たぬきをペットで飼育するには?餌付けなどの飼う方法を徹底解説
たぬきはもふもふの毛並みが可愛く、動物園等でよく見かける動物です。中には、たぬきをペットとして飼育したみたい!なんて人もいるでしょう。そもそもたぬきをペットとして飼うことは可能なの?飼育できるなら、餌や費用は?たぬきの飼育に関する疑問を紐解いていきます。
目次
たぬきをペットとして飼ってみたい!
最近はペットブームとあり、犬や猫、小動物を飼ってる人も多いと思います。そんな中で、昔話などに登場し、動物園でもよくみかけるたぬきを飼育してみたい。なんて人もいるのではないでしょうか。
たぬきと言うと、野生動物の中でも身近な存在で、夜間に活動してるイメージが強い動物です。SNSなどでも時折見かけるようになったたぬきの写真。はたして、たぬきをペットとして飼うことはできるのでしょうか?
もふもふな毛並と愛くるしい表情、ペットとしてお迎えすることができるなら、ぜひ飼ってみたいですよね?今回は、たぬきをペットとして飼うことはできるのか?また、ペットとして飼うならどうやって飼育するのか?など、たぬきの飼育について学んでいきましょう。
そもそもたぬきとは?
そもそもたぬきとはどうゆう動物なのでしょうか?日本の昔話や動物園などで見かけるたぬき。なんとなくもふもふしてて、ずんぐりむっくりなイメージがある人も多いと思いますが、実は足も尾っぽも長く、体重は3~10キロだと言います。
たぬきの特徴と言えば、目の周りや足などが黒くなってることではないでしょうか。中には全身真っ白な、たぬきも存在すると言います。子供の頃は肩から前足がこげ茶色の体毛で覆われており、大人になると目立たなくなるそうです。
日本ではなじみがある動物ですが、世界的に見てみると生息域はさほど広くないようです。東アジアを中心に生息しており、温かい国にはあまりいない動物です。
たぬきの種類
たぬきはイヌ科タヌキ属の野生の動物です。もともとは人里離れた山野に生息していました。人間の生ごみなどを食べ、畑の農作物をあらしたりしながら、徐々に人間の住む街にも生息するようになっていきました。
もともとは木の実などをエサにしていましたが、最近は人間の食べ物の美味しさを覚えてしまい、何でも食べるようになっています。農作物を荒らすことから「有害鳥獣」に指定されている動物です。
たぬきの種類は5種類にわけられます。日本でよく見られるエゾタヌキ(北海道)、ホンドタヌキ(本州、四国、九州)、ウスリータヌキ(ロシア東部、中国東部)、タイリクタヌキ(中国東部、ベトナム北部)、コウライタヌキ(朝鮮半島)の5種類です。
エゾタヌキは北海道でよく見られるタヌキで、アライグマのような可愛い見た目が特徴的です。また、ホンドタヌキはエゾタヌキより小柄な品種で冬ごもりせず、冬も活発に行動します。活動的なことから、交通事故にも合いやすいたぬきとしても知られています。
たぬきの性格
たぬきは野生の動物ですので、人間に慣れておらず、臆病で物音に敏感です。音で危険を察知して、常に逃げれる準備をしていますので、飼育するとなると、根気よく接する必要があるでしょう。
ペットとして愛されている犬は、飼い主の言うことを理解し賢い動物ですが、たぬきはその臆病な性格から、打ち解けるまでにかなりの時間を要すると考えられます。警戒心が人一倍強い動物ですが、そのもふもふな毛並は人間に癒しをくれます。
また、一番注意しないといけないのは繁殖期です。この期間はどうしても攻撃的になってしまい、人に怪我を負わせることもあります。極力ストレスを与えないように見守ってあげるようにしましょう。根気強くお世話をすれば、人間に懐くこともあるようです。
たぬきの寿命
たぬきをペットとして飼育するなら、気になるのは寿命ではないでしょうか。せっかくお迎えしても短命だと悲しいです。できるだけ長く一緒に過ごしたいのは、飼い主なら誰でが思うことでしょう。
気になるたぬきの寿命はどれくらいでしょうか?たぬきの寿命は大体10年ぐらいだとされています。ペットとして飼育した場合は、もうすこし寿命が延びる傾向にあり、中には16年も生きた個体もいたと言います。
同じ野生動物で人気のあるうさぎの寿命は約5~6年とされていますので、それと比べるとかなり長生きする動物と考えられます。もちろん飼育の仕方や環境によりますので、できるだけストレスのない毎日を過ごしてもらうことが大事です。
たぬきはペットとして飼うことはできる?
