洞察力の意味とは？観察力との違いや洞察力がある人の特徴を紹介

世の中には目に見えるものがすべてではありません。毎日笑顔の人が幸せだとは限りませんし、お金がないから不幸というわけでもありません。では真実を見抜く力、つまり洞察力はどう養えばいいのでしょうか。

「洞察力」とは「物事の本質を見抜く力」です。物事に対して主観性だけではなく客観性、状況によってはあらゆるトラブルやアクシデントを想定したりと、プライベートだけでなく仕事でも活きてくる能力と言えるでしょう。仕事で成果を上げられる人ほどこの洞察力が優れていると言えます。

「物事の本質を見抜く力」とは物だけではなく、人にも当てはまるからです。「この人は本当のことを言っているのか？」など「この人は信用できる」など。相手を見抜く洞察力がなければ、仕事の成果は上げられません。

また、洞察力は一長一短で身につくものではありません。今までの人生で楽しかったことや苦しかったこと、感銘を受けたことなど、あらゆることが入り混じった経験をすることで身につく能力でもあります。

もちろん先天的に洞察力が高い人もいますが、非常にまれなケースでしょう。例えば、幼少期に親から酷い虐待を受けており、親の顔色を毎日うかがっていた人など。このような人は幼い頃から洞察力や、人の表情だけで心理を見抜く力が発達することがあります。

では洞察力と似たような能力、観察力もありますが、この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。

「洞察力」とは先ほど説明した「物事の本質を見抜く力」になります。「観察力」とは「物事の表面を読み取る力」のことを指します。「観察力」が高い人ほど、人の顔色で心理を読み取ることに優れています。

例えば、同僚が彼女に振られて、周りにそれを悟られたくないため隠していたとします。「観察力」が優れている人は、同僚のちょっとした表情の違いで、「ん？いつもと表情が違うな。何かあったのかな？」と気付くことが出来ます。

しかし、「観察力」が優れている人でも察せるのはここまでです。次に「洞察力」が優れている人は、同僚の表情の変化に気づき、そこで考察します。「ん？いつもと表情が違うな。彼女とケンカでもしたのかな？」と考えるわけです。

そして、「洞察力」が研ぎ澄まされている人は、小さな情報を頭の中で整理し、同僚が彼女と別れたであろう結果にたどり着けます。つまり、「観察力」と「洞察力」は似ているものですが、「洞察力」の中に「観察力」が含まれていることが分かります。

洞察力がある人はどのような行動を起こしているのでしょうか。人の気持ちがわかる人や、仕事が出来る人、また異性にモテる人も洞察力があると言えます。では、洞察力がある人の行動をご紹介していきます。

洞察力は今までの人生で様々な経験をしていないと簡単には身に付きません。楽しいことや嬉しいこと、悲しいことや辛かったことなど。様々な状況で事が起きなければ洞察力が磨かれることはありません。

反対にずっと家にいる人は洞察力や観察力などの能力が鈍くなるでしょう。トラブルやアクシデントを始め、感動や感激など、色々なことを経験してそのシーン一つ一つに洞察力が磨かれる要素が詰まっています。

洞察力が優れている人は、様々な人とコミュニケーションをする特徴があります。当たり前のことですが、他人は何を考えているか分かりませんよね。自分の正しいと思ったことでも、他人からすれば間違っているときもあります。

他人と接するときは「この人は今何を考えているんだろう？」と思いますよね。友達や彼女であっても同様のことが言えます。つまり、考え方がまったく違う他人とコミュニケーションを図り、相手の考えを知りたいという欲求が、物事の本質を見抜く力「洞察力」を磨いているというわけです。

一方的に他人とコミュニケーションを図っていても洞察力は身につくものではありません。もちろん他人と接さないよりは、たくさんコミュニケーションを取った方がいいです。しかし、他人とのコミュニケーションでこちらの意見や考え方を一方的に押し付けても意味がありません。

つまり、他人とコミュニケーションを図りながらも、常に相手を観察することでより洞察力は磨かれていきます。常に人を観察することで「観察力」が養われ、その情報をもとにコミュニケーションを取ることで「洞察力」が優れていくというわけです。

