ふてこいの意味とは?関西弁なの?使い方なども例文で紹介

「ふてこい」という言葉、耳にしたことはありますか?知らない人にとってはまったく意味が分からない言葉「ふてこい」について、関西弁なの?ふてこいの意味とは?由来や語源は?などの疑問をすっきり解決します。これを読めばきっとあなたもふてこいマスターに!

ふてこいの意味とは?関西弁なの?使い方なども例文で紹介のイメージ

目次

  1. 1ふてこいは関西弁?意味や使い方をチェック!
  2. 2ふてこいの意味とは?
  3. 3ふてこいの語源や由来は?
  4. 4〇〇こいの意味とは
  5. 5 ふてこいの使い方
  6. 6ふてこい人の特徴
  7. 7ふてこいの英語表現
  8. 8ふてこい以外の面白い関西弁
  9. 9 ふてこいとは無愛想を意味する関西弁

ふてこいは関西弁?意味や使い方をチェック!

初耳の人にとってはおそらくチンプンカンプンの言葉「ふてこい」。何となく関西弁のようなイメージを持っている人も多いと思いますが、ふてこいとはいったいどの地域で使われている言葉なのでしょうか?

また、ふてこいという言葉を耳にしたことがある人もその正確な意味を知っていますか?意外と正確な意味を知らずに「ふてこい」を使っている人も多いかもしれません。

ここでは、具体的な例文を使ってふてこいの正しい意味や正しい使い方をご紹介していきます。ふてこいの意味と使い方をしっかりと理解しましょう。

ふてこいの意味とは?

ふてこいの意味は大きく分けて2つ。一つは「愛想がない、無愛想、可愛げがない」という意味、もう一つは「感じ・態度が悪い、腹が立つ」という意味です。

注意したいのが、ふてこいは単純に見てはっきりと分かることに対しては使われない傾向があります。イメージとしては「〇〇っぽい」や「〇〇な感じ」と似た使い方をします。

例えば、見た目が不器量だったり、不細工だったりする場合に「あの子ブサイクっぽいな」とは言わないと思いますが、同じようにこの場合、「あの子ふてこいなぁ」という使い方はしません。

ふてこいは関西弁

ふてこいとは大阪を中心とした関西圏で使われる関西弁の方言です。奈良県や和歌山県など大阪から少し離れると使われなかったり、意味が通じなかったりする場所もあるようです。

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ふてこいの語源や由来は?

それでは、ふてこいとはいったい何が元の言葉となった方言なのでしょうか。ふてこいの語源や由来を探ってみたいと思います。

「ふてこい」という言葉は愛想がない、感じが悪いという意味だとお伝えしましたが、この意味と「ふて」という言葉から何か思い浮かぶ言葉はありませんか?実は、ふてこいの由来とは「ふてぶてしい」という言葉なのです。

ふてぶてしいってどういう意味?

ふてぶてしいとは「振る舞いや行動が図太く、憎らしいさま。大胆不敵」とう意味の形容詞です。

どちらかというと愛想がないというよりも偉そうで自信たっぷりだったり、ふんぞり返っていたりする人に対して使う言葉です。その点においては、共通語である「ふてぶてしい」と関西弁である「ふてこい」には微妙なニュアンスの違いがあると言えるでしょう。

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ふてこいのもう一つの由来

もう一つふてこいの由来となったのではないかと考えられる言葉があります。それは「太い」という言葉。太いには、体格などの大きさ、幅を表現する意味のほか、「大胆である、落ち着いている」や「ずうずうしい」などの意味があります。

つまり「太い」とは、ふてぶてしいと同じ意味を持つ言葉なのです。実は、もともと「ふてぶてしい」は漢字で書くと「太々しい」です。このことから、ふてぶてしいという言葉が太いという言葉から派生した言葉であることが分かります。

〇〇こいの意味とは

ふてこいの「ふて」の意味が分かったところで、残りの「こい」について考えてみましょう。○○こいという言葉には、脂っこい、ねばっこい、しつこい、なつっこいなど、聞き覚えのある言葉がたくさんあります。

「こい」とは文法的には接尾語と呼ばれ、脂っこい、なつっこいのように「っ」が間に入る場合もあります。

「こい」は「濃し」という形容詞が変化したもので、名詞や性質・状態を表す語句に付いて、その程度や量がはなはだしいという意味を持ちます。例えば、「脂っこい」は油の量が多いことですし、「しつこい」は執拗さがはなはだしいことを表します。

つまり、「ふてこい」の「こい」とはふてぶてしさや太さがはなはだしいことを意味していると考えられます。

ふてこいの使い方

ふてこいの意味や語源が分かったところで、ふてこいの具体的な使い方をチェックしてみましょう。ふてこいとは人物や動物などの様子を表す形容詞として使われます。良いニュアンスで使われる場合もありますし、悪いニュアンスで使われる場合もあります。

