2019年04月18日公開
2019年04月18日更新
アイコニックの意味や使い方とは?ファッションなどの用語を解説
最近ファッションやデザインなどの分野で、「アイコニック」という言葉がよく聞かれます。混乱してアイコニックの意味とはどのようなものか、理解できていない人もいるでしょう。そこで、今回はアイコニックの意味や使い方とはどのようなものか、解説していきたいと思います。
目次
「アイコニック」を正しく使おう!
特にファッション用語としてよく使われる「アイコニック」ですが、デザイン用語やスラングとしても使われることがある言葉です。使える分野が幅広いことから、実はアイコニックの意味がよく分からないままという人は多いのではないでしょうか?
そこで、今回は「アイコニック」の意味や使い方について、解説していきたいと思います。ファッションやデザインなどの分野別に、アイコニックの使い方を見ていくので、アイコニックの使い方が不安な人はぜひしっかり確認してみてください。
「アイコニック」の言葉の意味とは?
アイコニックとは、「伝統の形式に則った」や「肖像」といった意味を持つ言葉です。”iconic”という英語で、IT用語である「アイコン」とほぼ同じような意味の言葉とされています。
とあるものがイメージされる人物やキャラクター、しきたりや伝統行事などを象徴する行為などが、「アイコニック」と表現できるのです。
例えば紙幣に描かれている人物の肖像や、桃の節句を連想させるお雛様を飾る行為などがアイコニックと呼ばれます。ファッションの流行を生み出すカリスマ的存在も、ファッションにおけるアイコニックと呼ぶことができるのです。
「アイコニック」の語源
アイコニックの語源は、ギリシャ語で類似を意味する”eikon”とされています。この”eikon”が英語圏の国に伝わり、肖像を示す”icon”に変化しました。
IT用語のアイコンもアイコニックと同じ”eikon”から派生した言葉とされています。アイコンはアイコニックの名詞形で、「類似記号」や「図像」と訳されるのです。
ちなみに、”icon”には「聖像」という意味もあるため、キリスト教信者が多い国では”icon”と聞くとキリストの肖像画を思い浮かべる人が多いとされています。
キリスト教の信仰率が高い国で”icon”を使う際には、キリストの肖像画を侮辱していると誤解されないように注意しましょう。
2010年に登場した個性的な歌手ICONIQとは
2010年に「ICONIQ」(アイコニック)という名前で歌手デビューした女性のことを、皆さんは覚えているでしょうか?美しい目鼻立ちと歌声、坊主頭に近いベリーショートの見た目と言われて思い出す人が多いでしょう。
あえてベリーショートという衝撃的な髪型にしたことで、女性に「変わる」というメッセージを強く伝えました。以下では、その「ICONIQ」について取り上げていきたいと思います。
ICONIQこと伊藤ゆみさんの経歴とは
「ICONIQ」こと伊藤ゆみさんは、鳥取で在日韓国人の3世として生まれました。中学生の時に宇多田ヒカルの楽曲を聴いて感銘を受け、歌手の夢を抱くようになったそうです。
2000年には韓国に渡り、アイドル歌手デビューを目指して、専門的なレッスンを受けます。翌年にはその努力が実り、アイドルグループ「Sugar」としてアイドル歌手デビューを果たすのです。
2003年には所属事務所が日本の有名芸能事務所ホリプロと提携したことから、日本でもアイドル歌手活動を開始します。アイドルグループ「Sugar」が2006年に解散すると、2007年から「Ahyoomee」(あゆみ)としてソロ歌手活動を開始するのです。
2008年には「伊藤ゆみ」として女優としても活躍し、ロサンゼルスへの留学も経験します。2009年に今までの集大成として、「ICONIQ」として新たに歌手デビューを果たします。
同時に出したアルバムもヒットし、資生堂や全日空などの大企業のCMにも出演しました。
「ICONIQ」の名前の意味とICONIQの現在とは
ICONIQこと伊藤ゆみさんは、現在舞台やドラマなどで勢力的に日本で活躍しています。2016年には名前を「ICONIQ」から「伊藤ゆみ」に戻し、グラビア活動や舞台活動を開始しました。
舞台という分野でもその才能を開花させ、現在まで舞台女優としても活躍しているそうです。2017年にはドラマ「母になる」や「コードブルー」にも出演し、テレビでの女優活動も精力的にこなしています。