さて本題に入っていきましょう。そもそもたぬきはペットとして飼うことができるの?これが一番気になる点だと思います。先ほどちらっと「有害鳥獣」に指定されているとお話ししました。そのあたりから掘り下げていきたいと思います。
鳥獣保護法で禁止されている
鳥獣保護法をご存じでしょうか?鳥獣の保護・管理及び、狩猟の適正化を図るために設けられてる法律です。その法律の中で、たぬきは「有害鳥獣」に指定されているようです。なぜなら、農作物を荒し多くの農家の人たちに迷惑をかけているからです。
そのため、鳥獣保護法ではペットとして飼育することが禁止されています。狩猟期間になると、野生の動物ですので、捕獲したり保護することはできますが、基本的にはペットショップなどで見かけることはありません。
ですので、ペットとして飼育する目的でたぬきを飼うことは一切できないのです。では、なぜSNS等で写真を見かけるのでしょうか?法律で禁止されているなら、飼うことはできないのでは?
保護目的なら飼える
ペットとして飼育することはできませんが、怪我をしてるたぬきを助ける目的で保護したり、狩猟期間に捕獲したりすることはできます。
もちろん、限られた一定の期間のみになりますが、たぬきと一緒に過ごすことはできるのです。しかしケガをしたたぬきを探すのは至難の業ですし、狩猟してる人も一部の人に限られてしまいます。
たぬきを保護した場合は、そのまま飼育するのではなく、必ず各自治体への届け出が必要になりますので、注意しましょう。
たぬきの値段
基本的にはペットショップで売られることがないたぬきですが、繁殖したたぬきが流通してしまうことが稀にあるようです。日本では現在、ペットショップで売られたり、販売されていることはありませんので、ペットとして飼う目的で購入することはできません。
しかし、日本でも過去にペットとして販売されていたこともあったと言われています。当時いくらぐらいで売られていたのか?記録としては残っておりませんが、野生動物で希少価値が高いことを踏まえると、おおよそ30万~60万だと考えられます。
この値段はあくまで1つの説ですので、確かな情報とは言えません。ただ、現在はペットショップやブリーダーさんから購入することは一切できませんので、たぬきをペットとして飼育したいなら、保護目的のみになります。
たぬきをペットとして飼う方法
たぬきを保護した場合、一定期間ペットとして自宅で飼育することになります。その場合、何を用意すれば良いのでしょうか?
基本的にたぬきはペットとして飼うことができませんので、情報も少ないと思います。万が一、自宅でたぬきを飼うことになった場合、参考にしてみてください。
飼育に必要なもの
たぬきは野生動物です。夜行性の動物で、臆病な性格をしています。そのため、家で放し飼いするよりは、うさぎなどと同じようにケージの中で飼うのが安心です。
ケージの中には、トイレ、餌置き、隠れ家を作ってあげると安心でしょう。臆病な性格ですので、1人でくつろげる場所があれば、安心して過ごせると思います。
たぬきの餌
たぬきの餌は?たぬきを自宅で飼育するとなったら、何を食べるのか気になると思います。基本的にペットとして飼うことが許されていませんので、専用のフードもありません。しかし、たぬきは雑食で何でも食べると言います。
先ほども、畑を荒したり、人間の残飯を食べたりすると言いましたが、特に中毒性を起こす食材もなく何でも食べるので、食事にはそこまで気を使う必要ないでしょう。
ただ、通常は木の実などを食べて生息してる動物ですので、極力自然に近い物を与えると良いでしょう。また、ドッグフードは完全食なので、たぬきさんにもおすすめです。好き嫌いはあると思いますので、タヌキの様子を見ながら徐々に餌を食べさせてみましょう。
もちろん、水も与える必要があります。専用のエサ入れに水を入れて、なくなれば補充するようにすれば良いと思います。
もし赤ちゃんたぬきを保護した場合は、母乳替わりになるミルクを与える必要があります。犬用のミルクで代用できますので、ペットショップ等で購入し、少なめの分量から与えていきましょう。
警戒してなかなか飲まないと思いますが、環境に慣れてくると徐々に摂取するようになります。
飼育にかかる費用
たぬきを飼育するとなったら、気になるのは費用ではないでしょうか?ケージや餌入れ、トイレや、隠れ家になる物は一度購入すれば、長い間使うことができます。
一番費用がかかるのは、餌かと思います。ドッグフードは栄養バランスも良いので、色々な食物を与えるより、ドッグフードを頼るのが手っ取り早いでしょう。また赤ちゃんたぬきであれば、ミルクを用意する必要もあります。
すべて踏まえた上で、飼育に必要な費用は初期費用で3~5万ほどになるかと思います。ケージが一番お高いですが、大きさにもよります。もしかしたら、ケージの値段によっては、もう少し安く抑えられるかもしれません。
