デトロイトの治安は悪い?現状や旅行の危険度や注意点も紹介
今回はデトロイトの治安について紹介します。デトロイトというと、なんだか治安が悪いイメージがあります。デトロイト治安は、そこまで最悪なのでしょうか。デトロイト治安の悪さを地域別に解説します。また観光旅行で注意するべき点などをまとめていきます。
目次
デトロイトへの旅行は危険?治安の現状は?
今回はデトロイトの治安について紹介します。デトロイトというと、治安が悪いというイメージを持っている人も多いでしょう。
映画などでも治安が悪いというイメージで舞台になっている事が多いので、デトロイトなんて、旅行に行くことはできないと思っている人も多いかもしれません。
治安が悪いイメージがあるデトロイトですが、本当にそこまで治安が悪い地域なのでしょうか。デトロイトに旅行をするなら、注意した方がいい地域などをまとめてみましょう。
デトロイトとはどんなところ?
怖い街というイメージがあるデトロイトですが、そもそもは自動車産業が栄えた都市でした。アメリカのミシガン州の南東部に位置する場所で、日本の空港からはおよそ12時間で行く事ができます。
現在は自動車産業の他に、医療や全米最大規模ともいわれるロボット産業などで注目されている都市です。ダウンタウンには、高層ビルが建ち並んでいるのが、デトロイトになります。
観光スポットもたくさんあり、ビジネスだけではなく、観光としてデトロイトを訪れる日本人旅行客も多いようです。
デトロイトの治安はかなり悪い?
日本人旅行客も多いと言われるデトロイトですが、治安はかなり悪いと言われています。犯罪の発生率が、アメリカの中でも高いのだそうです。例えば殺人事件です。殺人事件だけみてみても、アメリカ全土の平均の、およそ9倍の発生率があるようです。
アメリカの犯罪発生率の中でも高いと言われているのは、殺人事件だけではありません。車両窃盗や、強姦などの犯罪率も高いのだそうです。
スリや置き引き、ひったくりなどは日常茶飯事で起こっていると言われています。アメリカの中でも、犯罪の発生率が高い国として、とても注意をしなければいけない地域と言えるでしょう。
デトロイトはなぜ治安が悪くなった?
デトロイトはアメリカの中でもかなり治安が悪い国だと言われていますが、そもそもはどうして治安が悪くなってしまったのでしょうか。デトロイトの歴史についてみていきましょう。
1967年の人種暴動
デトロイトの治安が悪くなったのは、1967年の事でした。人種がたくさんいるデトロイトで、アフリカ系アメリカ人による暴動が始まりました。それまでも諍いは起きていたようですが、集団で暴動が起こったのはこと年で、多くの死傷者が出たと言われています。
黒人が多いアフリカ系アメリカ人が暴動を起こしたことで、白人がデトロイトから逃げていく、ホワイト・フライトをいう現象が起こりました。
人が暴力的になる背景には、貧困の問題があります。デトロイトは自動車産業で栄えていましたが、それに陰りがみえてきた事も暴動の原因なのではないかと言われています。さらに1970年代に日本車がアメリカに入ってきた事で、デトロイトの経済は下降の一途をたどる事になります。
警察や消防も資金難
デトロイトの主な収入源であった自動車産業の低迷により、デトロイト自体の資金難に陥るようになります。アメリカは、治安悪化を打開するために、ダウンタウン周辺の高層ビル建設にとりかかりました。しかし結果的に経済は向上せず、治安も悪いままとなります。
建設を始めたものの、資金難から途中で放置された建物や、建設されたものの誰も使う事がないまま荒廃したビルが、ゴーストタウン化していきます。
資金難から、警察や消防も人員や設備不足が続きます。火事が起こっても消防車を出動させられない、犯罪が起きても警官が足りないなどから、治安はさらに悪い方向へと向かっていきます。
都市が衰退し廃墟が増える
自動車産業の低迷で、廃業する会社が増えていきます。治安も悪いため、ベットタウンになる事もできず、都市はどんどん衰退していきます。
壊れたビルは壊れたまま、燃えた建物は燃えたまま放置されていき、廃墟と化す建物が増えていきました。周りが廃墟ばかりになり、繁栄していたデトロイトは、ゴーストタウンと呼ばれるまでになってしまいます。
デトロイトの地域・場所別治安状況
