スタービーチ(スタビ)とは?ガラケー時代の伝説の出会い系掲示板
スタービーチは2000年代に出会い系掲示板として人気を誇りました。現在では閉鎖されていますが、ガラケー時代の伝説の無料掲示板として今でも懐かしむ声が絶えません。現代のスマホの出会い系アプリやSNSとはどう違うのか、スタービーチの人気について調査しました!
目次
伝説の出会い系掲示板「スタービーチ」
ネット上での男女の出会いの場を提供するサービスとしては、古くは出会い系掲示板、最近だと出会い系アプリやマッチングアプリがあります。
スタービーチはガラケー時代の出会い系掲示板の中で最も成功したサイトです。出会えるサイトとして人気で、サイトの利用料金が無料だったことから、ガラケー時代の伝説の出会い系サイトと言われています。2009年に閉鎖しています。
スタービーチとは?
スタービーチは1999年の12月にサービスが開始されました。
1999年という年は、docomoでガラケーでインターネットを閲覧できるi-modeのサービスが開始された年でした。ポケベルからPHS、携帯電話へのユーザーの移行がほぼ終わりかけていた時代です。もちろん当時はまだガラケーでした。
女子高生やビジネスマンは携帯電話が必需品となっていて、これらのユーザーを中心にスタービーチが広まり始めました。そして2000年代になり携帯電話を1人1台所持する時代になると、スタービーチは爆発的な人気となります。
ガラケーでスタービーチなどの出会い系掲示板が閲覧できるようになる前も、パソコンのメッセンジャーなどを使いPCの公式サイトとしての出会い系サイトは存在しました。
しかし、ガラケーという誰もが持っているデバイスで利用可能になった事で、一気に裾野が広がったのです。しかもスタービーチはサイト開設から閉鎖まで利用料金が無料だったことから、ユーザーが桁外れに多く今でも伝説となっているのです。
ユーザーに惜しまれながら2009年1月に閉鎖
スタービーチはサイトの利用の手軽さ、ユーザー同士の出会いやすさ、匿名性の高さなどから爆発的な人気を博し、出会い系掲示板の筆頭として2000年代のガラケーコンテンツ界に君臨し続けます。
しかし、2009年2月1日にスタービーチはサービスを終了します。その後もしばらくサイトのURLだけは生きた状態でしたが、現在では完全に閉鎖されています。
閉鎖の理由としては、2008年12月に「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」という法律が施行され、更に2009年2月1日からは年齢確認を厳格化したルールが施行されたため、対応できなかったことが大きかったようです。
この法律の施行の理由としては、当時未成年の援助交際が社会問題となっていた事が挙げられます。
援助交際の温床として出会い系サイトの掲示板が存在していた事、そしてヤクザや中国人マフィアなどが運営する違法風俗業者の商売の場になっていた事、美人局やレイプ、盗撮による未成年の裏ビデオ販売などの事件が多発していました。
また、同時期の外的要因としてmixiやモバゲー、greeといったSNSが健全化したという事があります。かたやスタービーチなどの異性との出会いを価値として謳っていたサイトは援助交際や売春などの黒いイメージが付きまとい、ユーザーが離れつつありました。
前述の通りスタービーチは2006年の決算で売上12億8800万、経常利益8億3200万でしたが、2年後の2008年の決算は売上8億7200万、経常利益2億9400万と大幅に減っています。
同じ2008年、mixiは売上100億、経常利益37億と突き放しており、コンテンツとしても終わる運命にあったとも言えます。
そんなmixiもすっかり過疎化し、現在ではfacebook、instagramがSNSの中では人気コンテンツですが、2000年代のスタービーチやmixiのような勢いはありません。
昔の出会い系掲示にあたるマッチングアプリが盛んに広告を打っていますが、当時を知るユーザーからはやはりスタービーチは凄かったという声が多く、スタービーチは伝説化しています。
スタービーチが利用者から人気だった理由5選!
