ドイツの治安は悪い?旅行や観光の危険度や注意点も紹介
ヨーロッパの経済的支柱となっているドイツの治安に、悪いイメージ持つ人は少ないでしょう。しかし、最近のドイツでは、観光客を狙う軽犯罪の発生率やテロの危険性などが高まっているとされています。そこで、今回はドイツの治安について、観光時の注意点と共に見ていきましょう。

目次
ドイツに行く前に治安をチェック!
現在ヨーロッパのリーダー的存在となっているドイツには、厳格にルールを守る国というイメージを抱く人が多いでしょう。そのため、何となくドイツの治安は良いのではと思い込んでいる人も少なくないと思われます。
確かに、ドイツは比較的経済状態が安定しているため、ヨーロッパ諸国の中でも治安が良い国とされているのです。しかし、ドイツの観光旅行において、全く注意点を意識しない振る舞いをしていると、犯罪に巻き込まれる危険性が高まるでしょう。
今回は、そんなドイツの治安の危険度や、ドイツの観光旅行時の注意点などを、詳しく紹介していきたいと思います。ドイツの観光旅行を計画している人は、ぜひ今回の内容からドイツの治安を把握してください。
ドイツの治安はどうなの?
ドイツはルールに対して厳格な国なので、治安が悪いというイメージは抱きにくいでしょう。しかし、日本と比べるとドイツ全域の犯罪発生率は約2倍となっています。
さらに、ミュンヘンやフランクフルトといった有名な大都市であっても、犯罪発生率は約3倍となっているのです。強盗や殺人と言った命がかかわる犯罪は少ないものの、まだ観光客を狙う詐欺やスリは多く発生しています。
そのため、日本にいる時と同じような危機感でドイツを観光していると、持ち物を奪われる犯罪に遭いやすくなってしまうでしょう。以下では、ドイツの治安に関する外務省の情報と、ドイツで現在不安視されているテロについて、詳しく見ていきたいと思います。
外務省による危険情報
日本の外務省からは、ドイツ旅行に対して特別な注意喚喚起はされていません。しかし、少しお店の中で席を立っただけでカバンやパソコンを盗まれたり、親切に写真を撮るふりをしてスマホを持ち去ったりといった犯罪は多発しています。
観光客は特に狙われやすい傾向にあるため、外務省から注意喚起されていなくても、ドイツ観光旅行では特に荷物管理に注意を向けましょう。
テロの状況
ドイツでは、イスラム過激派組織が話題になっていた2016年頃に、国民や観光客などが犠牲になる悲惨なテロが多発していました。ヨーロッパの国々では今も時折テロが発生することから、日本の外務省はドイツ旅行者に、テロへの警戒を促しています。
2017年以降、ドイツでは目立ったテロは起きていませんが、観光旅行の際にはテロへの警戒心を持つようにしましょう。

ドイツで治安の悪い地域を紹介
ドイツの治安は、総合的に見ると良いと言えるでしょう。しかし、地域によっては治安が悪いエリアもあり、大都市の中にも治安が悪く、地元の人々からも警戒されている都市もあります。
そこで、以下ではドイツで特に治安が悪いとされている都市や地区を、具体的に紹介していきましょう。
東ベルリン
冷戦の影響によって東西に分裂していたベルリンが、89年に東西を隔てていた壁が崩され、再び統合された歴史的出来事は有名でしょう。ベルリンはドイツに属する都市になったものの、経済的格差があることから、東と西に今でも区別されています。
ベルリンが統合された当初から、東ベルリンには西ベルリンと比べて貧しい人々が住んでおり、現在も物価や家賃の差はあまり解消されていません。最近では、物価や家賃がドイツの他のエリアよりも安いことで移民が集まり、不法移民も増えているのです。
若者向けの飲食店や夜遊びできるお店なども増えていますが、現在も治安は比較的悪いとされています。スリや置き引きもよく発生しているので、ドイツ観光に慣れていない人は、近づかない方がよいでしょう。
フランクフルト
ドイツの中で特に治安が悪く、観光客に危険と囁かれている都市には、フランクフルトも挙げられるのです。賑やかな繁華街やレーマー広場など、観光客の興味を惹くスポットがたくさんあるフランクフルトは、ドイツの経済を支える都市ともされています。
しかし、最近では急増した不法移民や失業率の上昇などが原因で、治安状況が悪いことでもよく知られています。犯罪率は他の都市よりも高くなっており、観光客が置き引きやスリの被害に遭うことが増えているのです。
