任者であるリーダーとなります。
その際に意思決定能力が高い、つまりスピーディーに正しい判断を下すことができることが必要です。ここぞという時に決断できるリーダーこそ、仲間の信頼を集めて「この人についていこう」と思わせる人をまとめる力を持つ人と言えます。
責任感が強い
統率力が高い人は、責任感が強い人が多いです。何か部下がミスをした時に自分のせいじゃないと言い訳をしてしまうような人は、人をまとめる力はないと言えます。そもそも部下やチームメンバーからの信頼を集めることはできないでしょう。
統率力の高い人は、自分のリーダーとしての立場を自覚して自分の責任を理解しています。そしてその責任を果たすことに一生懸命になれるでしょう。そんな責任感の強さで人をまとめる力が強い人との評価を受けることができるのです。
統率力を身につける方法
ここまで統率力についての説明してきました。統率力の意味や、統率力のある人の特徴は理解できたと思います。自分が十分に人をまとめる力がない、人をまとめる力を身に付けたいと思っている場合は何か方法はあるのでしょうか。
統率力は自分の意識と、必要とされるスキルを身につけることで自然と向上させることができるでしょう。今から4つの統率力を身につける方法を紹介しますので、今日から少しずつ心がけて統率力を身に付けていきましょう。
伝える力を身につける
統率力に必要なのは、人に自分の意思を伝える力が必要です。会議の場で方向性を示す時に「結果何を言ってるの?」という事になっては、チームの意思統一を図ることができないでしょう。統率力の高い人は伝える力が高いのも特徴です。
オススメなのは、結論から話すことです。これはPREP法と呼ばれ、プレゼンの手法にも使われます。ポイント→理由→事例→ポイントという順番で話すことで、人に伝わりやすくなります。何か話す時この手法を心がけて伝える能力を身につけましょう。
進捗確認を怠らない
目的を達成するためには進捗の確認が必須です。問題なく進んでいるように見えて、実はあるステップで業務が滞っていることは仕事を遂行する上では良くあることです。目的達成のためのスケジュール通りに業務が進行しているかの確認は必須です。
進捗確認を怠ると、後から業務にしわ寄せがきたりチーム員に負担をかける可能性があるためです。進捗確認の上で遅れがあれば、取り戻すように動けます。早ければそれを褒めることでチーム員の士気が上がるでしょう。そのため、進捗確認は非常に重要なのです。
人に「やらせる」ようにする
統率力が高い人の特徴は良い意味で「人に任せること」です。リーダーはタスク管理などのチーム員とは違う仕事を受け持っています、自分でやったほうが早いと仕事を引き受けていては管理業務に支障が出る可能性があります。
また、リーダーが何もかも仕事をやってしまうことでチーム員の成長も止まってしまうでしょう。なんでも上司がやってしまって寂しい思いをしたことがありませんか?チームの成長と、管理業務に集中するためにも人に任せることも必要です。
人の意見を聞き出す力を身につける
統率力が高い人の特徴にコミュニケーション能力の高さがあると紹介しました。その中でも特に重要なのが「聞き出す力」です。チーム員から自分の意見や悩みを言わせることは、チーム員の成長と問題の早期解決に繋がります。
チーム員から意見が出たら、間違っていると思っても一度聞きましょう。そして意見を否定せずに「この点はどう思う?」などと自分で間違いに気づくように促しましょう。自分で答えを導くとチーム員は成長します。人の意見を聞く力は非常に重要なのです。
統率力を磨くメリット
統率力を磨くメリットは、何より自分自身のキャリアアップに繋がるということです。企業にとって人を導いてまとめる力のある人は昇進候補の人材で将来的に部長職などを任せられる可能性のある人物との評価を得られるでしょう。
そのため、将来キャリアアップしたい、マネジメントをやりたいと思っている場合は必須の能力と言えるのです。人望を得ることで自身のモチベーションも保ちやすくなりますので、統率力が欲しい方はぜひ上記の方法を試してみてください。
統率力がある人が注意するべき点
統率力がすでにあると言われている人も中にはいるでしょう。統率力があると言われる人で陥りがちなパターンを紹介します。自分が当てはまらないかチェックをして、より高い統率力を身につけられるようにしましょう。
独善的になっていないか
統率力があると言われる人が陥りがちなのが、業務配分などが独善的になるパターンです。自分が全て意見を出し、決定してトップダウンでメンバーに伝える…これでは独裁政治と変わりません。チーム員全てに意見を聞いてまとめる能力も大切です。
リーダーになったなら、自分の意見は最終判断まで押し殺して相手の意見を聞くことを心がけましょう。自分の意思を強く押し出さないことで、意見を言いやすい雰囲気を心がけることが必要です。
自分の基準で仕事を判断していないか
総じてチームリーダーに選ばれる人は、その分野の知識や処理能力に長けている人が多いです。最初は「あの人はできるから」ということで人望を集められるかもしれませんが、それだけではリーダーの仕事は務まりません。
自分ができることを他人にも求めていないか注意しましょう。人には能力差があり、自分にできることが人にもできるとは限らないのです。「なんでこんなこともできないの?」などと考えてしまうのはリーダーにはご法度です。
自分でやったほうが早いと思っていないか
先ほどもお伝えしましたが、リーダーに選ばれる人は業務能力が高い人が多いです。そのため、自分ができることが人にもできると思ってしまいます。仮に人には能力差があると認識していても、効率のために自分がやったほうが早いと思ってしまうことも多々あるでしょう。
しかし、そこで自分が仕事を取り上げることはチーム員のスキルアップの機会を奪うことになります。自分で試行錯誤させてやり切らせることで、そのチーム員は成長していきます。なんでも自分でやる癖がある人は投球に直しましょう。
統率力を自己PRする場合の伝え方
統率力は非常に力強いスキルなのですが、間違った伝わり方をすると独善的なのではないかなどとマイナス評価されてしまう可能性があります。正しく統率力があることを伝えて自己PRするためにはどのように伝えると良いのでしょうか。
一番良いのは、どのような組織をまとめる力があるのか、どのような経験をしたのかを合わせて伝える方法です。例えば「バイトリーダーとしてアルバイトの従業員を指導、教育していました」などと伝えると経験や組織の詳細も伝わりやすいでしょう。
統率力を身につけて望まれるリーダーになろう
統率力があることは、企業にとって管理職候補になれる優秀な人材であるという意味になります。人をまとめる力のある人は、昇進しやすい傾向にあるのが事実です。自分にできることからコツコツと統率力を上げるように努力しましょう。
統率力を上げることで、周囲からの人望も得られますし自分のスキルアップにも繋がります。会社の評価燃えやすくなるので、メリットが多いスキルと言えるでしょう。自分自身のキャリアアップにもつながるスキルなのでぜひ身につけておきましょう。