島根女子大生遺棄バラバラ事件！犯人「矢野富栄」と被害者「平岡都」

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件はまだ記憶に新しい残虐な殺人事件ですが、2009年の11月に起こった事件で、被害者となった女性は当時19歳で女子大生だった、平岡都さんと言う方です。

7年間未解決事件として犯人逮捕に至っておりませんでした。遺体遺棄事件として警察は捜査していましたが、2012年に公訴時効が成立したため殺人罪に切り替え捜査を続けました。

2016年に犯人特定までたどり着きましたが、すでに被疑者は亡くなっており、警察は犯人逮捕に至りませんでした。無念にも不起訴処分になってしまったのです。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の概要を見て行きましょう。大まかな事件の流れを思い出してみましょう。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件が起こったのは2009年11月6日になります。広島県と島根県の県境で、広島により近い広島県北広島町臥龍山(がりゅうざん)の頂上付近で、女性の頭部だけが発見されました。

発見した男性は丁度その日キノコ狩りで山に出かけていたそうです。落ち葉の上に、人間の頭のような物を発見し、即座に警察に連絡したそうです。

発見された頭部からDNA鑑定されました。その結果、殺害されたのは平岡都さんであることが判明しました。当時、平岡都さんは島根県浜田市で、10月26日から行方不明になっていたそうです。

その日、アルバイトに行ったまま自宅に帰らず、行方が分からなくなっていたそうです。平岡都さんは19歳の普通の女子大生でした。

その後、広島県警と島根県警は合同捜査本部を設置し、事件解明のため捜査が始まりました。頭部以外の残りの遺体と、被疑者を特定し逮捕するため懸命な捜査を重ねました。結果、頭部以外の残りの遺体の発見に至ります。

11月7日に左大腿骨の一部が、その翌日の11月8日には両手足のない胴体部分が、11月9日には左足首が、その10日後の11月19日には爪の発見に至りました。

すべて平岡都さんの物だと断定されたそうです。

11月7日に頭部が発見され、司法解剖した結果では、大体死後1~2週間経ってると判明されたそうです。丁度平岡都さんが行方不明になったのが10月26日ですので、その日にちと一致すると考えられます。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の遺体発見時の状況を見て行きましょう。被害者の平岡都さんは、どのような状態で発見されたのでしょうか？

最初に警察が発見したのは被害者の頭部になります。顔には殴打痕があり内出血していたようです。さらに頭部は足で踏まれたと思われる、跡がついていたようです。

その後次々発見された遺体に関しても、バラバラだっただけでなく、残酷きわまりない状態で発見されました。頭部の次に発見された左大腿骨の一部は、切り取られており肉がそぎ落とされていたようです。

胴体部分に至っては、内臓の大部分が取り出されており、乳房は刃物のようなものでえぐり取られていました。

犯人は平岡都さんを殺害しただけでなく、残酷な方法でバラバラにし、その遺体の状態から、警察では「動物に食いちぎられたのでは？」と言う声があがっていたようです。

それくらい人間の脳では理解できない悲惨な状態だったようです。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の被害者である平岡都さんのことを見て行きましょう。どのような学生時代を送ったのでしょうか？何故殺害されてしまったのでしょうか？

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の被害者である平岡都さんは、香川県の出身です。香川県の商業学校を卒業後、島根県立大学に進学します。大学進学までは香川県坂出市で両親と一緒に暮らしていました。

被害者の平岡都さんは学業やサークル活動に励み、真面目な女子大生だったようです。アルバイトもしていましましたが、特定の異性との交遊はなかったようです。目立ったトラブルもない、至って真面目な大学生だったようです。

被害者の平岡都さんは10月26日いつも通りバイトに行きました。夜バイトを終えて、退社しました。時間は午後9時頃だったそうです。バイト先の防犯カメラにも、従業員通路を通り退社している姿がしっかり映っていたそうです。

バイト先は寮から約2キロ離れたところにありました。それなりに距離はありますが、自転車などは使わず、歩いて通っていたそうです。バイトまでの行き帰りは暗く人通りも少ないため、近所の人たちも好んで通らない道だったようです。