比較的安全というイメージが強い空港内や大きな駅、ホテルの中でもスリや置き引きは発生しています。そのため、フランクフルトの旅行の際には、防犯対策をしっかり行いましょう。
ケルン
ドイツで観光客にとって危険度が高い都市には、ケルンも挙げられます。大きなライン川や重厚感たっぷりのケルン大聖堂が有名なケルンは、古代ローマ衣帝国の時代から歴史を刻んできた都市として有名でしょう。
そんなケルンの日中の治安は、悪い訳ではありません。しかし、暗くなると怪しい人々が町中に増えていきます。特にクラブやバーなどの夜遊びスポットが集中するエリアでは、スリや喧嘩といった事件が起きやすいとされているのです。
最近では不法移民も増えたことで、より治安が悪化しつつあります。時折反政府デモも起こるので、日中でもある程度の警戒心は必要な都市と言えるでしょう。
ハンブルグ
偉大な音楽家ブラームスの故郷である「ハンブルグ」は、アルスター湖や港の綺麗な景色で有名な都市です。面積はドイツ内で2番目とされるほど広く、全体的にのびのびとした雰囲気が漂っています。
しかし、地区によって治安の良し悪しに大きな差があり、特にナイトスポットが密集しているザンゲオルグ地区やザンクトパウリ地区などは治安が悪いとされています。
これらの地区は貧しい人々が集まる地区で、麻薬売買や売春、スリなどで生活する人がたくさんいるのです。ドイツ旅行で危険な犯罪に遭わないために、これらの地区には近寄らないようにしてください。
シュトゥットガルト
ドイツで危険なエリアには、工業都市として名高い「シュトゥットガルト」も挙げられます。国内外の有名企業の工場や本社が多く存在する街で、ドイツの経済を支える重要な都市となっているのです。
さらに、管弦楽団やバレエ団などの芸術関連の組織の拠点が集中しており、芸術に興味がある観光客も惹きつけています。
また、世界最大規模のクリスマスマーケットや美味しい地元のワインなどでも、観光客の心を掴んでいるのです。しかし、日中の治安は良いとされる「シュトゥットガルト」は、夜になると浮浪者や麻薬関係者などがうろつく治安の悪い街に変化するとされています。
そのため、夜間にむやみに単独で出歩かないように注意しましょう。
ドイツ旅行の際の注意点
ドイツ旅行に行く前には、必ずドイツ旅行で守るべき注意点を確認するようにしましょう。自分の財産と身をしっかり守る対策を取っておくことで、よりドイツ観光を余裕をもって楽しむことができます。
以下では、ドイツ旅行の時に忘れてはいけない注意点を、いくつか紹介していきます。
強盗が多い
ドイツ旅行の注意点には、強盗の発生率が高いということが挙げられます。ドイツの治安が悪い地区では、お金を持ち歩いていそうな観光客を狙ったスリや強盗が多く発生しているのです。
特に、薄暗く人気のない駐車場や駅周辺は、獲物を探している強盗犯がいる危険性が高いエリアとされています。そのため、観光中は豪華な服装は避け、これらのエリアには近づかないようにしましょう。
スリや置き引きに警戒する
スリや置き引きが日本と比べると格段に多いということも、ドイツ観光では覚えておくべき注意点でしょう。特に経済格差が激しいエリアや、不法移民が多いエリアなどでは、置き引きやスリの発生率が高くなっています。
そのため、ドイツ観光中にはそのようなエリアは避け、少しの間でも貴重品からは目を離さないなど、基本的な対策を行ってください。
また、特に治安が悪いエリアでは、そもそも多額の現金を持ったまま歩かず、現金は体のあちこちに分散させて保管しておくということも大切です。
夜間の一人行動はしない
ドイツ観光での注意点には、夜間には必ず複数人で行動するという点も挙げられます。ドイツには、夜間になると格段に治安が悪くなってしまう地区も多くあるのです。
特に日本人の観光客は、大人しくてお金を持っているというイメージから、夜に独りで行動していると強盗被害に遭いやすくなります。さらに、夜間はテロの危険性も高まるのです。そのため、暗くなったら複数人での行動に切り替えましょう。
クレジットカードはほぼ使えない
ドイツはヨーロッパ全体の経済の牽引役を担っている国なので、どこのお店でもクレジットカードで支払いできると思い込む人もいるでしょう。しかし、実際にはドイツ国内のほとんどのお店では、クレジットカードが使用できません。
