ブラジルの治安が悪い理由!治安状況や危険度・注意点も紹介
ブラジルはなぜ治安が悪く危険なのでしょうか。今回はブラジルの治安が悪いと言われる場所の危険情報、また、ブラジルでおすすめの安全な観光地をご紹介します。日本に比べてかなり治安が悪いとされるブラジルの治安状況や危険度、注意点を見ていきましょう。
目次
ブラジル旅行は危険?なぜ治安が悪いの?
ブラジルに旅行に行きたいと考えている人は多いのではないでしょうか?ブラジルでは最近、リオデジャネイルオリンピックも開催されましたし、リオのカーニバルや、コルコバードのキリスト像など、都市景観の世界遺産が有名な大都市です。
今回はブラジル治安や危険な理由、危ない都市などをご説明します。最新の治安情報をもとにブラジルを旅行することをおすすめします。ブラジルでも、特にリオデジャネイロという大都市は治安が悪いというイメージが強いようです。
2015年には、リオでの強盗事件は81740件起こっています。この数字は、市民80人中1人は強盗の被害にあっているという計算になります。これではブラジルの治安は悪いということは避けられないでしょう。ブラジルの治安状況や危険度、旅行する際の注意点を見ていきましょう。
ブラジルとはどんなところ?
ブラジルは南米大陸でもっとも広い国土を持つ国で、サッカー、サンバやカーニバルなどが有名な国です。ブラジルの国土の面積は、日本の約3倍にあたる854.7万㎢もの広大な面積です。ブラジルの人口は日本の2倍程度、約2億人で、国土、人口ともに日本よりはるかに大きな国となっています。
ブラジルの広大な国土には沢山の絶景スポットから観光資源があり、都会的な街並みまで様々な顔を持つ国です。ブラジルの首都はブラジリアという都市で、リオデジャネイロと勘違いされることも多いです。ブラジルは首都が3回ほど変わっており、現在のブラジリアに遷都される前は、リオデジャネイロが首都になりました。
ブラジルの有名な観光スポットはイパネマのビーチ、イグアス国立公園、コルコバードのキリスト像など、自然豊かな観光の名所がたくさんあります。また、サッカーやリオのカーニバルなど、情熱的なイベントは、熱気がムンムンするブラジルでは、身体で体験することが出来ます。
ブラジルの治安が悪い理由
そもそも日本の裏側の国、ブラジルの治安はなぜ悪いのでしょうか?オリンピックが開催され近代化された大都市の割には犯罪件数が異常に多く、治安がいい国とは言えません。ブラジルの治安がなぜ悪いのかその理由についてご説明します。
貧富の差
ブラジルが治安が悪く危険だと言われる要因の一つに、貧富の差があります。かつてブラジルはポルトガルの植民地でした。そのころからの格差社会が現代のブラジルにも影響しています。
ブラジルの頂点に存在するのは白人、次に混血、そして奴隷としてブラジルに連れてこられたアフリカ系黒人や先住民は最下層となっています。そこから発生する経済格差がものすごく大きいのです。
相続税が低いなど、富裕層にとっては累計課税の負担額が軽く、お金持ちはいつまでたってもお金持ちでいられます。反対に貧困層もいつまでたっても苦しい生活を強いられるのです。この格差のために生活に苦しむ貧困層の人間たちが生きていくために犯罪を犯すため、治安が悪くなっていると考えます。
ギャングの存在
ブラジルには1993年にサンパウロにて発足した巨大なギャング組織、プリメイロ・コマンド・ダ・カピタルを筆頭に無数のギャング組織が存在します。ブラジルのサンパウロ刑務所と無数のファベーラにギャング組織は展開し、恐喝や誘拐などを通して、相手に恐怖心を抱かせています。
2006年5月に、サンパウロ市全域を一週間にわたり機能停止させ、警官を殺したり政府の建物に火を放ったりして、その過激さはブラジル中で恐れられています。旅行客などがブラジルのギャングに狙われればひとたまりもないでしょう。
ブラジルのファベーラ(スラム街)周辺は、ギャングたちの巣窟となる危険な地域です。ブラジル旅行に行った際は危険なのでファベーラ周辺にはうかつに近づかないように注意しましょう。
腐敗した政府
ブラジルが治安が悪く危険だと言われる要因に、腐敗した政府が原因だと言われています。ブラジル大統領をはじめ政治家たちの汚職問題がブラジルでは後を絶ちません。
そのためブラジル政府は機能しなくなり、ブラジルという大きな国をコントロールする力が弱まっているのです。そんなブラジル政府に不満を持つ国民が多く、ブラジル国内各地でデモ活動が頻繁に行われています。そしてその都度、警察と国民が衝突して、多くの被害者が出ます。