被害者の平岡都さんは行き帰りが危険だと言うこともあり、そのバイトを近々辞める予定だったと言います。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の犯人への手がかりはあったのでしょうか？目撃情報などはあったのでしょうか？では見て行きましょう。

被害者の平岡都さんのバイト先の近くで白い車が目撃されていたようです。目撃情報は多数寄せられており、車はトヨタの白い「マークⅡ」の旧式の車種であることまでわかりました。

警察の捜査の末、学生寮までの帰宅ルートで靴を発見したようです。平岡都さんの殺害事件の手がかりになるのでは？と思われたようですが、結局それが被害者の物かどうか断定できなかったようです。

犯人特定のため、懸命な捜査が続けられますがなかなか逮捕に至らず、早期解決を願い特別奨励金制度を適用することになります。特別奨励金制度とは、有力な情報を提供してくれた者に懸賞金が支払われる制度です。

情報提供を呼びかけるため1万1千枚のビラを配ったそうです。県警は早期解決を掲げ懸命に捜査を続けますが、有力な目撃情報を得ることもできず、死体遺棄罪単体の公訴時効3年を迎えることになります。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の犯人である矢野富栄さんについて見て行きましょう。どんな人生を送り、殺害に至ったのでしょうか？

矢野富栄さんは1976年山口県下関市神保町で生まれます。4人家族だそうです。裕福な方ではありませんが、幸せに暮らしていたようです。

犯人の矢野富栄さんは、地元の中学に通い、陸上部に所属していたそうです。陸上部でキャプテンを務めたこともあり、スポーツ万能で女子からも人気があったと予測されます。

矢野富栄さんは北九州市の高校に通います。特進クラスに所属し、勉強もよくできた真面目な生徒だったようです。積極的に女子と関わるタイプの男子ではなく、おとなしい印象だったようです。

柔道経験があったため、クラスで一人だけ黒帯で注目を集めていました。

優秀だった矢野富栄さんは防衛大学に合格します。そのまま大学に進学するのかと思われましたが、合格を蹴って浪人することを決意します。

矢野富栄さんは浪人時代を隔て、福岡県の国立大学の夜間部に行くことになります。大学は九州工業大学ではないかと言われています。しかし残念ながら大学は中退してしまったようです。

犯人の矢野富栄さんは、大学中退後地元でアルバイトをしていました。ドラムやピアノを演奏するバンドで活動していた時期もあったようです。ドラムを担当しており、かなりの腕前だったようです。

しかしバンド仲間と折り合いが悪くなり、バンドを脱退し上京したそうです。

犯人の矢野富栄さんのドラムの実力は相当な物だったようで、なんとプロとしてのデビュー歴もあると言われます。ドラムだけでなくピアノの演奏もしていたようで、聴く者を魅了する実力があったようです。

犯人の矢野富栄さんは、平岡都さんを殺害する前に、前科があったと言います。島根女子大生死体遺棄バラバラ事件を起こす5年ほど前の2004年に、北九州や都内で強制わいせつ事件を起こし逮捕され、実刑判決を受けていました。

面識のない女性に刃物を向け、わいせつ行為を行おうとし、女性に怪我をさせたことで逮捕されています。矢野富栄さんは3つの事件で懲役3年6か月の実刑判決を受けています。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の犯人である矢野富栄さんの家族について見て行きましょう。4人家族のようですが、どのような家族だったのでしょうか？

犯人の矢野富栄さんは四人家族の長男のようです。家族構成は、父、母、弟です。そこまで裕福な家庭ではなかったようです。初めは米屋を営んでいましたが、経営が苦しくなりクリーニング店を始めたようです。

事件が起こる2年ほど前に矢野富栄さんの父親は、病気で亡くなったようです。それに伴い米屋は閉店してしまったようです。

近所の人の話によると、犯人である矢野富栄さんの母親は色白で美人だったと言います。矢野富栄さんが防衛大学に合格した際には、その喜びを近所の人に漏らしていたようです。どうやら自慢の息子だったようで、近所の人に自慢話をされていたようです。

母親が色白で美人だったと近所の人が話しており、犯人である矢野富栄さん自身も目鼻立ちがはっきりしたイケメンだったようです。母親似だったのかもしれません。

イケメンで頭も良かったですが、学生時代あまりモテたり目立っていた様子はなかったようです。

犯人の矢野富栄さんは、強制わいせつ事件で逮捕された前科がありますが、出所した後はどうような生活を送っていたのでしょうか？島根女子大生死体遺棄バラバラ事件に至るまでの数年の矢野富栄さんの生活を見て行きましょう。