ドイツではまだクレジットカードに完全対応している店舗は少なく、対応していても、ドイツ国内の会社のクレジットカードのみにしか対応できないお店がほとんどなのです。
海外旅行では、現金を持ち歩かない対策として、クレジットカードを使用する人が多いでしょう。しかし、ドイツでは意外にもクレジットカード非対応のお店が多いので、現金はある程度用意しておくことをおすすめします。

ドイツのおすすめ観光スポット3選
ドイツの治安の危険度やドイツ旅行の時の注意点などをしっかり把握しておけば、より安全にドイツ旅行が楽しめるでしょう。以下では、ドイツ観光の際にぜひ訪れてみたい、安全で人気の高い観光地を3つ取り上げていきたいと思います。
ドイツ旅行で巡る観光地選びで迷っている人は、ぜひ以下の内容を参考にしてみてください。
中世ドイツの雰囲気を味わえるローテンブルク城
ドイツの人気観光地には、まず「ローテンブルク城」が挙げられます。中性の頃に実際に使われていた頑丈な城を、じっくり見学できるのです。近くの町全体でも中世の頃の街並みを再現しており、おとぎ話に登場する城と城下町の雰囲気に浸ることができます。
周囲には郷土料理が楽しめる飲食店や安全性の高い宿泊施設もあるので、安心してゆったりした時間を過ごすことができるでしょう。
光と影が織りなすナイトショーが見どころのベルリン大聖堂
ベルリン大聖堂も、ドイツ観光ではぜひ遊びに訪れたいスポットです。ホーエンツォレルン王家が15世紀に建てた荘厳な聖堂で、豪華なドーム状の天井や礼拝堂は、多くの観光客を惹きつけています。
最近では、夜になると最先端の映像技術であるプロジェクションマッピングを活かしたショーが行われているのです。歴史ある大聖堂全体に、カラフルな映像を映し出すという大胆で華やかなショーは、一生の思い出になるでしょう。
古代のアート作品を楽しめるペルガモン博物館
ドイツ観光でおすすめの観光スポットには、ペルガモン博物館も挙げられます。アート作品からドイツやギリシャなどの歴史を楽しく追うことができる博物館です。古代ヘレニズムの時代や、バビロニアの時代などの貴重なアート作品を間近で見ることができます。
日本語で作品を解説してくれるオーディオ機材が完備されており、2時間ほどあれば十分楽しむことができるので、気軽に足を運べる観光スポットと言えるでしょう。
観光で日本人が戸惑いがちなドイツのルール
ドイツ観光に慣れていないと、日本と異なるルールに驚き戸惑うことも度々あるでしょう。そこで、以下では特に日本人が驚きやすいドイツのルールも取り上げていきたいと思います。
特にドイツ旅行初心者の人は、ぜひ以下のルールに注目してみてください。
自転車が走れるのは自転車用道路のみ
ドイツでは自転車を利用する人が多いことから、自転車に関するルールもしっかり決められています。安全のために、自転車が走ることができる道路も厳格に決められており、自転車用道路以外での走行は認められていません。
日本では自転車専用道路の整備が進んでいないため、自転車で車道を走ることもあるでしょう。しかし、ドイツでそのようなことをすると、罰金を科されることもあります。そのため、観光中に自転車をレンタルした時には、専用道路を走るように注意しましょう。
公共施設や駅のトイレは有料
日本では公共施設や駅、コンビニなどのトイレを無料で借りることができます。しかし、ドイツ国内には無料で誰でも使用できるトイレはあまりないのです。
公共施設や駅などにトイレ自体はありますが、ほとんどが有料で貸し出すトイレとなっており、一回の使用で平均2ユーロほどかかります。
ちなみに、ドイツ以外のヨーロッパ諸国でも有料のトイレが一般的です。そのため、ドイツを含めたヨーロッパ諸国への旅行では、トイレは有料という意識を持つようにしましょう。
イメージに捉われずドイツでは注意点を守って観光しよう
今回はドイツ全体の治安やドイツで特に治安が悪い地域、ドイツ観光における注意点などについて、詳しく紹介しました。ドイツ国民の規律を守る意識が強いという特徴から、ドイツに治安が良いというイメージを抱く人は多いでしょう。
しかし、ドイツ全体の犯罪率は日本の約倍となっているので、今回挙げた注意点を守らないドイツ観光は危険です。近い内にドイツ観光をする予定がある人は、ぜひ今回取り上げた内容を忘れないようにしてください。