さて、2000年代の伝説の出会い系掲示板スタービーチですが、どのような点が人気だったのでしょうか。無料だったという点以外に、ガラケーにマッチしていたサイトの仕組みが強みだったことが見えて来ました。
サイトの利用料が完全無料だった
現在のマッチングアプリや出会い系チャットなどは、ほとんどがポイント制となっており購入したポイントに応じてメールを送れる本数が決まっていたりします。
たくさん連絡を取ろうと思うとそれだけたくさん料金が発生し、クレジットーカードに請求が発生します。
しかしスタービーチはどれだけサイトを利用してたくさんの人と連絡を取ろうが、発生するのは通信事業者から請求されるパケット通信量のみ。サイト自体にユーザーが払うお金がなかったのです。この仕組みはサイトの誕生から閉鎖まで変わりませんでした。
余談ですが、当時は「パケ死」いう言葉が流行りました。パケット通信量が定額でなかった時代なので、出会い系サイトでたくさん通信を行い翌月が5万円以上の請求が来るということが多発しました。
その携帯代を払うために女子高生が出会い系掲示板で援助交際を…というパターンも多かったようです。
とはいえ、うまく連絡する件数を取捨選択すれば通信料を抑えることは可能なので、スタービーチが本人の使い方次第でかなり安く使える掲示板だったのは間違いありません。
同時期に存在した出会い系サイトには、現在にも共通するポイント購入制や月額固定制のサイトもありました。しかし、それらと比較しても掲示板スタイルのスタービーチは、「安くて手軽」というユーザビリティで圧倒的な優位を誇っていたのです。
掲示板スタイルが手軽
スタービーチは出会いたい男女が、自己紹介をサイトの掲示板に書き込み、それを見て連絡を待つというスタイルでした。
現在のSNSアプリでは自分のプロフィールをある程度入力し、携帯電話番号へパスワードを記載したSMSが送られるなど、登録時の手間や個人情報入力が必要ですが、スタービーチではその必要がありませんでした。
その都度掲示板に書きこむスタイルは、今でこそ面倒臭いと感じるかもしれません。しかし当時は個人を特定されることもないですし、出会いたいときだけ書き込めばいいというのがヒットしたわけです。
表示できる情報量が少ないガラケー時代ならではの人気理由だった、と言えるかもしれません。スマホから自分の管理画面を弄るスタイルのSNS型が主流の現在では、難しい仕組みかもしれません。
直アドでの連絡だから会える
スタービーチの掲示板に載せる連絡先は直アドでした。自分の携帯電話キャリアのメールアドレスをそのまま掲載していたのです。
今ではあまり考えられませんが、その当時はgmailやyahooなどで、無料のフリーアドレスを作るという風潮があまり一般的ではありませんでした。ガラケーしか持っていないユーザーに「PCのフリーアドレスを作る」という感覚がないのは仕方ないでしょう。
ですので、直接本人と連絡が取れるから会える可能性が高いということで、スタービーチの掲示板は人気でした。これもガラケー時代ならではです。
サブアドレスの提供サービス
とは言っても本人のアドレスを晒しているわけですから業者から大量のスパムメールは届きますし、本人が特定されたり、嫌がらせに合うケースもあるわけです。
そこでスタービーチはサブアドレスとしてxfire.jpというアドレスを無料で提供するサービスを始めます。これを使うことで、自分のアドレスを晒さずに掲示板で連絡を取ることが可能になりました。
しかし、これによって掲示板の匿名性が高まり、サクラを使う援デリ業者、詐欺業者などが爆発的に増えます。サイトの衰退の一因となったとも言えるのです。
サイトが落ちにくかった
スタービーチは最盛期で1200万PV/日あったと言われています。この数字も伝説的です。現在出会い系アプリで最大手のPCMAXの累計会員数が1000万人とされているので、どれだけ凄まじい人気かお分かりでしょう。
それにもかかわらずスタービーチは、ほとんどサーバーが落ちることはありませんでした。推測ですが、掲示板機能だけに絞ったシンプルなサイト構成が、サーバーへの負荷を抑えていたのでしょう。無料であることを考えると、よくやっていたと言えます。
スタービーチの衰退期になると他の出会い系サイトや一般のSNSのように動画機能などをつけることが検討されたこともあったようです。もし実現されていれば、サーバー負荷が増え、これまでのように「落ちないサイト」という評価をキープできたかは疑問です。
しかし、結局実装されないまま、2009年にスタービーチは閉鎖します。ある意味、伝説の掲示板のままで閉鎖できたのはよかったのかもしれません。
スタービーチ以外の出会い系は?
ガラケー時代は、伝説のスタービーチ以外にどんな競合サイトがあったのでしょうか?
スタービーチと同じ無料掲示板タイプで比較的人気があったと言われているのが、Mコミュ。現在につながる会員制の出会い系サイトが「PC MAX」「ハッピーメール」といったあたりでした。
Mコミュは「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」の施行のタイミングでスタービーチと同じく姿を消しています。
「PC MAX」「ハッピーメール」が現在でも出会い系のアプリの中では大手と言えるので、SNSに近いサイトの成り立ちがうまくスマホ時代にマッチングしたと言えるでしょう。
出会い系サイト規制法の改正(2009年2月施行)
スタービーチの閉鎖の原因は出会い系サイト規制法が改正され、それまでの「広告収入だけで収益を上げる」というビジネスモデルが続行不可能になったためと言われています。
規制法の内容は?