伊藤ゆみさんは「ICONIQ」という名前には、無機質だけれども、変化を恐れない勇敢な女性という意味を込めていたそうです。何かの象徴、アイコニックになり得る強い女性になりたいという願いも込めて、「ICONIQ」という名前にしたとも語っています。
「アイコニック」の使い方《例文紹介》
意味が「肖像」と「しきたり」大別される「アイコニック」を使い方も、しっかり確認していきましょう。以下では、「アイコニック」の使い方を主な意味の「しきたり」と「肖像」に分けて解説していきたいと思います。
「アイコニック」の使い方を意味別にマスターしたい人は、ぜひ以内容に注目してみてください。
「肖像」の意味での使い方
「肖像」の意味では、アイコニックは何かを連想させる特徴的な人物やキャラクター、デザインの代名詞として使われます。基本的には、多くの人がイメージする名詞を前に置いて、「~のアイコニック」というように使われます。
また、「アイコニックな~」というように、特徴的なものを表現する時に形容詞のように使われることもあるのです。以下では、「肖像」の意味での「アイコニック」の使い方の例文を2つ取り上げていきましょう。
例文①アイコニックなキャラクター
「肖像」の意味の「アイコニック」は、「アイコニックなキャラクター」というように、何かを思い起こさせる印象的なキャラクターを表現したい時に使います。
例えば、地域の特徴をデザインやキャラクター設定に折りませたご当地キャラクターは、まさにアイコニックなキャラクターと言えるのです。
例文②あのマークはわが社のアイコニックだ
「あのマークはわが社のアイコニックだ」というように、シンボルマークを表現したいときにも「アイコニック」を使うことができます。
名詞的にも使用することができる「肖像」の意味のアイコニックは、同じ物を多くの人に連想させるアイテムの代名詞として使う場面が特に多いでしょう。マーク以外の人物や物でも問題なく使用することができます。
「しきたり」の意味での使い方
アイコニックは「しきたり」という意味で、使われる場面も多くあります。
「しきたり」の意味では「アイコニック」は、歴史の長いお稽古事や伝統的な行事や儀式を象徴する行為などの代名詞として使うのです。また、特定の民族の個性を象徴する事柄なども、「~のアイコニック」というように使って表現されます。
以下では、「しきたり」の意味での「アイコニック」の使い方を2つ紹介していきましょう。
例文①お茶会はイギリスのアイコニックだ
「しきたり」の意味の「アイコニック」の例文には、「お茶会はイギリスのアイコニックだ」が挙げられます。特定の国を象徴する伝統的な習慣を、その国と結び付けて表現した例文です。
日本ならば、歴史の長い茶道や書道などのお稽古事がアイコニックとして挙げられるでしょう。
例文②日本人の土下座というアイコニック
「日本人の土下座というアイコニック」というように、「しきたり」の意味の「アイコニック」は、とある民族の独特な行動を表現することもできます。
その行為を見れば誰でも同じ国をイメージするような、独特な行動をアイコニックと表現するのです。
その他の「アイコニック」の意味《ファッション編》
アイコニックという言葉には、「しきたり」や「肖像」以外の意味もたくさんあります。特に、ファッションの分野では独特な意味合いで、「アイコニック」という言葉が使われているのです。
以下では、ファッションの分野での「アイコニック」の使い方も詳しく解説していきましょう。
「アイコニック」のファッションでの使い方
ファッションの分野では、アイコニックは特定のファッションジャンルを強くイメージさせる人物や、トレンドアイテムを意味する言葉として使われるのです。
例えば、特定のファッションジャンルのリーダー的な人物を指して、「渋谷系のファッションのアイコニック的存在」というように使います。また、現在流行しているアイテムを「今年のパリのアイコニック」というように表現することもあるでしょう。
時代によって変化するファッションのアイコニックとは
流行するファッションの分野のアイコニックは、時代を経るに従って変化していきます。以下では、90年代から日本で流行したファッションのアイコニックを、時代別に紹介していきましょう。
ファッションの歴史に興味がある人は、ぜひ以下の内容に注目してみてください。
90年代のファッションアイコニック
90年代の日本で、女性達の間で特に流行したファッションと言えば、アムラーファッションでしょう。