例えば、小さな子どもや動物など「可愛げがないところが可愛い」とみなされるパターンが存在しますが、そういった場合に使われる「ふてこい」は良いニュアンスのことが多いです。

関西弁の「アホ」とその他の地域の「アホ」では言葉に含まれる感情がまったくの別物であるように、関西弁は往々にして愛情表現が独特だと言われます。ふてこいにもそんな関西弁独特の「言葉とは裏腹なポジティブな感情」が含まれているのかもしれません。

「ふてこい」を使った例文

それでは、さっそくふてこいを使った具体的な例文をご紹介していきます。関西圏以外の人にとっては使うタイミングはなかなか訪れないとは思いますが、関西弁で「ふてこいなぁ」と言われた時の参考にしてみてください。

例文①あの女はふてこい

男子高校生が数人でおしゃべり中、一人の男の子が「昨日、彼女とケンカしてん。ホンマ、あの女ふてこいわ」と一言。きっと彼女が可愛げのない態度を取ったり、感じの悪い態度を取ったりしたのでしょう。

ふてこいは、このように相手に対してむしゃくしゃした気持ちや苛立ち、煩わしさを感じている時に使われます。

例文②ふてこい態度を取られた

職場や学校など上下関係が発生する集団の中には一人や二人、生意気な態度を取る後輩が存在することも多いもの。

顔を合わせても挨拶をしなかったり、指示を出しても返事をしなかったりと礼儀知らずな態度を取る相手に対して「この前のミーティングの時な、後輩にふてこい態度取られたわ」のように使われます。

例文③ふてこい顔をした猫

ふてこいは人間だけに使われる言葉ではなく、猫や犬などの動物に対しても使われることがあります。「あそこの猫カフェにおる猫、どの子もめっちゃふてこい顔してんねん」といった場合、ぶすっとしたふてぶてしい顔つきを表しています。

動物や赤ちゃんなど言葉での意思疎通ができない相手がふてぶてしい顔をしている時、なんとなく逆に可愛く思えてくるもの。動物や赤ちゃんに対して「ふてこい」という場合は、言外に面白おかしいニュアンスを含んでいることが多いでしょう。

ふてこい人の特徴

誰かに「アンタ、ふてこいなぁ」なんて言われたことはありませんか?どういった人を指してふてこいというのでしょうか。ふてこい人の特徴をご紹介します。自分がふてこい人間になっていないかチェックしてみてください。

愛想がない

挨拶しても無言で会釈を返すだけだったり、話しかけても適当な相槌だけで話を広げようとしなかったり。そんな不愛想な人はふてこい人の特徴に当てはまっています。

特に目上の人や年上の人からすると、自分よりも歳が若かったり、立場が低かったりする人の愛想が悪いのは腹が立ちやすいもの。職場や学校などでの自分の行動を振り返ってみましょう。

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生意気である

愛想がないことと同じく生意気であることもふてこい人の特徴です。口答えをする、睨みつけるなどの行動は立場が上の人からすると非常に不愉快なもの。

往々にして「ふてこい」とは他人を評価する時に使う言葉なので、あなたが評価される立場の場合、普段から生意気な態度を取っているとふてこいとみなされてしまう可能性があります。

発言に遠慮がない

誰かに何かを伝える際、オブラートに包まずにズバッと口に出してしまう人がいます。口にした側には悪気はないことが多いのですが、言われた方からすると「あいつ何様?」となってしまいます。

遠慮せずに堂々と発言をすることは悪いことではありませんが、時と場合によっては偉そうと捉えられることも。そんな時、「あいつは偉そうでふてこい奴だ」と言われてしまうことがあります。

図々しい

ふてこいの語源であるふてぶてしいの意味である図々しいというのもふてこい人の特徴です。

例えば、みんなで分けるお菓子などを、余っているからといって一人だけたくさん取っていたりしませんか?なんでもかんでも欲しがる人のことを「図々しいやつだなぁ」という意味で「ふてこいやっちゃ」ということがあります。

コミュニケーション力が低い

コミュニケーション力が低い人にとっては、会話はおろか、普段の日常的な挨拶さえ難しい場合があります。当の本人からすれば故意に不快な態度を取っているつもりはなくても、相手からすると不愛想でイヤな奴、つまり「ふてこい奴」だと取られてしまいます。

