四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の真相!監視カメラ映像に映されたものは?

三重県四日市市で起きた誤認逮捕事件の、四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件をご存知でしょうか。誤認逮捕された男性は死亡し、男性を泥棒扱いした女性は行方不明と、なんとも後味の悪い事件です。そんな四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の詳細を、ご紹介していきましょう。

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の真相!監視カメラ映像に映されたものは?のイメージ

目次

  1. 1四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件とは?
  2. 2四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の概要
  3. 3男性の死亡の原因
  4. 4男性は本当に泥棒だったのか?監視カメラからわかること
  5. 5男性はハムスターの餌を買いにジャスコへ
  6. 6姿を消した子連れの女性の目的は?
  7. 7なぜ監視カメラの画像を公表した?
  8. 8四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件のその後
  9. 9善意だけで判断するのは危ない

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件とは?

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件とは、2004年2月17日に三重県四日市市にあるジャスコ四日市尾平ショッピングセンターの、ATMコーナーで起きた誤認逮捕事件です。現在は時効を迎えてしまい、未解決事件となっています。

誤認逮捕の結果、誤認逮捕された男性は警察官の過度な拘束行為によって死亡し、さらには、その男性を泥棒に仕立て上げた女性は行方不明となりました。

誤認逮捕により死亡する事例は珍しく、また、男性に嫌疑をかけた女性の行方や、なぜ男性に嫌疑をかけたのかという具体的な目的も明示されていないため、四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件には謎が多く、その後味の悪さからも、人々の心に強く残っています。

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の概要

そのなんとも衝撃的な内容である四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件は、一時期は多くのテレビで取り上げられ、話題になりました。警察が監視カメラの画像を公表し、行方不明になった女性の情報を募ったこともあったので、記憶に残っている人もいるかもしれません。

または、四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件という名前は知っていても、詳しい内容やハッキリとした事件の経緯は知らない人もいることでしょう。警察の誤認逮捕で死亡したという、過激的な単語だけが独り歩きしている場合もあります。

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件とは、どういった事件なのか。その誤認逮捕の事件の経緯と、その詳細をこれからご説明していきます。

ATMで68歳の男性が泥棒扱いをされる

この事件が起きた現場は、三重県四日市市にある、ジャスコ四日市尾平ショッピングセンターの、とあるATMコーナーでした。

監視カメラの映像によると、男性がATMを操作している最中、突然近付いてきた幼児を抱えていた女性が男性にぶつかり、揉み合いながら女性が男性に向けて「泥棒!」と叫んだのが始まりでした。

しかし、監視カメラの映像には、男性の両手には買い物袋があって、とても何か物を盗れるような状況ではなく、また、女性に対して窃盗行為をするような不審な様子もありませんでした。

警察官の拘束後に男性が死亡

女性の「泥棒!」といった叫び声の後、2名の客と1名の店員がATMコーナーに飛び込んできて、3名とも男性を取り押さえ始めました。

それから数分後、別件でショッピングセンターにいた警察官2名が現場に到着し、そのうちの警察官の1名が男性を後ろ手に手錠をかけ、応援に駆け付けた警察官が来るまでの間、男性をうつ伏せに抑え続けていました。

拘束の間、男性は意識を失い、嘔吐をしていましたが、それらの症状に気付いたのは、応援に駆け付けた警察官がきてからのことでした。のちに男性は病院へと緊急搬送されましたが、回復不能なまでに脳に損傷が起きていて、そのまま男性は命を落としました。

男性を泥棒扱いした女性は姿を消す

男性を泥棒扱いした女性はというと、店員や客が男性を取り押さえて警察官がくるまでの間に、女性はそそくさと現場から姿を消していました。

駆け付けた2名の警察官のうち、その1名の警察官が女性の姿を探し回ったそうですが、一向に見つからなかったそうです。

2011年公訴時効が成立する

2004年2月17日に四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件が起きてから7年、2011年2月17日に公訴時効が成立し、この四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件は未解決事件となったまま、捜査が打ち切られました。

また、その翌日18日に被疑者である男性は死亡のまま、窃盗未遂事件の被疑者として書類送検されました。

しかし、その翌月の3月には、男性と女性が奪い合っていた財布の所持者が男性のものであったと判明し、男性が窃盗行為をしていたのではないと証明されたのです。

男性の死亡の原因

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件は、知れば知るほど、どこまでも後味の悪い誤認逮捕死亡事件です。誤認逮捕の末、死亡した男性の死因は、「高度のストレスによる高血圧性心不全」と「不整脈」でした。