デトロイトの治安が悪い理由となった歴史を振り返ってみましたが、現在のデトロイトの地域の治安はどうなのでしょうか。デトロイトの地域別の治安についてもみてみましょう。
ダウンタウン
デトロイトにあるダウンタウンは、デトロイトの中でも治安が比較的良いほうだと言われています。ただし、デトロイトの中ではいいというだけで、注意しなければいけない地域に変わりはありません。
日中はオフィス街なので、人通りもありますが、夜間は一気に人通りがなくなります。夜間は治安が悪い危険な地域になるので、夜の観光はおすすめできません。
デトロイトのオフィス街ですが、殺人事件もよく起こる地域です。日中であっても、メイン道路ではない路地裏などに1人で行くのはとても危険です。
【危険度】★★★★
コボ・センター
様々なイベントが開催されるのが、コボ・センターです。デトロイトのダウンタウン周辺、デトロイト川に面して建っている建物です。
イベントがある時は人もたくさん集まっていて賑やかです。スリや置き引きに注意する必要はあるものの、警備体制も敷かれているので比較的安心して旅行を楽しむ事ができます。
しかしイベントがない時は、人気がありません。治安としては悪い方になるので、イベントがない時は日中でも近づかない方がいい場所になります。
【危険度】★★★★
コメリカパーク球場
コメリカパーク球場は、アメリカのメジャーリーグ、デトロイト・タイガーズの本拠地です。メジャーリーグが好きな人は、ぜひ訪れたい場所でしょう。試合が行われている時には、スリや置き引きに注意をすれば問題ありません。
ただし、試合が終わったらできるだけ早く帰った方がいい場所です。試合後には、パトロールしている警察官がいなくなるため治安が悪くなります。試合後なので、小さな小競り合いやトラブルが起こっている場合もあるでしょう。巻き込まれる前に離れるようにするのが賢明です。
コメリカパーク球場からは、タクシーを使って移動するのもいいでしょう。試合が夜間の場合は、ホテルが近くであったとしても、タクシーでの移動がおすすめです。
【危険度】★★★★
サウスフィールド
もともとサウスフィールドは、デトロイトで白人たちが住んでいる、富裕層の地域でした。白人たちが逃げ出したため、現在ではアメリカ系アフリカ人が多く住んでいるそうです。
日中であれば、心配するほど治安が悪いわけではありません。しかし夜は危険な地域になります。車上荒らしや強盗事件が起こる地域です。銃を使った犯罪に巻き込まれる可能性もあります。夜は絶対に近づかないようにしましょう。
【危険度】★★★★★
ブラシパーク地域
ブラシパーク地域は、映画などにも登場するゴーストタウン化した建物が多くあるエリアです。観光旅行で訪れた人の中には、そんなゴーストタウン化した街の写真が撮りたいと訪れる人もいるようです。
映画にも登場した街なら行ってみたいという気持ちはわかります。しかし治安はとても悪いので、とても危険です。
面白半分で写真を撮影していて、因縁をつけられるという事もあると言われています。犯罪に巻き込まれないためには、犯罪に巻き込まれそうなところに近づかない事も大切です。
【危険度】★★★★★
デトロイトでの安全対策
治安が悪いデトロイトには、観光旅行で行かない方がいいのでしょうか。しっかりと安全対策をして、注意をしておけば、治安が悪いデトロイトでも旅行を楽しむ事ができます。デトロイトでの安全対策とはどんなものなのでしょうか。
夜は出歩かない
デトロイトの観光旅行を楽しむためには、夜は出歩かないという事が大切です。昼は治安が良いと言われている場所でも、夜になると危険になる地域はたくさんあります。
どうしても夜に出歩かなければいけない時は、必要のない場所には絶対に行かないようにしましょう。イベントであれば、警察官などがパトロールをしていてくれますが、お土産を購入するために誰かがあなたを守ってくれる事はありません。
日中できる事は、無理に夜行わない事が大切です。夜も危険ですが、早朝も危険になります。人が出歩いていない時間は、外に出ないようにしましょう。
高級品は身に着けない
せっかくの海外旅行だからと、気合いをいれて服を購入する人がいますが、あまりにも高級なものを身につけるのは危険です。高級ブランドの服や、高級ブランドの時計、アクセサリーなどは、犯罪に巻き込まれる可能性があるアイテムです。