洞察力がある人は元々の性格も大きく関係しています。努力が出来て、コツコツと積み重ねるタイプでなければ、もちろん洞察力はつきません。物事を適当に判断し、「まぁいいか」を口癖にしてしまう人も洞察力がある人とは言えないでしょう。では洞察力がある人の性格についてご紹介していきます。

洞察力がある人は、物事の目的や意味に焦点を当てることが出来ます。簡単そうに見えることですが、出来ていない人も多くいるでしょう。目の前にある物事の目的を常に考え続けることは簡単ではありません。

多くの人が流され、物事をぼんやりとしか見ていないでしょう。しかし、洞察力がある人は小さなことでも目的と意味を考えます。例は何でも構いません。「これをする目的は？」などと自分の思考を動かし続けます。結果、それの積み重ねによって洞察力が磨かれていくわけです。

物事の目的や意味に焦点を当てる人もそうですが、常に物事に疑問を持ち続ける人も洞察力があると言っていいでしょう。疑問を持ち続けることは、物事の本質を見極めるのに大切な過程です。他人からの情報やネットの情報、どの情報が正しいのか疑問を持ち、そこから自分なりに調べなおすため洞察力がついてきます。

また、「手元にある情報は確かなのか？」と考え続けるので、常に頭を使うことになります。疑い癖がつきすぎるのも良いことではありませんが、しっかりとした本質を見抜くには、疑問を持ち続けるのは大切と言えるでしょう。

洞察力がある人は物事を冷静に見れます。冷静とは客観的や多角的に見ることを指します。物事を客観的に見るというのは意外と難しく、多くの人が主観的に見ているのではないでしょうか。洞察力が鋭い人ほど自分の考えにすら疑問を持ちます。

「これでいいのか？」「違う視点から見るとどうなるか？」と常に考えているので、洞察力が磨かれていきます。

多角的に見ることも大事で、まず常識を捨てることです。日本人は流されやすいタイプですが、洞察力がある人は自分の考えがありながらも、冷静に他の方法を探し続けます。そして自分の手札をより集め、多角的に物事を判断できます。

生きていくうえでは様々な人と関わらなければなりません。友人や恋人、仕事では部下や上司、そして取引先など。すべての人と良い人間関係を築くのは非常に難しいです。

ですが、洞察力が鋭いことで、相手から好かれる人間になれます。洞察力が鋭くても本人が努力しなければいけませんが。では洞察力が鋭いことのメリットをご紹介していきます。

洞察力が鋭いことで、様々なトラブルを回避、または最小限で抑えることが出来ます。トラブルというのは、いわゆるアクシデントであり予想がつきません。未来が見えたら、誰もがトラブルなど巻き込まれないでしょう。

洞察力が鋭い人は未来が見えるわけではありませんが、ある程度の未来を予想する力を持っています。具体的に言うと、未来を複数、頭の中で用意しておくということですね。洞察力が鋭い人は、物事を冷静に見ることが出来るため、起こりうるであろうトラブルの予想が立てられます。

また、想像外のトラブルが起きても、物事の本質を見抜く力があるので何が最善の策なのかを冷静に判断できます。その為、結果的に自分に降りかかるマイナスを最小限に食い止めることが出来るでしょう。

洞察力が鋭い人は人間関係が上手くいきます。相手を冷静に見ることができ「この人はどんな人なのか？」を見抜く力があるため、相手に嫌われることはありません。反対に好かれることが多くなり、人間関係も円滑に進みやすくなります。

洞察力が鋭いと仕事での成果が出やすくなります。仕事の種類にもよりますが、基本的には他人と接しなければ仕事はできません。一人でどれだけ頑張っても成果の高さに限度はあります。洞察力が鋭い人は相手の気持ちを理解できると同時に、相手をコントロールすることも上手です。

その為、部下にはやる気を出させて、上司に気に入られることが出来るでしょう。また、取引先の人との距離感も上手に測れるので、結果的に仕事で成果を出しやすくなります。

洞察力は努力次第で鋭くすることも可能です。「今月は契約を〇本取る！」などの明確な数字はないので、アバウトにしか分かりませんが、洞察力がついてくると自分に変化が起こっているのが分かるはずです。では洞察力を鍛えるトレーニング方法をご紹介していきます。

