底なし沼の深さとは?抜け出し方や死亡事故を紹介!
底なし沼というと怖いイメージを持っている人も多いでしょう。子どもの頃、底なし沼はどこに続いているのか気になったという人もいるでしょう。今回は底なし沼の深さや底なし沼からの抜け出し方を紹介させていただきます。底なし沼には入らないようにしましょう。
目次
底なし沼とは?
「私の人生、底なし沼にはいってしまったようだ」というように、悪いことから抜け出せないという比喩にも使われる底なし沼ですが、実際の底なし沼とはどういうものなのでしょうか。今回は底なし沼についてまとめていきます。
底なし沼とアリジゴク
底なし沼と同じような比喩で使われるのがアリジゴクです。アリジゴクにはまってしまった、という比喩をつかうことも多いのではないでしょうか。
アリジゴクとはウスバカゲロウの幼虫になるのだそうです。アリなどを食べて成長をします。そのアリを捕まえるためにアリジゴクが作るワナのことをアリジゴクとも呼ばれています。
アリにとっては一度入ってしまうと抜け出せなくなる地獄ですが、実際にはアリジゴクがいる場所がワナの底にあたるため、底なし沼とは別物になります。
底なし沼は底のない沼?
ではアリジゴクとは違い、底なし沼には底のない沼のことを言うのでしょうか。底なし沼と呼ばれている沼にも底があるようです。
底なし沼は、沼の底に泥がたまっている沼で、一度足を踏み入れると沈んでしまうような沼のことを言うようです。海外の動画などでも、大きな動物が底なし沼にはまってしまうという動画がアップされていたりしますよね。
一度足を踏み入れると沈んで、脱出できずに抜け出せなくなることから、悪い事に引きづりこまれていくという比喩もできたようです。
本当に底なし?底なし沼の深さ
底なし沼は、底に泥が溜まっている沼ということなので、底はどこかにあるようです。地球上にあるものなので、底がないというのも変な話ですよね。では底なし沼の深さはどれくらい深いものなのでしょうか。
底なし沼を検証?
底なし沼の深さがどれくらいあるのか、子どもの頃には興味を持って調べたという人もいるかもしれません。底なし沼がどれくらいの深さがあるのか、それは多くの人の謎だったようです。その謎を解決するべく、底なし沼の深さを検証したテレビ番組がありました。
地元の人の話ではとても深さがあるからやめておいた方がいいなどの話も出て、お祓いまでやって深さの懸賞をしたそうです。
そこまでして深さを検証した結果、約2m37cmであることがわかりました。もう少し深いと思っていた地元の人たちはがっかりしたようです。
検証の仕方は、まずは人が入って深さを調べようとしたようです。しかしそこは底なし沼です。普通に入っていったのでは、深さが測れないということから、ヘリコプターを使った計測になりました。
ヘリコプターを使った計測もアナログで、ヘリコプターから棒を落として、それをひきあげてどれだけの水位があるか測るというものでした。
約2m37cmという深さが意外だったので、何か所かで測りなおしたようですが、それほどの差がなく、結局2m37cmで落ち着いたようです。
一般的な底なし沼の深さは?
日本には各地に底なし沼と呼ばれる沼があります。どの沼も沈んだら脱出する方法がなく、場合によっては死亡する場合もある沼ばかりです。
それらの沼の深さを調べてみると、平均の深さは3mから5mとなるようです。意外に深さがないと感じた人もいるかもしれません。
しかし水のようにすぐに脱出ができるのであれば、5m程度の深さなら問題ありませんが、脱出できない5mの深さは恐怖です。日本人の平均身長が170cm程度なので、3mの深さでも手をあげて誰かに助けを求めることもできないということになります。
5mの深さの場合、周りに誰かいて助けようと思ったとしても、何十人がかりでの救出作業になることが予想されます。
海から1人を救出するのでも、何人ものダイバーが救出活動をするように、底なし沼からの救出も、1人を救出するためには、何人もの助けが必要になるのです。
どうして何人もの助けが必要になるのか、それは底なし沼の仕組みに関係しているようです。
なぜ沈む?底なし沼の仕組み