あなたの身につけているものを盗むために、傷つけられてしまう事があるかもしれません。おしゃれなレストランで食事をするためにおしゃれをする時以外は、できるだけカジュアルな服装で、必要最低限のものを持参して観光を楽しむようにします。
くれぐれもブランドものの紙袋を持って歩かないように、十分に注意しましょう。
危険地域の写真を撮らない
観光旅行に来た人は、危険地域の写真を撮影したいと思う事が多いようです。しかし写真を撮影するためには、治安が悪い危険な地域に出向かなければいけません。
自分から治安が悪いところに行くのは危険です。どんなに注意をしていても、複数人で襲われてしまったら命の保証さえしてもらえないかもしれません。
危険だから近づいてはいけないと言われている地域では、何が起こるかわからないから危険なのです。近づくなと言われている場所には、好奇心で近づかないように注意してください。
車に荷物を置いておかない
デトロイトでレンタカーを借りるという旅行者もいるでしょう。レンタカーを借りた時には、車の中には荷物を置かないようにしましょう。バックのようなもの、かばんのようなものが車の中にあれば、車上狙いにあう可能性は高くなります。
車の中に金目のものがあると思われれば、車上狙いにあう可能性は十分あります。車を停車してどこかに出掛けている間に車上狙いにあうこともあれば、赤信号で停まった時に突然車に乗り込んでこられる場合もあるようです。
車に乗っている時には鍵をしっかりとかける事、できれば警備員がいる駐車場に停めるようにするという事が大切になります。
デトロイトの観光スポット3選
デトロイトでは、注意しなければいけないと言われている事を守れば、楽しく観光旅行を楽しむ事ができる場所です。ではデトロイトの観光スポットはどこになるのでしょうか。
1.モータウン歴史博物館
音楽が好きな人なら、デトロイトに観光で訪れた時にはモータウン歴史博物館に行く事がおすすめです。アメリカ人も多く訪れる観光スポットです。
2.デトロイト美術館
デトロイト美術館も、デトロイトに観光で来た時には是非訪れたい観光スポットです。アメリカの芸術や古代ギリシャの芸術作品などを見学する事ができます。
3.ガーディアンビルディング
ガーディアンビルディングも、デトロイトのおすすめ観光スポットです。ガーディアンビルディングは、ダウンタウンにある建物で、ビルの中にモザイク壁画などがあります。週末は無料のツアーがあるので、そのツアーに参加するのがおすすめです。
デトロイトで犯罪に巻き込まれたら
デトロイトに限らず、海外ではどんなに注意をしていても犯罪に巻き込まれてしまう事もあります。もしもデトロイトで犯罪に巻き込まれてしまったら、どうするといいのでしょうか。
まずは現地の警察署へ
財布を盗られてしまったなど、犯罪に巻き込まれた時には、まずは現地の警察署に行きましょう。外国語が苦手な人は、観光地の警察署へ行くと対応がスムーズだと言われています。
デトロイトには日本国総領事館がある
犯罪に巻き込まれてしまったけれど、どうしたらいいのかわからないという時には、デトロイトにある日本国総領事館でアドバイスをもらう事ができます。例えば、パスポートを落としたり盗られたりしてどうしたらいいのかわからないという時、手続きの仕方を教えてもらう事です。
注意をしなければいけないのは、日本国総領事館ができる事には限ります。アドバイスはしてくれますが、日本国総領事館がパスポートを再発行できるわけではありません。
お金を盗られてしまったから貸して欲しいというお願いも、恐らく無理でしょう。日本国総領事館ができるのは、アドバイスなのだと覚えておく必要があります。
民間の相談窓口を利用する
海外で困った時に頼りになるのが、民間の相談窓口です。旅行のツアーで訪れているのであれば、ツアー会社に相談してみましょう。
海外旅行の保険に加入しているのであれば、さらに手厚くサポートをしてもらう事ができるはずです。民間の相談窓口であれば、24時間受付てくれるところが多いでしょう。
デトロイトへの旅行に出発する前に、どんなサポートを受ける事ができるのか、改めて確認しておくと安心です。
デトロイトの治安は悪い!
今回はデトロイトの治安について紹介しました。デトロイトの治安は、日本の治安と比べると、格段に悪い事がわかります。しかし旅行にいけないほどでもないようです。危険な場所には近づかない事で、デトロイトの旅を楽しむ事ができるでしょう。