洞察力は本質を見抜く力だと説明しました。その為、物事を考える癖がついていないと洞察力が鋭くなることはありません。経験や知識というものは後回しで、まずは考える時間を作ることが先決です。現代では忙しい人が多く、深く考えるという行為をしていない人も多いでしょう。

「しっかり考えている！」と自信を持って言えますか？「まぁいいか」と流されていることはないでしょうか？もし、ない場合は洞察力が常に洗練されていると言ってよいでしょう。

しかし、周りや他人の情報に流されている時間が多い人は、「考える時間」というのを設けたほうがいいかもしれません。1日5分で構いません。ベッドに入った時に「なぜ〇〇なんだろう」と考える癖をつけるだけでも、日常で活きてくるはずです。

洞察力を鍛えるトレーニング方法として、常に新しい情報を入れる癖をつけましょう。人は知っている物事が起こると、もう調べる行為はしなくなります。自分の経験だけを頼りに進めてしまうからです。

しかし、それでは凝り固まった考えだけを持つことになり、柔軟性に欠けます。常に新しい情報を入れ続けることで、脳に刺激が行き客観的や多角的な見方が出来るようになります。

情報を入れる癖をつけるためには、常日頃から「なぜだろう」と疑問を持つようにしましょう。その知りたいという欲が積み重なり、情報が増えて洞察力へと変わっていきます。

これはトレーニング方法とは少し違いますが、疲れやストレスを溜めないことも洞察力を磨くうえで活きてきます。頭の回転が速く、観察力や洞察力に優れていても、疲労が溜まっていれば意味がありません。

疲れやストレスがあるだけで正常な判断が出来ないからです。洞察力を鍛えるトレーニングを一生懸命取り組んでも、結果は出にくくなるでしょう。その為、洞察力を鍛える前にしっかりと身体を休めて、ストレスを溜めないことが大切です。

社会では仕事モードとプライベートモードを分けている人が多いので、自分の本心を隠している人がほとんどです。その為、洞察力が高いことで相手の情報を知り、それを上手く使えば成果に繋げることも出来ます。では洞察力の高さを仕事に活かす方法をご紹介していきます。

洞察力が高い人は、まず相手の表情をよく観察しましょう。表情だけでなく仕草や持ち物でも構いません。洞察力が高いとそこから何かが見えてくるはずです。人間は無意識ながらも、今感じていることが表情に出ます。

喜怒哀楽がストレートに出る、いわゆる分かりやすい人ならばいいですが、表情一つでは分かりにくい人もいます。そんな時は仕草や持ち物を観察しましょう。身振り手振りが多いなどや、カバンの置き方など。

相手の所作にすべての情報が詰まっています。その為、洞察力を仕事で活かすにはまず相手の表情をよく見るように心がけましょう。

社会に出ると嫌な人や、苦手な人と仕事をしなければなりません。上司や取引先など、嫌いだから関わりたくないというのは通りませんよね。嫌な相手となるべく関わらないようにする、という方法もあります。しかし、それでは現実は何も変わっていません。

洞察力が高ければ、相手を観察しコミュニケーションをとるための有益な情報を読み取れます。その人の趣味や志、考え方などを読み取ることで、相手の心理が分かってきます。

あとは、その人に好かれる人間のタイプを把握し、自分がなることで嫌な相手とも円滑な人間関係を構築できるでしょう。もしかすると相手の情報を知ることで、そこまで嫌な人と思わなくなるかもしれません。そうなると関係性は必ずプラスに傾き、仕事に活きてくるでしょう。

いかがだったでしょうか。その人のスキルともいえる洞察力。その洞察力が鋭いことで、仕事では成果を挙げやすい人間になれます。究極ともなれば相手の考えていることや、感じていることが手に取るようにわかるからです。その為、向上心や野心がある人は洞察力を磨き続けて、今より成果を挙げるようにしましょう。