それらの要因が重なって悪循環を生み出し、国内の雰囲気が悪くなっているのです、ブラジルに旅行に行く際は、各地で行われている危険なデモに巻き込まれないように注意が必要です。
ブラジルで治安が悪い危険な地域5選
ブラジルで起こる多くの犯罪は旅行客がターゲットになる確率が高いです。おのずと観光エリアは危険地帯となり犯罪率が高くなります。
また、ブラジルでは夕方以降の犯罪率が発生する割合が高くなっていきます。ブラジルに旅行する際にどの地域が犯罪率が高く危険で注意が必要なのか見ていきましょう。
フラメンゴ地区
リオデジャネイロ中心街に隣接の馴染みのフラメンゴ地区から、2週間ぶりにバーハ地区に引っ越し完了。
— ケイタブラジル™ KTa☆brasil™ (@KTa_brasil) September 6, 2016
部屋は綺麗ですが、窓があまり開かず、風通しが悪い(笑)
これから今年のカルナヴァルで打楽器隊参加出場したヘナセールのリハ、タンキへ pic.twitter.com/cPbUvdG6cr
ブラジル旅行に行く際に注意しなければいけない危険な地域一つ目はフラメンゴ地区です。フラメンゴ地区はストリートチルドレンや浮浪者が多く集まっている地区で、旅行者が狙われやすい危険で治安の悪い地区のひとつです。
アテホ・ド・フラメンゴ公園は、夜間、人通りも少なくなるため、旅行者が強盗被害にあう確率が高くなり危険で治安の悪い地区です。【危険度】★★★★
.ボタフォゴ地区
ブラジルのボタフォゴ地区も治安が悪く、危険で注意が必要な地区のひとつです。日系企業の事業所が多数存在するボタフォゴ地区は、事務所や商店を狙った侵入強盗事件が増加傾向にあります。
日本人旅行者を狙う犯罪も多数発生しているのでブラジル旅行に行った際は最も注意が必要な地区のひとつです。【危険度】★★★★
コパカバーナ・イパネマ海岸
ブラジルのコパカパーナ地区、イパネマ海岸地区も治安が悪く注意が必要な地区のひとつです。警備員や警察官が多く配置されていますが、海岸道りで夕暮れ時には外国人の旅行者を狙った強盗事件が多発しているので注意が必要です。
犯行の大半が未成年者のグループによるもので、特に浜辺の一人歩きは大変危険なので注意が必要です。【危険度】★★★
コルコバードの丘・ポン・ジ・アスーカル
ブラジルのコルコバードの丘・ポン・ジ・アスーカル、この二か所はリオデジャネイロでもっとも有名な観光地で、市警察官や軍警察官が配置されていますが、旅行者を狙ったひったくり、置き引き等が多発する治安の悪い地域です。
コルコバードの丘へ登る登山道では、拳銃を使用する強盗事件が多発しています。なるべく登山電車を利用する方が安全だと言えるでしょう。
また、旅行者をターゲットにして、法外な値段でガイドを申し出る違法業者も多く存在するので注意が必要です。【危険度】★★★★
セントロ地区
ブラジルのセントロ地区も治安の悪い危険な地域のひとつです。セントロ地区では、旅行者や観光客を狙った路上強盗が多発しています。最近の事件では、建物の写真を撮影しているときに、後ろからいきなり突き飛ばして、転倒しているわずかな隙に所持品をすべて奪われる事件が多発しています。
セントロ地区のバスターミナルの中では、バスを降りた旅行者をターゲットにして、置き引きが多発しています。【危険度】★★★★
ブラジル旅行での注意点
ブラジルは世界的に見ても治安の悪い国です。しかし、ブラジルは日本からの移民や旅行客も多い国です。治安の悪いブラジルに旅行に行った際にはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
治安の悪い国、ブラジルに旅行に行ったときの注意点をまとめました。
置き引き・ひったくり
治安の悪いブラジルに限らず、海外旅行で日本人が狙われやすい犯罪のひとつが置き引きとひったくりです。日本と同じような感覚で自分の荷物から離れたり目を離したり、油断したときにあいやすい犯罪です。
単独で観光客の荷物を持ち去るだけでなく、観光客に話しかけている隙に別の人が荷物を持ち去る、という複数犯の手口による犯行や、観光地に目を向けて無防備になっているところを狙ったひったくりが多発しています。
ポルトガル語で話しかけられてもあまり相手にせず、自分の荷物から目を離さないようにしていることと、手荷物はしっかりと持つように注意が必要です。
フーリガン
【フーリガンも】お母さんには逆らえない?ブラジルで暴動の対策にファンの母親を招待 http://t.co/aEOdrzqJHe サポーターの暴徒化に困っていたレシフェは、サポーターの母親をスタジアムに招待し警備にあたってもらいました。 pic.twitter.com/XgmNdKough
