イギリスの治安は安全?悪い?旅行や観光の危険度や注意点も紹介
皆さんはイギリスの治安にどのようなイメージを抱いているでしょうか?イギリスの全体的な治安に、何となく良いイメージを持つ人は少なくないと思われます。そこで、今回はイギリスの現在の治安は本当に良いのかどうか、確認していきましょう。

目次
イギリスの治安は?一人旅しても大丈夫なの?
ミステリアスな古代の遺跡ストーンヘンジや荘厳な時計塔ビッグベン、豪華なバッキンガム宮殿など、世界的に有名な観光スポットがあるイギリス。イギリスの音楽や文化などは日本に大きな影響を与えており、イギリスに親しみを感じている日本人は多いでしょう。
EUの主要国でもあるイギリスには、治安が悪いイメージが抱きにくいと思います。しかし、最近ではテロの危険性が高まり、EU離脱の動きや軽犯罪の増加などで話題になっているイギリスの治安は、本当に良いと言えるのか気になる人もいるでしょう。
そこで、今回はイギリスの治安について、詳しく説明していきたいと思います。イギリスの治安や観光旅行で注意すべきポイントなどが知りたい人は、ぜひしっかり確認してみてください。
イギリスってどんな国なの?
日英同盟や貿易などで長い間密接に関わってきた日本とイギリスには、立憲君主制や島国など共通する点がたくさんあります。そんなイギリスはイングランドとスコットランド、ウェールズと北アイルランドで成り立っている連合王国です。
24万k㎡の国土に、約6,000万人の国民が暮らしています。首都はロンドンで主な言語は英語となっています。古くから続く王室があり、日本の皇室との関わりも深いのです。
また、金融業や貿易業、鉱業などが主な産業で、先進国の中でもトップクラスの経済力を誇っています。しかし、2000年代以降、リーマンショックや国際テロの危険性の高まりなどによって、経済や治安の不安が高まっているのです。
以下では、イギリス人に見られる特徴について、解説していきましょう。
イギリス人の特徴
イギリスの観光旅行では、現地の人との交流も楽しみの1つです。イギリス人に共通する特徴を把握しておけば、より現地の人と仲良くなりやすくなるでしょう。
イギリス人の多くは、基本的に親切でマナーをしっかり守ります。観光客にフレンドリーに接する人も多いので、観光旅行で困った時には現地の人に助けを求めやすいでしょう。
しかし、プライドが高く皮肉好きという特徴もあるので、機嫌を損ねてしまうと一気に険悪な関係になってしまいがちです。また、マナーには厳しいけれど、約束事に対してルーズという面もあります。
そんなイギリス人にはオカルト好きという意外な一面もあり、イギリスではオカルト物件やオカルトツアーなどに人気が集まっているのです。イギリスには、妖精や魔術といった不思議なものに関する伝説もたくさんあります。
さらに、親しい人以外にはシャイな態度を見せるという特徴もあるので、同じくシャイな日本人とは相性が良いでしょう。


イギリスの治安は?
イギリスの治安は全体的に良いとされていますが、時間帯や地区によって治安が悪いこともあります。そのため、イギリスの観光旅行の前には、しっかり訪れる地域の治安を調べておきましょう。
以下では、日本の外務省が発令しているイギリス渡航に関する危険情報や、首都ロンドンの治安、テロの可能性などについて解説していきます。
外務省による危険情報
現在の所、日本の外務省からはイギリス渡航者に向けた注意喚起は出されていません。しかし、2017年にマンチェスターで約50名の死傷者が出たテロ事件が起きて以降、テロへの警戒が強まっています。
日本の外務省からも、イギリス旅行中はテロに対して特別な注意を払うべきという情報が出されているのです。また、イギリス国内では最近の緊縮政策によって、警官の数が激減し、軽犯罪が増えているそうです。
そのため、観光旅行の際はスリや置き引きといった犯罪にも警戒心を持つようにしましょう。
首都ロンドンの治安状況
イギリスの首都ロンドンは、セントポール大聖堂やウェストミンスター宮殿などの人気観光地があるエリアです。バスや電車などの交通機関も充実しており、観光客向けのお店もたくさんあることから、人気の観光都市となっています。
しかし、様々な民族の人々が多く集まっている都市でもあるので、トラブルや軽犯罪の発生率が高くなっているのです。
さらに、観光スポットが集中している北部や高水準の住宅が立ち並ぶ西部には、スリや置き引きといった軽犯罪が度々発生しています。また、南側には麻薬の密売が横行している治安が悪いエリアもあるので、ロンドンでは注意して観光するようにしましょう。
テロの可能性は?