底なし沼に1度足を踏み入れると、沈んで脱出できず、死亡にいたることもあると言われます。どうして底なし沼は、足を踏み入れると沈んでしまうのでしょうか。底なし沼の仕組みを解説していきます。
底なし沼の底にある泥に仕組みの原理がある
底なし沼は先ほどから書いているように、底がない沼ではありません。そこがない沼のように、足をとられて沈んでしまう沼であることから、底なし沼だと言われます。
底なし沼で足をとられてしまうのは、底なし沼にある泥の仕組みが原因です。底なし沼の底にある泥は、人の足で立っていることが難しい成分の泥でできている仕組みなのです。
これは砂に大量に水が含まれることで、土が固まらずにいる、不安定な状態になっている仕組みのものです。こういう泥のことを「流砂(りゅうさ)」と呼んでいます。
流砂がどうして底なし沼になるのか
流砂の仕組みの怖いところは、一見普通の泥や土と変わらないというところにあります。見た目は普通の泥なのですが、流砂に振動を加えることで、底なし沼になってしまう仕組みなのです。
流砂は振動がない状態のときには、土のように固まっています。そこに振動を加えると液体化する仕組みなのです。液体といっても水のようになるわけではなく、粘土やヘドロのようなネバネバとした土になるという表現が正しいかもしれません。
ネバネバとした粘着質の泥になる仕組みで、足が動かなくなり、沈んで脱出ができなくなるのです。
流砂の原理はチキソトロピー
このような流砂の仕組みをチキソトロピーと呼ばれています。流砂の仕組みであるチキソトロピーには、ボールペンのインクや流れ落ちないペンキに使われていることもあります。
ポールペンのインクは、ボールペンの先についているボールが動くことでインクを液体かしてペンから出すという仕組みになっています。
ボールペンも底なし沼と同じ原理で作られているというのは驚きですよね。身近なボールペンと怖い底なし沼は、同じ原理のものだったのです。
ちょっと雑学!ダイラタンシーとは
チキソトロピーと同じような原理のものに、ダイラタンシーという原理があります。チキソトロピーが小さな衝撃で物質を流動化するのに対して、ダイラタンシーは液体のものが固体化する現象のことになります。つまり、チキソトロピーとダイラタンシーは逆の変化を起こす原理ということです。
このダイラタンシーを体験できるのが、石川県能登半島の、千里浜というところです。千里浜は砂浜になります。普通なら砂浜を車で走るというのは難しいものですが、ダイラタンシーが働くことでこの砂浜は車で走ることができるのです。
どんなところに底なし沼があるのか
底なし沼というのは、ぱっと見では普通の沼とほとんど変わりがありません。沼地というのは、たくさんの生物がいる場所であるということが多いようです。
たくさんの生物がいるということを、生物多様性というそうです。たくさんの生物が、深く結びついて、その自然をつくっているという考え方のようです。そんな場所に、ちょっと怖い底なし沼があるのです。
底なし沼からの抜け出し方ってあるの?
一度足を踏み入れてしまうと、沈んで脱出が難しいと言われている底なし沼ですが、そんな底なし沼から脱出をする方法はあるのでしょうか。底なし沼から脱出する方法をまとめていきます。
底なし沼からの正しい脱出方法
それでは底なし沼からの抜け出し方を紹介させていただきます。できればはいることがないようにするのが一番いい底なし沼ですが、もしも底なし沼にはいってしまったときには実践してください。
紹介する底なし沼の抜け出し方は、あなたが健康で、元気がある状態だという前提になります。怪我をしているときや、周りに人がいるときは、一人でなんとかしようとしないで、助けを求めることが一番正しい抜け出し方になります。
まずは落ち着いて足の状態を確認する
底なし沼に入ってしまったようだと感じたら、まずはそれ以上沈まないように、落ち着くことが大切です。流砂はバタバタと動くと衝撃でさらに足を飲みこんでいきます。慌てて動けばさらに足が沈んでいくことになります。
まずは動かないように落ち着いて足が現在、どれくらい沈んでしまっているのか、抜け出し方を考えてください。
体を寝かせる
底なし沼にある泥は、流砂です。衝撃を与えなければ、固い土になっているはずです。まずは足を自由にするためにも体を寝かせて、少ない衝撃での抜け出し方に備える必要があります。