男性を誤認逮捕した過失だけではなく、その警察官の拘束方法にも違法性があるのではないのかと、異論を唱える声が多く上がりました。

20分間押さえつけられた男性

応援の警察官がくるまでの間、男性をうつ伏せに拘束し続けた時間は約20分間です。男性の68歳という年齢も考えると、この長期間の拘束がどれだけ身体に負担がかかるかは誰でも推測できることでしょう。

また、男性が死亡するほどの過度な拘束とは、一体どれほどのものなのでしょうか。その力量は、当時の男性が所持していたものから察することができます。

拘束された際に、男性が握っていたキャッシュカードは三つに折れ曲がり、また、男性がかけていた眼鏡の片側のレンズが大きく割れていました。これらの損害具合が、どれほど男性を力強く拘束していたのかを物語っています。

意識を失っても拘束し続けた警察官

男性を拘束していた警察官は、当時は29歳という、まだまだ現場経験の浅い警察官でした。通常であれば、一方的に容疑をかけるのではなく、双方の言い分を聞くものですが、とっさの事態に男性の拘束に移行してしまった様子から、判断の甘さがうかがえます。

また、男性が激しく抵抗し続けているならまだしも、拘束の途中で男性は意識を失っています。男性の容態を見ずに拘束し続けていたことからも、あまり冷静な対応とはいえません。拘束を解いて適切な処置をしていれば、最悪な事態も免れたことでしょう。

男性は本当に泥棒だったのか?監視カメラからわかること

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件のなんとも不思議なのは、あれほど大騒動であったにも関わらず、事件の発端を実際に見ていた目撃者がほとんどいなかったということです。

詳しい事情を知る目撃者がいなかったため、重要な情報は監視カメラの映像から取得するしかありませんでした。それでも、監視カメラの映像から、男性が誤認逮捕であったことを導き出した、重要な情報の一つでもあったのは確かです。

監視カメラからどのような情報を得られたのか、四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の発端となった経緯をご説明しましょう。

男性がATM操作中に入ってきた女性

監視カメラはATMコーナーを映しているものでした。男性がATMコーナーに入り、ATMを操作している最中、幼児を抱えた女性がATMコーナーに入ってきました。ATMコーナーには当時、男性と女性の他に、利用客の姿はありませんでした。

操作が終わった男性にぶつかる

男性がATMの操作を終えたあと、突然女性が男性の肩へとぶつかりました。その様子は自然とぶつかる様子ではなく、みずからぶつかりにいくような、監視カメラからでもわかる不審な行動でした。

女性が何かを掴もうとして揉み合いに

女性が男性とぶつかった後、女性が男性の体を触るような仕草をして、突然男性の胸倉を掴み、激しい揉み合いになりました。監視カメラの映像から、女性が男性が持っている何かを掴みとろうとして、その結果揉み合ったことが判明しました。

男性の両手は買い物袋で塞がれていた

窃盗行為が真実であれば、男性と女性がぶつかった際に、男性が女性の何か大事なものを盗み、それを取り返すために女性が男性に掴みかかったという経緯になります。

しかし、その男性の両手は買い物袋で塞がれていました。身動きが取りづらい状況で、男性が女性から素早く何かを抜き取れるような動作をするのは、ほとんど不可能に近いでしょう。

男性はハムスターの餌を買いにジャスコへ

当時、男性は孫が買っているハムスターの餌や、排泄用の砂を買いに、ジャスコ尾平店に来店したといわれています。買い物袋の中身も、それらのペット用品であることが判明しています。ペットショップでの買い物のあと、男性はATMに足を運んだとされています。

手持ちがなくなりATMを利用

ペットショップでの買い物のあと、男性の財布の中には、手持ちの金額がほとんどありませんでした。そのため、男性は店内にあるATMコーナーに行き、お金を下ろすためにATMを利用しました。

これらの目的のある行動の最中に、男性が思い立って窃盗行為をしようとするなど、とてもではありませんが想像に難く、難しいことでしょう。

姿を消した子連れの女性の目的は?

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件を異色な事件にさせているのは、男性を泥棒扱いした女性の素性が不明であることです。女性の目的は謎に包まれており、行方も分かっていないため、事件の真相も完全に解明することができませんでした。

また、幼児を抱えているにも関わらず、揉み合いの最中、幼児が激しく泣きだすような素振もまったくないといった不気味さもありました。さらに、あれほど多くの騒ぎがあったにも関わらず、女性を目撃したという人物もほとんどいませんでした。

少し前からATMを物色していた

女性の目撃情報が少ない中、唯一女性の手掛かりを得られるのは監視カメラの映像のみでした。監視カメラの映像から女性の動向を探ると、男性がATMを利用する前から、女性がATMを物色したり、覗き込んだりと、明らかに不審な行動をしていたことが判明します。

狙ったのは男性のキャッシュカードか?