たぬきを飼うなら知っておきたい注意点
たぬきはそもそも飼育が許されていない動物です。そのため、人間に慣れるにはかなりの時間を要します。とは言え、根気強く優しい心で接すれば、いつか心を開いてくれ、良い関係が築けることもあるでしょう。
たぬきを飼育するなら知っておいた方が良い点がいくつかありますので、簡単に見ていきましょう。
あまりなつかない
たぬきを飼育する際に知っておいて欲しいのは、あまり人間にはなつかない点です。野生動物の習性ですので、仕方ありません。臆病な性格ですので、なかなか人間に心を開きませんし、ストレスを感じれば攻撃的になることだってあります。
まずはケージの中でじっくり観察することから始めましょう。触りたい気持ちはわかりますが、まずはじっと見つめるだけに留めておいてください。人間に触れられることにも慣れていませんので、あまり触りすぎるとストレスを感じてしまいます。
たぬきを触る際は、厚手の手袋などを用意しておくと安心です。万が一攻撃されても、守ることができます。また、始めは餌も食べてくれないと思います。はじめの1週間ぐらいはあまり触れず見るだけにしておくのが無難です。
音に敏感
また、警戒心の強いたぬきは、音に敏感です。それは野生動物の習性とも言えますが、家で飼育する際は、大きな音を立てないように気を使う必要があります。
料理の音やテレビの音など、普段より意識するだけで、たぬきも安心感を持って暮らせるようになります。あまりに警戒してるようなら、ケージをタオルなどで覆ってあげることも大事です。夜行性の動物ですので、暗いと安心できるかもしれません。
多少の臭いはする
当然、野生の動物ですので、全く臭わない訳ではありません。若干野生的な臭いがありますので、臭いに敏感な人は気になるかもしれません。
しかし、臆病な性格なので、犬や猫のようにお風呂に入れるのは禁物です。多少の臭いは覚悟した上で飼育するようにしましょう。
餌やトイレは清潔にする
臭い問題の続きになりますが、特に排泄物は臭います。警戒心が強く、トイレをしつけするのも難しいですので、自分勝手に色んなところで排泄するでしょう。排泄物を見つけたら、すぐに掃除しきれいにしておくことが大事です。
常に清潔にしておくことは、たぬきを飼育する上ではとても大事なことになります。排泄物をそのままにしておくと、菌などが繁殖してしまい病気になる可能性もあるので、気を付けましょう。
また、餌に関しても同じことが言えます。はじめの内はあまり餌を食べてくれないかもしれません。しかし常に新鮮な餌を与えてあげることが大事です。古い餌は美味しくありませんし、清潔ではないので、もったいなくても新しいものに変えるようにしましょう。
たぬきがなりやすい病気とは?
たぬきを飼育するとなると気になるのが病気です。ペットを飼う際は誰でも気になると思いますが、たぬきとなると専門の病院もありませんので、病気に関して知識を持っておいた方が良いでしょう。中には、人間にうつる病気もありますので、見ていきましょう。
疥癬症(かいせんしょう)
たぬきを飼育する上で注意して欲しい病気が、疥癬症(かいせんしょう)です。こちらは、ダニが原因となり感染症を起こしてしまう病気で、全身が脱毛し、皮膚が乾燥して剥がれ落ちてしまう見た目にもわかりやすい病気です。
人間にもうつる病気ですので、このような症状を見かけたら、直ちに病院で見てもらいましょう。また、強い痛みと痒みもありますので、早めに対処する必要があります。
犬ジステンパー感染症
もう1つの病気は、犬ジステンパー感染症です。こちらは、人間で言う風邪のような症状が出る感染症です。発熱はもちろんですが、鼻水やくしゃみ、咳も出るようです。中にはお腹を下してしまい、下痢に苦しむたぬきさんもいるようです。
あまりにひどいと麻痺が出る可能性もありますので、風邪のような症状を見かけたら、直ちに獣医さんに見せるようにしましょう。また、赤ちゃんたぬきやお年寄りのたぬきの場合は、犬ジステンパー感染症が原因で死にいたることもあると言います。
ただの風邪のように見えますが、重症な病気ですので、たぬきを見てくれる病院を事前に調べておくと安心です。
たぬきを飼育する際には十分気を付けて!
たぬきは、そもそも鳥獣保護法で禁止されており、自宅でペットとして飼うことはできません。しかし、保護目的であれば、飼育することは可能だとわかりました。
たぬきを飼育する際の注意点をお話ししてきましたが、いかがでしたか?野生の動物ですので、なかなか人間にはなつかず、時に攻撃的になってしまうこともあるでしょう。
しかし、たぬきに目線を合わせて、優しい気持ちで寄り添ってあげれば、きっと距離は縮まっていくと思います。たぬきを飼育することになった際には、ぜひストレスのない環境を整えてあげ、快適に過ごせるようにしてあげましょう。