底なし沼は、すぐに足をとられるので、それほど奥まで入ってしまうということがないので、体を横にすることができるはずです。底なし沼のだいぶ水の量があるところまで入ってしまったという場合には、少し息をとめて体を横にする必要があります。
足をゆっくり引き出す
底なし沼からの抜け出し方は、ここからが本番になります。できるかぎり流砂に衝撃をあたえないように、足を泥から引き出していきます。
この作業がとても大変です。沼の水と流砂の力で、かなりの力が必要になります。体力がない状態ではそのまま水と泥に負けて沈んでしまうこともあるようです。
泥に足をつけないように脱出する
流砂から足が抜ければ、底なし沼からの抜け出し方としては成功したようなものです。あとは、また足を泥にとられないように気をつけながら、沼から脱出をしましょう。
底なし沼にはまったときのNG行動
底なし沼の抜け出し方を紹介させていただきましたが、抜け出し方を実践するときには、やってはいけないNG行動もあります。底なし沼に万が一沈んでしまったときには、NG行動をしないように気をつけながら、抜け出し方を思い出してください。
底なし沼にはまったときのNG行動◎パニックになる
底なし沼にはまったとき、抜け出し方を実践するときにやってはいけないNG行動は、パニックになってしまうということです。
先ほども書いたように、流砂は衝撃を与えるとさらに厄介な泥になります。抜け出し方を実践するときには、落ち着いてゆっくりと作業をすることが大切です。同じ抜け出し方を実践しても、バタバタと慌ててやると、さらに沈んでいってしまって、死亡にいたることもあるかもしれません。
底なし沼にはまったときには、パニックにならないように、一度落ち着きましょう。
底なし沼にはまったときのNG行動◎誰かを巻き込む
底なし沼にはまったときには、落ち着いて抜け出し方を実践してください。そのときにもしも誰かが傍にいるのであれば、助けを呼んでもらうようにお願いをしましょう。
助けを呼んでもらうお願いをしても、その人に助けを求めるのはよくありません。素人では流砂に一緒に引きずり込まれて沈んでしまう可能性があるからです。
レスキューなど、プロにお願いして助けてもらう方法が安全です。抜け出し方を自分ではできないという場合には、近くにいる人に消防やレスキューなどを呼んでもらって、助けてもらうようにしてください。
日本で起きた底なし沼の死亡事故
日本にも底なし沼があると書きましたが、日本の底なし沼では、事故が死亡事故になってしまったという事例もあります。底なし沼で死亡事故にあわないためにも、どんな死亡事故であったのか、事故の仕組みをみていきましょう。
宮城県大衡村の八志沼での死亡事故
日本の底なし沼での死亡事故として紹介するのが、宮城県にある八志沼での事故です。この事故で死亡されたのは、釣りにきていた父親と子供2人の3人です。どうして3人は死亡事故に巻き込まれてしまったのでしょうか。
八志沼とは
宮城県にある八志沼とは、農業用水を貯めるための沼として使われいました。駅から20キロ離れた場所にあるのどかな沼で、地元の人は釣り場としても訪れる場所になっていたそうです。
死亡事故の原因は?
釣りに来ていた親子が、死亡事故に巻き込まれてしまったのは何が原因だったのでしょうか。詳細はわかっていないようですが、おそらく釣りをしていて誰かが誤って沼に落ちて沈んでしまい、それを助けようとして3人が死亡事故に巻き込まれてしまったのではないかと考えられています。
死亡事故を回避するには?
八志沼での死亡事故は、八志沼のことを深く知らなかったために起こった残念な死亡事故だったかもしれません。死亡事故にならないようにするためには、どんな対策が必要だったのでしょうか。
まず一番に大切なことは、どんな沼であるのかをあらかじめ調べておく必要がある、ということです。その沼で以前に事故がなかったか、知識として持っておくことは大切です。
また可能であれば、ライフジャケットを着用していると良かったという点です。水に落ちたときに、少しでも浮く可能性があるのであれば、ライフジャケットは底なし沼でも対策としては必要です。
宮城県大衡村の八志沼は底なし沼なのか?