イギリス国内では、2017年にテロ事件が連続して発生しており、イギリス全体が厳戒態勢になったこともありました。有名歌手であるアリアナグランデさんのコンサート会場や、ウェストミンスター宮殿など、多くの人が集まる場所がテロの舞台になっています。
2018年からは大規模なテロ事件は起きていませんが、まだ深刻なテロが起きたばかりなので、テロの危険性が高いと認識しておいた方がよいでしょう。
特に、外国人が集まる場所や人通りの激しい場所などはテロの危険性があるので、テロが不安な人にはこのような場所を避けることをおすすめします。

イギリス旅行でおすすめの支払い方法
イギリス国内のほとんどの店舗では、クレジットカードでの支払いを受け付けているのです。観光中は大金を持っているとスリや置き引きに遭う危険が高まるため、クレジットカードでの支払いをおすすめします。
クレジットカードでの支払いが浸透しているイギリス国内の店舗では、高額紙幣の受け取りを拒否されることもあるのです。そのため、高額な紙幣は持ち歩いていても使いにくいでしょう。
イギリスで治安の悪い地域
最近イギリスでは財政を回復させる政策によって、警察官の数が約2割も減少しています。そのため、比較的治安がよいとされていた場所でも、現在軽犯罪は増えているのです。そんなイギリスには、昔から治安が悪い場所もあります。
以下では、その治安が悪い場所を紹介していきましょう。このような場所の治安は、最近より一層悪化しているので、観光旅行中は特に注意してください。
バーミンムガム
イギリスの首都ロンドンの北に位置するバーミンガム地区は、工業が盛んな街として知られています。工業に従事する人が多く、最近では出稼ぎ労働のために訪れる移民も増えているのです。そのため、人口はロンドンに次ぐ多さとなっています。
日中は人通りもあり、明るい雰囲気に包まれていますが、暗くなると酔っ払いや不審者がうろつき、スリや傷害事件などが発生しやすくなるのです。日中も細い路地や人通りのない場所の治安は悪いとされています。
そのため、ロンドン旅行中はバーミンガム地区には極力近寄らないようにしましょう。
グラスゴー
イギリスで治安が悪い地区には、スコットランド地方の大都市「グラスゴー」も挙げられます。電子機器の製造や造船業などが盛んな地域で、グラスゴー国際空港もあり、日中の治安はそれほど悪くはありません。
しかし、地元のギャングの拠点となっており、夜になるとギャング同士による傷害事件や発砲事件が多発しています。細い道では観光客を狙った事件もよく発生するので、夜間の散策や路地の散策などは避けましょう。
マンチェスター
イングランドの北西に位置する都市マンチェスターには、有名サッカークラブやマンチェスター大学、マンチェスター空港などがあるため、観光客がたくさん訪れています。
金融業施設や研究施設などの大きな建物もたくさん立ち並んでおり、日中の治安は比較的良いのです。
しかし、夜になると各地に泥酔者や麻薬使用者、スリ犯などが出没するため、観光客の夜歩きはおすすめできません。特に、広場となっている「ピカデリーガーデンズ」は治安が特に悪いので、観光の時には避けるようにしましょう。
イギリスの治安が悪化している理由とは?