「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」の施行以降は、以下が必須になりました。サイト利用者の身分証の提出、有料サービスの場合はクレジットカード決済、サイト内での売春行為を示すようなワードの削除。
それまで、スタービーチはサイトの利用料は無料でした。サイトの収入のほとんどは広告費で、2006年には売上12億8800万、経常利益8億3200万という凄まじい数字を叩き出しています。
スタービーチのような出会い系掲示板は、運営のコストがほとんどかからないというのが。経営する側の魅力でした。無料なので人はどんどん集まります。サイトに人が集まれば集まるほど広告を出稿したい企業が増え儲かる仕組みだったのです。
今のSNSのように多彩な機能も必要なく、ユーザーが大事なのは会えるか会えないかだけのシンプルな価値観でした。ですのでリニューアルの必要はほとんどなく、あるのは落ちないサーバーを維持する事だけだったのです。
しかし「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」が施行されると、身分証の確認が必要となり、これまでかからなかった人的コストが発生します。
そうなると無料での運営を続けることは難しく、有料化の流れとなりますが、クレジットカード決済をするためのシステムをサイト内に作らないといけないため、大掛かりなリニューアルが必要となり大きいコストになります。
また、有料化する事で当然ユーザーは離れるでしょう。NGワードの巡回も人がやるのかロボットにやらせるのか…どちらにしてもコストがかかるのです。
以上のような理由から、これまでのユーザーは無料というビジネスモデルが成り立たなくなり、スタービーチをはじめとする出会い系掲示板は、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」の施行と同時に閉鎖するのです。
スタービーチ閉鎖の理由・原因は?
スタービーチの閉鎖の直接の原因は法改正によりビジネスモデルが世の中に合わなくなってきたことはすでに述べました。しかし、法改正がなくともガラケーに合わせたサイトの方向性自体が、時代遅れになり始めていた感もあります。
当時mixiやモバゲー、greeと言ったSNSが人気を博していましたが、2007年に初代iPhoneが発売されて以降、各SNSや会員登録性のサイトは機能を拡充させていく方向へ動いていました。
デバイス自体でできることが増えたので、それに合わせてSNSやサイトも変わっていったのです。
スタービーチはそのシンプルさが、ガラケーユーザーの支持を集めた出会い系掲示板でした。スマホSNSユーザーのニーズに合わせるには、サイトの方向性自体をガラリと変える必要がありました。
しかしシンプルな運営スタイル、運営に人数がそれほど必要なかったことから、変化に対応できるだけのリソースがあったかどうかは疑問なのです。
スタービーチ閉鎖後の利用者はどこへ?
さて、それほど人気があった伝説のスタービーチですが掲示板閉鎖後はどこに流れたのでしょう。これは正直のところ全く不明です。
当時勢いの出始めたSNSですが、人気があったSNSは出会い系としての使い方はされていたのでしょうか?
mixiは内輪の知り合い同士のコミュニティという側面が強く、規制が厳しかったので出会い系サイトとしての使い方はあまりされなかったようです。モバゲーも同様に規制が厳しかった。greeは比較的ゆるく、一定数スタービーチから流れたという噂はあります。
スタービーチのユーザーは無料だから利用しているというユーザーも多かったため、現在サービスを提供している「ポイント制マッチングアプリ」はニーズが合わない感じがします。
どちらかというとmixiなどの無料のSNSの方が利用しやすさという意味ではいいのかもしれませんが、SNSの運営の方向性が出会い系ユーザーにマッチングする方向性ではなかったということです。
スタービーチと名前が似ているアプリがある?評判は?