強制わいせつで逮捕された矢野富栄さんですが、出所後の2009年にはかつてよく通っていた下関のライブハウスに顔を出したそうです。

「腕を悪くしたからバンド活動はもうできない」と経営者に話したそうです。

犯人の矢野富栄さんは、ミクシ―に自分のページを持っていたようです。ミクシ―上では「dr.よしゆき」と名乗っていたようです。

主に趣味の音楽や仕事のことを書きこんでいました。プロフィールは「とりあえず、何でもいい。メッセージをくれ。話はそれからだ！！」と言う言葉からはじまっています。

その後「警告」とあり、「来る者は拒まず 去る者は地獄の果てまで追って行きます 声をかける際は心して下さい」と高圧的な文章でまとめられていました。

ミクシーに矢野富栄さんが書きこんだ内容によると、ジストニアを患っており楽器を弾くのが困難になったと言います。ジストニアとは筋肉が動きにくくなる病気です。

音楽が好きな矢野富栄さんにとってはそれはショックなことだったでしょう。暗い気持ちになってた時期もあるようですが、治療を再開しようかと、前向きな気持ちになっていたようです。

犯人の矢野富栄さんは2009年5月に、地元の山口県下関市で、ソーラパネル会社に就職します。それまでのフリーター生活から一変し、仕事に力を入れて行ったようです。

仕事態度もまじめで、営業マンとして成績も優秀だったそうです。その成績が買われ、下関の本社から島根県益田市の営業所に転勤になります。

犯人の矢野富栄さんは、被害者の平岡都さんを殺害した後も、いつも通り出社し仕事をこなしていたようです。

しかし、遺体が発見された11月6日の夜、当時勤めていた会社の社長に電話をし「用事があるので、明日から２日間、代休がほしい」と申し出たそうです。事件後休みを申し出たのはこれが初めてだったそうです。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の捜査は、被害者の平岡都さんに恨みがある人間が殺害したと考えられ、徹底的に周辺を調べ上げました。

しかし島根女子大生死体遺棄バラバラ事件発生から３年後の２０１２年に遺体遺棄罪単体での公訴時効を迎えることになります。

そこからは時効のない容疑、殺人罪に切り替えて、平岡都さんを殺害した犯人逮捕に向けて、警察の懸命な捜査は続けられました。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件発生直後、警察は不審な車を見つけていました。事件発生現場の付近を矢野富栄さんの車が走っていたそうです。しかし優先順位は低いと考えられ、捜査対象からは外れていました。

Nシステム（自動車ナンバー自動読み取り機）や防犯カメラに矢野富栄さんが走行する姿が映っていましたが、すでに亡くなっており、善良なる故人としてしか認識されていなかったそうです。

その時点では、警察は前科があった事実を把握していなかったようです。

2016年に入り、警察は性犯罪の可能性が高いと言う見解に達し、再び性犯罪前歴者を捜査しました。その結果、島根女子大生死体遺棄バラバラ事件に関与が考えられる人物として、矢野富栄さんが浮上しました。

矢野富栄さんは島根女子大生死体遺棄バラバラ事件があった浜松市と隣接する益田市に住んでいました。警察は矢野富栄さんについて調べあげますが、すでに交通事故で亡くなっていることがわかったようです。

事件があった広島県北広島町臥龍山(がりゅうざん)付近を、矢野富栄さんの車が走行していたことが、通行記録から明らかになりました。

さらにNシステムには映らない矢野富栄さんの不審な走行姿も確認できたそうです。浜松市の裏道を不自然に走っていたそうです。

警察は矢野富栄さんの自宅の捜査も行っていましたが、「関係者」からUSBメモリーを10月28日に押収し、11月22日にはデジタルカメラを押収しました。

入手経路については「関係者」からとだけ明かされており、警察からは矢野富栄さんが亡くなっているため入手経路は明かせないと、「関係者」についての情報は一切明かされていなかったようです。