アムラーファッションとは、日本の伝説的歌手安室奈美恵さんの、スタイリッシュな服装の特徴を取り入れたファッションです。お腹を出す丈が短いトップスに、ミニスカートと厚底のロングブーツのコーデは、アムラーファッションの定番となっていました。
他にも、細い眉毛や焼いた黒い肌、茶系のシックなメイクやシャギーストレートヘア―などが女性の間で広まったのです。安室奈美恵さんが流行ファッションのアイコニックとなった90年代には、アムラーファッションからコギャルファッションも派生しました。
2000年代のファッションアイコニック
2000年代には、宇多田ヒカルさんや浜崎あゆみさんなどの実力派女性歌手が登場し、流行ファッションのアイコニックになっていきます。
10代の女性達のカリスマ的存在になった浜崎あゆみさんは、金髪で短めのヘアスタイル、派手なネイルやヒョウ柄の服などのやんちゃファッションを流行させました。
持ち物の派手なデコレーションや、海外セレブを連想させる大きなサングラスなど、現在でも人気があるものの源流は浜崎あゆみさんとされています。
また、浜崎あゆみさんと同じく2000年代のファッションのアイコニックになったのは、宇多田ヒカルさんです。浜崎あゆみさんとは異なり、黒髪のヘアスタイルでシンプルかつスタイリッシュな雰囲気のファッションメイクは、主に大人の女性に流行しました。
その他の「アイコニック」の意味《デザイン編》
アイコニックはデザインの分野でも、頻繁に使われる言葉です。とある商品の名前や製造会社などを連想させる商品デザインやマークなどを、アイコニックと言います。
また、IT用語でもあるアイコニックは、アプリの目印となる小さなマークのデザインも、アイコニック又はアイコンと呼ぶのです。以下では、アイコニックのデザイン分野での使い方をさらに詳しく見ていきましょう。
「アイコニック」のデザインでの使い方
デザイン分野ではアイコニックは、特定の商品を大勢の人が瞬時にイメージするような、象徴的なデザインのことを指して使います。
例えば、有名な車の製造会社であればその車のエンブレムのデザイン、高級ブランドの代表的な商品であれば、そのブランドのロゴマークのデザインなどがアイコニックとなるのです。
IT用語としても使われることがあるアイコニックは、アプリケーションの目印となる小さなマークのデザインもアイコニックと呼びます。そのマークは、一般的にはアイコンマークとも呼ばれているのです。
その他の「アイコニック」の意味《スラング編》
アイコニックはポジティブな意味合いで使われることが多いですが、時にスラングとしても使われることがあるのです。以下では、そのスラングでのアイコニックの使い方を、紹介していきましょう。
スラングでの使い方もマスターして、汎用性の高いアイコニックを自由自在に使いこなしてみてください。
「アイコニック」のスラングでの使い方
スラングとは特定の集団の中で通用する隠語や、エスニック系の黒人文化を意味します。エスニック系の黒人文化は、アメリカで迫害を受けていた黒人達から始まった文化とされているのです。
エスニック系の黒人文化には、カラフルでボヘミアン風のデザインが中心のファッションや、ストリートアートの文化などが挙げられます。
このようなファッションの黒人や、ストリートアートを連想させる壁の落書などが、スラングの分野でのアイコニックと言えるのです。
スラングというと侮蔑的な言葉のイメージが強いでしょう。確かにそれらの言葉もアイコニックと呼ばれますが、決してそのような言葉のみがスラングという訳ではないのです。
また、とある集団の中のみで通用する隠語も、スラングと呼ばれます。例えば、元々ギャル語である「KY」は、流行当初はギャル達の間のアイコニックでした。
この他には、各業界内でしか通用しない隠語や若者の間で広まっている言葉も、全てアイコニックと表現できるのです。
意味と使い方をしっかり覚えてアイコニックを使いこなそう
今回はアイコニックの意味や使い方について、詳しく解説しました。アイコニックには様々な意味があり、意味によって使い方が微妙に異なるようです。また、広い分野で使われる「アイコニック」の使い方は、各分野によってもかなり変化します。
そのため、アイコニックを使いこなすには、しっかりその意味や使い方を正確に覚えていく必要があるでしょう。アイコニックの使い方や意味が怪しいという人は、ぜひ今回の内容をしっかり覚えて、アイコニックをかっこよく使いこなしてみてください。