男性がATMを利用していたのを、女性は直接目撃しています。また、女性が数分前からATMの周囲を物色していたことから、女性が狙ったのは男性のキャッシュカードではないのか、といった予測がされています。

事実、死ぬ間際まで男性の手の中には、手放さないようにしっかりと、拘束により折れ曲がってしまったキャッシュカードが握られていました。

女性が「泥棒!」と叫んだのは、男性がなかなかキャッシュカードを手放さないため、とっさに男性を泥棒扱いすることで、その場からなんとか逃れようとしたのかもしれません。

子連れの女性の特徴

女性の特徴は、外見は25歳から30歳で、身長は約160cmのやせ型の体型をしています。肩まである薄い茶髪で、やや内側にカーブしている髪型をしていました。

事件当日の服装は、上下ともに黒っぽい色のズボンと上着を着用しており、ショルダーバッグを提げていました。抱いていた幼児の歳は、外見から2歳か3歳と予測されています。

なぜ監視カメラの画像を公表した?

世を大きく賑わせた四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件ですが、その中でも特に印象強く残ったのは、テレビで情報収集として公表された、監視カメラの画像の女性の不気味な顔ではないのでしょうか。

警察は、女性を虚偽告訴罪の被疑者として捜索するために、2005年に監視カメラの画像の公開に踏み切りました。容疑が確定していない段階で画像公開をしたのは、グリコ・森永事件以来の異例な措置です。それだけ、警察が本腰で動いていたことがわかります。

しかし、その覚悟もあまり努力を結ばず、女性に関する有力な情報は、ほとんどありませんでした。また、四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件から1年後での画像公開となっていたため、寄せられる情報も不確かなものでした。

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件のその後

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件のその後、どのように事件が終息へと向かっていったのでしょうか。男性は無実なのか、警察官の誤認逮捕に関する処置はどうなったのか。また、女性の行方も気になることでしょう。

男性の無実が認められる

2011年2月17日に公訴時効が成立し、しかし、その翌月の3月に女性と奪い合っていた財布が、男性のものであることが判明しました。

これが決定的な無罪証拠となり、2011年5月に、津地方検察庁が、男性の無実を認めました。また、被疑者補償として、1日分の最高額である12,500円を遺族に支払うと通知しました。

担当警察官の過失が認定

2007年に誤認逮捕された男性の遺族が、警察官の誤認逮捕の際の拘束の仕方に過失があるとして訴訟を起こしましたが、警察は初め「対応は適切であった」と主張していました。

3年後の2010年に、ようやく裁判によって違法性があることが認められ、警察側もその違法性を認めましたが、その拘束によって男性が死亡したという因果関係はないと、直接の因果関係は認めませんでした。

しかし、2011年9月に名古屋高等裁判所での控訴審判決にて、男性の死亡原因は担当警察官の過失であると認定されました。

警察の公的な謝罪はなし

担当警察官の過失が裁判所で認定されるまでの間、四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件が発生してから約7年もの月日が経過しました。裁判では違法性があると認め、賠償金の支払いにも応じたものの、警察が公的に謝罪することは一度もありませんでした。

一番の加害者である女性の消息は一切わからず

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の発端でもある謎の女性は、現在でも消息が不明のままです。公訴時効が成立しているため、今後女性を捜索することもありません。女性の犯行動機や素性が不明なため、四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の最大の謎ともいわれています。

善意だけで判断するのは危ない

女性の「泥棒!」という叫び声から、この四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件が始まりました。女性が男性を犯罪者として仕立てようとする悪意は、もちろん許されることではありません。

しかし、それと同時に、その叫び声を聞きつけて、双方の事情も聞かずに男性を容疑者として決めつけ、善意で衝動的に行動してしまうのにも危険がありました。誰か一人でも、冷静に話を聞く人がいれば、少しは事情が変わっていたかもしれません。

もしも、事件現場に居合わせてしまった場合、大事なことなのは容疑者の確保だけではなく、事情を知ることです。善意のままに動いてしまったばかりに、犯罪の片棒を担ぐことにもなりかねません。緊急時ほど、冷静に対応するよう、心がけていきましょう。

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