しかしその後、実家から押収された物であることが判明しています。

押収されたUBSメモリーとデジカメからは合計57枚の画像が入っていたようです。重複しているものもあったので、それを差し引くと40枚になります。その中には遺体を損壊している様子を写した物もありました。

撮影されていた場所は、当時矢野富栄さんが住んでいた益田市の自宅の浴室であることが判明しました。被害女性を殺害した直接の死因が、それまでの捜査では判明されていませんでしたが、画像データーにより死因の特定にも成功したようです。

平岡都さんを殺害した後、矢野富栄さんは知人に「大変なことになった」と話しています。殺害後も平然と仕事に行っていた矢野富栄さんではありますが、特に逃げる訳でもなく、遺体に関しても見つかりやすい場所に遺棄したと考えらます。

本人が亡くなっている以上、深層心理については分かりませんが、色々な見解が飛び交っていたようです。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件の犯人である矢野富栄さんは自殺したのではないか？と言われています。平岡都さんを殺害した後の、矢野富栄さんの行動を追って行きましょう。

矢野富栄さんは、平岡都さんを殺害し、被害者の遺体が発見された2日後の11月8日午後3時過ぎ頃、山口県美祢市の中国自動車道下り線で事故死しています。その際に母親が同乗していたそうです。警察の調べによると、「自殺ではないか？」とも言われています。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件後、事故当日に矢野富栄さんは近所の人に「墓参りに行く」と言っていたようです。すでに亡くなっている父親の墓参りに行くと、山口県萩市に向かったようです。

事故の際の、ブレーキ痕やスリップ痕はなかったそうです。ガードレールの左右に何度か衝突し、ボンネットから白煙を上げ、路肩に停車しました。発見された時には、黒焦げになっていたそうです。

運転席には矢野富栄さんが、そのそばには母親の焼死体が見つかりました。一説では矢野富栄さんが母親を巻き込んで無理心中したのでは？と言われているようです。

かつては強制わいせつ罪で逮捕されたことがある矢野富栄さんです。その母親が島根女子大生死体遺棄バラバラ事件への関与を疑ったとしても不思議はありません。

さらに母親にとっては矢野富栄さんは自慢の息子でしたので、常に気にかけていたと考えられるでしょう。母親の方から、「事件に関わっていないか？」と問いただしたことも考えられます。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件で、犯人死亡により逮捕に至らず、不起訴処分となった矢野富栄さんですが、事件後残された弟はどうなったのでしょうか？

矢野富栄さんの実家はもともと米屋を営んでおり、米屋があったところには矢野富栄さんの弟が美容院を開店したそうです。しかし島根女子大生死体遺棄バラバラ事件後は「一身上の都合で閉店することになりました」と言う張り紙がしてあったそうです。

事件後は張り紙を残し、消息不明になっているようです。矢野富栄さんの残された家族は弟のみになります。当然大きな事件を起こし通常なら逮捕される訳ですが、被疑者死亡により不起訴処分になってしまったため、すべての怒りは弟にぶつけられるとも考えられます。

矢野富栄さんの弟が地元で暮らすことは到底困難なことでしょう。矢野富栄さんの弟が生きているなら40歳近くの年齢になっているかもしれません。家族もいたかもしれませんが、今どのようにされているのかの情報は全くありませんでした。

犯人が逮捕されているのであれば、怒りの矛先は犯人に向けることが出来るでしょう。しかし矢野富栄さんはすでに死亡しており、逮捕に至りませんでした。被害者の家族の悲しみは計り知れないでしょう。

その怒りも悲しみもぶつける所がなく、その気持ちが晴れることはないでしょう。私たちが出来ることは事件のことを忘れないでいることしかないと思います。

島根女子大生死体遺棄バラバラ事件は被疑者死亡により、逮捕に至らなかった凶悪殺人事件です。このような事件は過去にも何件かありますが、時の流れと共に記憶から徐々に薄れていく物だと思います。

私たちができることは、島根女子大生死体遺棄バラバラ事件のような事件を繰り返さないためにも、その事件の事実をしっかり語り継ぎ、命の尊さを伝えていくことだと思います。

このような残酷な事件を2度と繰り返さないように、事件の真相を知り、しっかり受け止め、自分の子供へそして、またその子供へと語り継いで行って欲しいと思います。