さて現在でも出会い系アプリは多数存在しますが、その中でスタービーチに名前が似ているサイトが存在します。あの伝説のスタービーチの後継サイトなの?と思う方は多いでしょう。実態はスタービーチとは何の関係もないサイトであることがわかりました。
「伝説のスタービーチ」の名前を借りて集客を狙っているサイトであることがほとんどです。実際スタービーチの閉鎖後も、後継のサイトを期待する声がやみません。しかし、似たような名前のサイトは詐欺サイトであるのが実情です。
以下で紹介するサイトは実態は出会い系サイトであるにも関わらず、アプリの禁止事項に「出会い・不純な交際等の目的の利用禁止」などとの記載があります。
出会い系サイトの必要要件である運営会社、住所、連絡先を記載しなくてもいいように、出会い系サイトではないことをあえて書いているのです。当然これはアウトですので、怪しい業者であることは間違いありません。ダウンロードはしないでください。
スタービーチ S
本家スタービーチとは一切関係のないサイトです。サイトの仕組みは有料のポイント制。1ポイント10円で、1通メールを送信するのに20ポイント、つまり200円かかります。これは現行の他の出会い系アプリ、マッチングアプリと比べても非常に高い料金設定です。
Androidのアプリとしてインストールできますが、ユーザーレビューの内容が良すぎるのも怪しいです。実際に利用された方によると、登録後すぐにメッセージが来てカカオとLineのIDが送られて来たが、その後は一通も連絡なし。
運営側がポイント課金をさせるために桜投稿をたくさんしているのではないかと推測されています。実際ユーザーとして並んでいる写真もサクラっぽい写真ばかりです。入会はお勧めできないアプリです。
スタービーチ DX
本家スタービーチとは一切関係のないサイトです。サイトの仕組みは有料のポイント制。1ポイント12円で、個別メッセージの送信は20ポイントなので、240円かかることに。高すぎです。
他にプロフィールを閲覧するのに3ポイント、すれ違いメッセージと言って、GPSを使い近くに通った人に自動的にメッセージを送れる機能が1通6ポイント。
登録後にやはりサクラのようなメンバーから「会いたい」というメッセージが届きます。運営側がユーザーのポイントを消費させて、課金を狙うアプリでしょう。入会はお勧めしません。
スタービーチプラス
本家スタービーチとは一切関係のないサイトです。ただ、悪質かどうかと言われるとそうでもないかもしれません。というのも、このスタービーチプラスは完全無料のため他のスタービーチの名前を借りたアプリのように課金される心配がないからです。
しかし、中身は過疎状態。登録されているユーザーもプロフィールがスカスカの空登録や、かなり前のログイン、熟年、明らかなサクラだったりして出会い系サイトとしての有効性は?です。
料金的な意味で悪質ではないとしても、LineIDの回収に使われている可能性がありますので、わざわざ入会する必要はないでしょう。
スタビ
本家スタービーチとは一切関係のないサイトです。スタビはStar Beeと表記されています。サイトの仕組みは有料のポイント制。まとめ買いすると安くなる仕組みで1通メールを送るのに61.5〜120円。前述の他サイトと比べると安く感じますが、そこが運営側の狙いです。
サイトに登録すると、やはりサクラらしき会員からメールが大量に届きます。業者の登録も多いようで、実際に出会える確率はほぼないと言っていいでしょう。入会はしないでください。
女性が出会い系アプリを利用するのは安全なのか?
「出会い系ってやっぱり危ないんだ…とは言っても普段の生活で男性と知り合う機会もあまりないし」とお考えの女性も多いことでしょう。女性が出会い系アプリを利用するのはやめたほうがいいのか?安全な方法があるのか?考察して見ました。
出会い系・マッチングアプリの持つ役割
出会い系・マッチングアプリは、「ぶっちゃけた出会い」を求める方と「真剣な出会い」を求める方それぞれのニーズに応える形にはなっています。
とはいえ一般的には、セックスフレンドやその場だけの性欲解消用のパートナー、もっといえば援助交際のような売春行為に使われるというイメージが多いと思います。実際、登録する男女比は圧倒的にヤりたい男性の割合が多かったのがこれまでの出会い系でした。
しかし、最近では婚活系のマッチングアプリや、本人確認を厳格に行うサイトも増えており、女性でもある程度安心して利用できるような流れにはなってきてい流ようです。
出会い系・マッチングアプリ利用者の声
「ネットでの出会いって怖かったけど、私はちゃんとした人に出会えました」
「登録して最初の2ヶ月で4人くらいと会えた」「本人確認の書類を郵送したり在宅確認があって面倒だった」「会って見たら写真と全然違う人もいた」
様々な声があるようです。
女性が出会いを探すには?
もしweb上で彼氏を本気で探したい、婚活したいとお考えの場合は婚活系の出会い系サイトに登録するのが一番安全です。mixiが運営するYYCやYahooが運営するYahooパートナーなどが人気です。料金が月額なのも安心です。
ただし、本人確認がかなり厳格に行われたり、真面目な出会いを探している方が多いので、ちょっとした火遊びや、気楽に付き合える異性のパートナーを見つけたいと言った方には重すぎるかもしれません。
他の出会い系アプリだとハッピーメールやタップル誕生、withなどが人気です。
出会い系アプリを使うのは圧倒的に男性が多いため、女性が登録すればある程度反響があることが多いです。ただ、こればかりは使ってみないとわかりません。
スタービーチは伝説の出会い系掲示板でした
いかがでしたか?今回は2000年代に一斉を風靡した伝説の出会い系掲示板スタービーチをご紹介しました。ガラケーユーザーが主流だった時代性にマッチしたサービスだったと言えます。
次世代のスタービーチと言えるほどの出会い系アプリは今後生まれるのでしょうか。次なる伝説に期待しましょう。