八志沼は、以前から事故がある沼だったようです。地元の人はそれを知っているからこそ、死亡事故に巻き込まれないように対策をして釣りを楽しんでいたのです。
今回死亡事故に巻き込まれた家族は、地元の人ではなかったため、穏やかな普通の沼だと思って死亡事故になってしまったというケースのようです。
八志沼の深さはわかっていませんが、すり鉢状になっている沼で、転落して沈んでしまうと脱出が難しい沼なのだそうです。
日本にある底なし沼をチェック
死亡事故の危険もある脱出の難しい底なし沼は、日本にも数多く存在します。そんな日本にある底なし沼をいくつか紹介させていただきます。くれぐれも興味本位で近づいたりしないようにしましょう。
日本にある底なし沼◎竜神沼
北海道稚内にある、坂ノ下神社の龍神沼は脱出が難しい底なし沼だと言われています。この龍神沼がテレビで深さの検証に使われたと言われている底なし沼です。
竜神沼は底なし沼としても有名ですが、パワースポットとしても有名なのです。日本の都市伝説でも有名で、龍のような生物がいたとかいないとかいう話もあるそうです。
<竜神沼>
稚内市西浜4丁目
0162-24-1216(稚内観光協会)
日本にある底なし沼◎蛇の穴
和歌山新宮市の浮島、浮島の森の中にある、蛇の穴も底なし沼だと言われています。浮島の森自体が観光地になっているので、比較的見学しやすい底なし沼になります。
蛇の穴にも、大蛇が住んでいるという言い伝えがあるそうです。その大蛇に飲み込まれて沈んでしまうのだとか。怖いお話です。
<蛇の穴/浮島の森>
新宮市浮島3-28
0735-21-0474
9:00~17:00
入園料:100円
日本にある底なし沼をチェック◎底なし御池
鹿児島県の十島村にある底なし御池は、深さが約4.5mある底なし沼だと言われています。脱出の難しい底なし沼がある割には、沼の中にはフナなどがすいすいと泳いでいるのどかな雰囲気です。
しかし周りにはほとんど人影がないため、実際に沈んでしまったら、脱出は不可能になるかもしれません。気をつけてください。
<底なし御池>
鹿児島郡十島村中之島
日本にある底なし沼◎釧路湿原
北海道川上群にある、釧路湿原にも底なし沼があると言われています。釧路湿原にある底なし沼は、ヤチマナコと言われる底なし沼です。
ヤチマナコの仕組みを持つ底なし沼は日本各地にあり、その中でも釧路湿原のヤチマナコは有名であるようです。
沼として見える水面はとても小さいそうです。しかし深く広がっていて、断面図にすると壺のような形になるのだそうです。知らずに行ってしまうと、脱出できない底なし沼にはまってしまうかもしれません。
<釧路湿原>
北海道川上群
底なし沼を体験できるところがある?
底なし沼は仕組みがわかっていても、素人が入っていくのはとても危険です。でもちょっと入ってみたいという好奇心旺盛な人もいるかもしれません。そんな底なし沼を体験したいという人にぴったりのスポットが日本にあります。
先ほども紹介した、底なし沼であるヤチマナコを体験できるツアーがあるのです。5月から10月の期間限定ですが、釧路湿原にあるヤチマナコを体験できます。
条件は130cm以上の身長がある2名以上での参加になります。大人1名3,000円、子ども1名2,000円です。とても危険なヤチマナコですが、しっかりとしたガイドもついているので、安心して体験ができます。
<湿原やちまなこ体験(自然散策ツアー)>
レイクサイドとうろ
※場所は勝手に入ると危険なため、参加者のみに連絡
015-487-2172(要予約)
底なし沼を題材にしたお話
怖いというイメージがある底なし沼は、話の題材として扱われることも多いようです。ここでは、底なし沼を題材にした話をいくつか紹介させていただきます。
童話「底なし沼の話」/岩永博史
岩永博史さんの底なし沼の話は、そのまま底なし沼のお話です。あらすじは、主人公が底なし沼になっています。底なし沼は底なし沼として、戯れに動物の足をすくっては、沼に沈めていました。しかし沼も歳をとります。そんなある日、木の上から小鳥のヒナが落ちてきたので、さっそく底なし沼は沼の底に沈めようとします。小鳥はどうなってしまうのでしょう、というお話です。童話なので、残酷なお話というよりは、不思議なお話としてまとまっています。
映画「サイコ」
ヒッチコックのホラー映画で有名な1本です。見た事があるという人もいるでしょう。ざっくりとしたあらすじは、モーテルに泊った女性が、そのモーテルの店主に殺されてしまいます。死体をモーテルの裏の底なし沼に沈めますが、もどってこない女性を心配した妹が私立探偵に捜査を依頼することから事件がスタートするというものです。
映画「悪魔の沼」
底なし沼ではありませんが、底なし沼だと言われるワニのいる沼が出てくるホラー映画です。あらすじは、アメリカの田舎のモーテルのお話です。モーテルに来た客を次々と殺していき、その死体をペットのワニに食べさせてしまうという店主の話です。「悪魔のいけにえ」を思わせる内容の映画になっているそうです。
危ない沼には近づかないことが大切!
今回は底なし沼の深さと、抜け出し方や死亡事故を紹介させていただきました。底なし沼が底なしではなかったというのには、ほっとしたという人もいるかもしれません。
世の中にある池や沼には、「危険」という立て札が立っている場所があります。それは穏やかな池や沼に見えても、死亡事故が多かったり、何かの理由で危険であることを地元の人が教えてくれているのです。危険だと書いてあるところには、近づかないようにしましょう。
また池や沼などに行くときには、あらかじめどんな池や沼なのか、どんな危険があるのかを調べてから出かけることができるといいでしょう。