— サッカーキング (@SoccerKingJP) February 11, 2015
ブラジルではフーリガン同士の暴力行為が日常茶飯事で起こっています。サッカーの試合での暴力行為で1年間に132人がけがをして19人が命を落とすという、そんなブラジルではフーリガン対策が敷かれています。
フーリガンが暴れ出せば、ガードマンや警官もなかなか止めることはできません。興奮して暴徒と化したフーリガンは街に火を放ったり、暴力行為を起こしたりと手が付けれません。
ブラジルに旅行に行ったときは、フーリガンの暴徒に巻き込まれないように注意が必要です。
デモ
ブラジル、年金改悪反対でゼネラルストライキ
— ユニオンしずおか (@6skuKefV7o3DTKk) June 15, 2019
4500万人(全就業者約9000万人の半数!!)が参加
200近いデモ、100都市以上がストの影響を受けた
これまで定年制がなく平均55歳でリタイアしていたのを、男性65歳、女性62歳定年制度化、年金支給開始年齢の大幅に引き上げる改悪https://t.co/jXCHBzjdWm
ブラジルやサッカーの盛んな国はフーリガンの暴動がありますが、気を付けるのはフーリガンだけではありません。ブラジルでは政府に不満を持つデモがあちこちで頻繁に起きています。
デモ隊の郡警察、政府との抗争に巻き込まれないように注意が必要です。そういったデモ情報は、あらかじめアナウンスされるものなので情報をこまめにチェックしてください。
ブラジルに旅行する際の安全策
治安の悪いブラジル国内では、様々な犯罪に巻き込まれる場合が多いです。特に都市部などは、ファベーラ(スラム街)が近くにあることも影響して治安が悪くなりがちで、ひったくりやスリなどの犯罪が日常的に発生しているのが現実です。
ブラジルでそのような犯罪に巻き込まれないためにも、ブラジルに旅行に行く際は十分な治安対策が必要です。ブラジルで犯罪に合わないために様々な治安対策方法をご説明します。
時計や指輪は身に着けない
治安の悪いブラジルの街中を歩くときは、高価な時計や指輪は身につけないようにしましょう。また、カメラやスマートフォンもスリやひったくりには狙われやすい所持品です。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、少し前まではカメラを首からかける旅行者をよく見かけました。高価な時計や指輪、スマートフォンやカメラは持っているだけで強盗やひったくりの格好の的となります。
観光客をアピールして、狙ってくださいと言っているのと同じことなのです。治安の比較的良いブラジルの都心部を歩くときでも高価な指輪や時計は外しておきましょう。観光地で写真を撮るときもカメラを使用した後はしっかりとバックにしまい、目につかないようにするのが大切な治安対策です。
ファベーラには近寄らない
ブラジルに旅行に行ったらファベーラ(スラム街)には絶対に立ち入らないようにしましょう。ブラジルは貧富の差が激しく、高級リゾート地や高級住宅街のすぐそばにファベーラと呼ばれるスラム街がたくさん存在します。
ブラジルのファベーラは世界的に見ても非常に治安が悪く危険な場所です。ブラジルに住む地元の人々でも近づかない場所で、警察の力すら及ばない場所もあります。最近ではファベーラをめぐるツアーなどもありますが、ツアー中、拳銃で撃たれたという事件も発生しています。
ファベーラに立ち入る際は、必ず現地の人間と複数で行動するようにしましょう。どんなに治安のよい国でも、スラム街に興味本位で近づくことは非常に危険であり、治安の悪いブラジルならなおさらです。
人通りの少ないところへは行かない
ブラジルでは比較的治安のよい都心部でも人通りの少ない場所には一人で近づかないようにしましょう。日本の感覚で明るいからと言って人通りの少ない場所で単独で行動するのは強盗やひったくりに狙ってくださいと言っているのと同じです。
もしもブラジルで強盗に遭遇してしてしまったら、絶対に逆らってはいけません。銃犯罪の多いブラジルでは人を打つことをためらわない凶悪犯が多くいます。そう言った強盗の被害にあわないためにも人通りの少ない場所には近づいてはいけません。
また、日本語で大きな声で話すのもNGです。日本人はお金持ちと思われていることがほとんどで、日本人観光客はブラジルでは狙われやすいです。
移動はタクシーを利用する