イギリスには治安が良いイメージを強く抱く人もいますが、最近のイギリスの治安は悪化しているという現状があります。なぜイギリスの治安が悪化しているのかと、疑問に思う人もいるでしょう。
そこで、以下では最近悪化の一途を辿るイギリスの治安の背景について、詳しく説明したいと思います。
緊縮財政政策によって警察官が不足している
イギリスではリーマンショック以降、財政が苦しい時代を迎えています。財政の立て直しのために、最近厳しい緊縮政策が実施されたのです。
その結果、イギリス全土の警察官の数は大幅に減少し、軽犯罪が多発する都市部では、警察官不足によって全ての犯罪に対応することが難しくなっています。
警察官不足のために、軽犯罪が見逃されるという事態にもなっており、治安が悪化してしまっているのです。
スクーターギャングの暗躍
イギリスの治安の悪化の背景には、都市部に出没するスクーターギャングの存在も挙げられます。スクーターに乗って複数人で強盗を行う犯罪集団で、昼間の首都ロンドンでもスクーターギャングによる強盗事件が起きているのです。
ウェストミンスター地区での強盗事件が多く、観光客が特に狙われやすいので、観光中は歩きスマホをせずに警戒しましょう。
イギリス旅行する際の注意点
イギリス旅行で危険な目に遭わないためには、注意すべきポイントをしっかり意識しておくことが重要です。以下では、イギリス旅行で注意しておきたいポイントを、5つ取り上げていきましょう。
イギリス旅行のプランを練っている人は、危険回避のために以下の注意ポイントも頭に入れておいてください。
スリや置き引きに警戒する
イギリスには、治安が悪い地域以外でも、無防備な観光客や高価なものを身に着けている観光客はスリの被害に遭いやすいとされています。
飲食店の中でもスリに遭う危険が高まっているため、飲酒や地元の人との交流で良い気分になっていても、荷物から目を離さないようにしましょう。
また、街中で観光客に急にフレンドリーに話しかけ、大げさな身振りやハグなどで気を引き、仲間が貴重品を奪うスリも多発しています。そのため、急に馴れ馴れしく接してくる現地人には警戒するようにしましょう。
ドラッグ犯罪に注意
イギリス国内では、麻薬に関する犯罪も増加しているので注意してください。
夜間の治安が悪い場所では、麻薬の売買を持ちかけられることもあります。また、無味無臭の危険な麻薬を混ぜたお酒を仲良くなった現地人に飲まされ、昏睡強盗やレイプといった犯罪のターゲットにされる事件も起きているのです。
人のいない公共交通機関は利用しない
夜間のバスや地下鉄など、人があまり乗っていない公共交通機関では、麻薬中毒者や酔っ払いなどに絡まれる危険性が増します。そのため、観光中は人が少ない公共交通機関は利用しないように心がけましょう。
どうしても利用しなければならない場合は、運転手から近い席を選んだり、少しでも乗客が多いバスや電車を利用したりしてください。
夜は酔っ払いが多い
イギリスには深夜まで営業しているパブや飲食店が多いので、夜になると酔っ払いが町中に出没します。昼間は治安が良い地区にも、夜になるとしつこく観光客に絡む酔っ払いが出ることも多々あるのです。
また、酔っ払いの中には、重度の麻薬中毒者が紛れていることもあります。そのため、夜に散策する時には、酔っ払いに特に警戒しましょう。
夜間は一人で出歩かない
安全にイギリス旅行を楽しむには、夜に単独行動しないという注意点を守ることも重要です。イギリス国内には、夜になると急激に治安が悪くなる箇所が多くあります。
そのため、観光客が夜の単独行動中に、知らずに治安が悪いエリアに足を踏み入れ、犯罪に巻き込まれる事件が多発しているのです。
イギリス観光におすすめの治安の良い都市
イギリス国内には、各地で軽犯罪が増えている現在でも、治安が良い水準に保たれている都市もあるのです。以下では、その都市をいくつか取り上げていきましょう。
特に治安が良い都市を巡るイギリス旅行を計画したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
ケンブリッジ
イングランドの東に位置する都市「ケンブリッジ」は、ケンブリッジ大学やハイテク企業が多いことなどで有名な街です。大きなケム川が流れるケンブリッジは、穏やかな雰囲気が漂っている街で、夜でもあまり治安が悪くなりません。
学生や観光客が特に多い町なので、流行りの飲食店や土産店などがたくさん出店しています。
オックスフォード
イギリスの学生街として名高い「オックスフォード」も、治安が良い街とされています。オックスフォード大聖堂や大英博物館など、人気の観光スポットが集中している街でもあるので、観光には最適でしょう。
さらに、大規模なマーケットや劇場などもあるので、観光地としての人気が高まっています。
バース
イングランドの西に位置する温泉の街「バース」も、治安が良い街です。古代ローマ帝国の時代から温泉地として栄えていた町で、現在も各地にある温泉施設は観光客から人気を集めています。
18世紀のジョージ王朝の時代に建築された貴重な遺構も存在しており、世界遺産に認定されているのです。
正確な治安情報を確認しつつイギリス旅行を楽しもう
今回は最近EU離脱の動きで話題になっているイギリスの治安について、詳しく解説しました。イギリスには経済面が安定しており、治安が良いイメージを強く抱く日本人が多いでしょう。
しかし、実際にはテロや緊縮財政による警察官の不足などによって、イギリス全体の治安は現在悪くなりつつあります。今回挙げた旅行上の注意点をしっかり意識して、イギリス観光を安全で楽しいものにしてください。