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無表情である

怒ってもないのに人から「怒ってる?」と聞かれる人も要注意。自分ではそんなつもりはなくても、表情がムスッとしていて怒っているように見えている可能性があります。

ふてこい人の特徴は感じや態度の悪い人。無表情の人の場合、他人から見ると感じが悪いと思われているかもしれません。

ふてこいの英語表現

日本語ではふてこいは「愛想がない、無愛想、可愛げがない」、「感じ・態度が悪い、腹が立つ」という二つの意味を持つ言葉でしたが、英語にも同じような意味を持つ単語があるのでしょうか。

「愛想がない、無愛想、可愛げがない」と「感じ・態度が悪い、腹が立つ」の意味に加え、ふてぶてしいという言葉に含まれる「図々しい、図太い」という意味の英語も合わせてご紹介します。

「無愛想」の意味を持つ「unfriendly」

愛想がない、無愛想という意味では英語の「unfriendly」が当てはまります。「友好的な」という意味を持つ「friendly」に否定を意味する接頭辞「un」がくっついている言葉です。

「不機嫌な」の意味を持つ「nasty」

直訳すると「nasty」は「不潔な、不快な」という意味ですが、「あの人、感じ悪いなぁ」と言いたい時に「That person is so nasty. 」と言うことがあるようです。

「図太い」の意味を持つ「bold」

「bold」の意味は「大胆な、勇敢な、図太い、図々しい」です。日本語における「太い」とほとんど同じ使い方をします。

ふてこい以外の面白い関西弁

ふてこいについて意味や語源、使い方などを見てきましたが、実は関西弁にはふてこいの他にも面白い方言が存在します。ここでは、ふてこい以外の面白い関西弁をご紹介。あなたの知っている言葉も出てくるかも?

しらこい

一つ目は「しらこい」です。関西出身の芸人さんが使うことで耳にしたことがある人も多いかもしれません。しらこいとは元々の言葉は「白々(しらじら)しい」。「知っているのに知らないふりをしやがって!」と言いたい時に使う言葉です。

例えば、ぶりっ子な女の子が「赤ちゃんってどこから来るの?」と言ったとしましょう。そのような時に「しらこいなぁ」や「しらこい顔して」などと使います。

なれこい

「ふてこい」が「ふてぶてしい」、「しらこい」が「しらじらしい」なら「なれこい」は?そう「なれこい」の語源は「なれなれしい」です。

まだあまり仲良くなってもいないのにいきなり距離を詰められた場合などに用いられる言葉で「この前引っ越してきたAさん、昨日いきなり家に上がり込んで来てん。あの人、ホンマなれこいわ」のように使われます。

ひやこい

「ひやこい」の「ひや」は「お冷(ひや)」の「ひや」です。お冷とは飲食店などで出てくる冷たい水のことで、「冷」には言葉通り冷たいという意味があります。つまり「ひやこい」とは「冷たい」という意味を持つ言葉。

「ふてこい」と「ふてぶてしい」の関係のように「ひやひやしい」とは変化しませんが、「ひやひやする」という言葉なら聞いたことがあるのではないでしょうか。「ひやひやする」は「冷や冷やする」と書き、冷たい感じがするさまを表す言葉です。

「冷たい」を表す方言は各地にあり、例えば北海道や青森では「しゃっこい」、埼玉や福島では「ひゃっこい」、広島や岡山では「ひやい」などが使われます。

ほかす

「ほかす」とは漢字で書くと「放下す」です。意味は「放る」とまったく同じ。関西では「ゴミを放っておいて」と言う時に「ゴミをほかしといて」と言います。

「放下」という言葉は「ほうか」とも読み、元は仏教の言葉で「一切の執着を捨て去ること」とされています。そこから、単純に物を投げ捨てることの意味へと派生していったのではないかと考えられます。

つまり関西弁の「ほかす」は「ほうかする」が縮まった言葉。語源を知ると思わずなるほど!と言いたくなる言葉です。

でぼちん

「でぼちんを打つ」。意味を知らなければ、まったく何を意味しているのか分からない言葉ではないでしょうか。でぼちんとはズバリ「おでこ」のこと。つまり、「でぼちんを打つ」とは「おでこを打つ」という意味です。

でぼちんは関西だけでなく九州などでも使われることのある言葉のようなので、意外とたくさんの人が意味を理解している言葉かもしれません。

ふてこいとは無愛想を意味する関西弁

いかがでしたか?ふてこいという言葉について、意味と語源、使い方やふてこい人の特徴などをご紹介しました。

ふてこいとは愛想、可愛げのないことや、態度が悪いことを指す関西弁です。関西出身の人でなければ説明を聞いてもピンとこないかもしれませんが、ふてこいの語源がふてぶてしいであるということを覚えていれば、なんとなく意味を掴めるのではないでしょうか。

ふてこいとはあまり良い評価ではありません。気付かないうちに自分がふてこい人間になっていないか、今回の記事を参考にしてチェックしてみてください。

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