ブラジルではどこにいても犯罪に巻き込まれる可能性があります。そんなブラジルではバスや電車の利用は避けて、タクシーを利用するようにしましょう。
密室に大人数という状況が日本人観光客には相当危ない環境です。気が付いたら財布がなくなっていた、すれ違いざまに荷物をひったくられたなどのスリやひったくりの被害にあうことは目に見えています。
治安対策していてもどうしても被害にあってしまうので、すぐ近くの距離だったとしてもなるべくタクシーを利用するようにしましょう。また、ぼったくりの白タクも多く存在するので、タクシーを利用するときは事前に調べておいて信用のあるタクシーを利用するようにしましょう。
両替は大きな建物内のものを利用する
無事にビザを受け取り、向かいのブラジル銀行でレアルに両替してきました。これでだいぶ準備は整った!……ような気がしたけど、これとフライトの予約以外はまだ何もやっていないので、気がしただけでした。つーかヒゲw pic.twitter.com/7s6dITi4ii
— 郷野 聡寛 Akihiro Gono (@AkihiroGono) December 17, 2015
最近ではスマホ決済やクレジットカード決済などが発達し、旅先で現地のATMを利用する人が増えました。しかし、ブラジルではATMや両替所なども、ブラジル国内の治安のよい地域でも注意が必要です。
スキミングの被害やATMからおろしたお金を狙った強盗などの犯罪リスクを考が考えられます。ブラジルの都市部は発達した都会なのでATMなどを利用する方が便利な場合もありますがリスクもあります。
ブラジルで現金を下ろしたり両替したりする際はできるだけ大きな建物を利用することをおすすめします。
なるべく外でスマホは使用しない
日本人旅行客がやってしまいがちな行動がスマホを路上で使用するということです。海外でスマホ、特にiphoneは高級品として認識されています。
ブラジルのように貧富の激しい国では、治安のよい地域でもスラム街側の人間がうろうろしています。スマホはひったくりやスリのターゲットになりやすいのです。犯罪のターゲットにされないために路上でスマホを使用することはやめましょう。
また、使用しなくても手に持っているだけでターゲットにされてしまいます。スマホは貴重品であり、パスポートやお金同様に扱うようにして治安対策しておきましょう。
ブラジルの観光スポット3選
ブラジルは治安あまりいいことはありませんが、悪いところばっかりではありません。ブラジルには世界遺産に登録されるような素晴らしい観光スポットなどが多く存在する美し国です。
ブラジルの観光スポットをいくつかご紹介します。
1.サルバドール旧市街
サルバドール旧市街にあるアフロな教会の日曜ミサはひたすら素晴らしい pic.twitter.com/87YQrQHfK9
— akiko sasaki (@aquicot_s) April 28, 2019
ブラジルの北東に位置するバイーア州という州の州都「サルバドール」1760年代までブラジルの首都で、ポルトガルからの植民地時代にはアフリカから多くの奴隷たちが連れてこられました。
その玄関口だった場所が、サルバドールです。民族の融合によって独特の文化が生まれ、現在ではサルバドールは文化の首都と言われています。
その中でも、ペロウニーニョの街並みは、世界文化遺産に登録されている、サルバドール・デ・バイア歴史地区の一部となっています。
2.イグアスの滝
アメリカのナイアガラの滝、アフリカのヴィクトリアの滝と並んで世界三大瀑布として知られている南米のイグアスの滝。アルゼンチンとブラジルの国境に位置しており、その両国側から滝の大迫力を満喫することが出来ます。
目の前で轟音を立てて流れ落ちる滝の迫力は想像以上で、その水量は世界三大瀑布の中でもダントツだと言われています。
3.リオのカーニバル
世界最大のお祭りとして有名な、リオのカーニバル、カーニバルの時期ともなると世界中から観光客が押し寄せて、ブラジルの町はとてつもない盛り上がりでお祭り騒ぎとなります。
一般的にリオのカーニバルと聞いて想像するのが、リオの中心地にほど近いサンポードロモと呼ばれる会場のパレードです。華やかな衣装のダンサーたちや重低音の打楽器隊が観客を魅了します。
ブラジルに旅行に行くときは万全の治安対策で
ブラジルは日本に比べてかなり治安の悪い国ということは確かなことですが、美しく情熱的で、見どころの多い国ということも確かなことです。
もしもブラジルに行こうと思うなら、治安対策を万全にして、何があっても油断しないことを心がけましょう。