カソック(キャソック)とは?神父が着ているコートのような服って?

カソック(キャソック)について説明します。カソック(キャソック)とは神父が着ているコートのような服のことです。カソックの凛とした感じがカッコいいと思う人は結構な割合でいるようです。気になるカソックについて調べてみました。

カソック(キャソック)とは?神父が着ているコートのような服って?のイメージ

目次

  1. 1神父さんの着ている服がかっこいい!
  2. 2カソック(キャソック)とは?
  3. 3神父さんはいつカソックを着るの?
  4. 4カソックはどんな構造になっているの?
  5. 5カソックの色には意味がある
  6. 6神父と牧師の違いとは?
  7. 7カトリックとプロテスタントの違い
  8. 8神父になるためには?
  9. 9カソックを着てみたい!通販で購入できる?
  10. 10カソックに興味がある人は教会に行ってみよう

神父さんの着ている服がかっこいい!

神父さんの着ている「カソック(キャソック)」を聞いたことはありますか?テレビ番組やや映画などで神父さんや教会はよく紹介されることがあります。教会に行った人もいるかもしれません。きっと、誰でもカソックを纏った神父さんの様子を目にしていると思います。

カソック(キャソック)とは神父さんが着ているコートのような服のことです。カソックに似た衣装は聖職者をイメージさせるので、かっこいいと思う人もいるようです。カソックに似た衣服を纏った人気アニメのキャラクターもいます。

皆さんが気になっているカソック(キャソック)とは一体どんなもの何なのか?神父が着ているコートのような服をネットで購入して自分も着る事が出来るのか?神父になるにはどうすればいいのか?などについて、ご紹介していきます。

カソック(キャソック)とは?

カソック(キャソック)とは、神父さんの平服です。上記の写真のように、神父さんが普段に着る独特な衣装の事を言います。ちなみに「神父」という言葉は信者から呼ばれる敬称です。神父さんの役職名(正式には位階)は司祭となっています。

司祭という役職名(位階)は正教会・カトリック教会・聖公会のみで用いられます。この中で司祭を「神父」と呼ぶのは「正教会」「カトリック教会」です。聖公会では司祭を「先生」と呼ぶそうです。一方、プロテスタントに司祭はいません。

カトリックと聖公会の司祭平服がカソック。正教会はリヤサという形の違う平服を着ます。カトリック・聖公会・正教会・プロテスタントについては、後述の「カトリックとプロテスタントの違い」「西方教会と東方教会って?」をお読みください。

神父さんはいつカソックを着るの?

カソックは、神父さんが儀式以外に着用する「普段の制服」です。神父のお仕事は主に三つ。一つは信者を導く事です。二つ目は布教活動。三つ目の重要なお仕事は儀式を執り行う事です。ミサなどの儀式の際は神父はカソックではなく祭服を着ます。

最近はカソックを常に着用する神父さんは少なくなっているそうです。街に出る時も一般の人が着るお洋服を着て外出するので、街で見かけても神父さんかどうか、分からないこともあるそうです。

カソックを格好いいと思う人もいるようですが、カソックは衿元も空いておらず窮屈そうに見えますし、長くて歩くのに不便な感じがします。着用する神父さんの身になれば、普段着はズボンとTシャツなどの着やすい服の方が楽なのかもしれません。

カソックはどんな構造になっているの?

ではここで、カソックの詳細を見て参りましょう。ただの黒くて長い衣装に見えますが正式なカソックは独特の造りになっています。カソックはどんな構造になっているのか説明します。

ローマンカラー

神父さんの服装で特徴的なのは、衿に差し込まれているローマンカラーと呼ばれるものです。上の写真のような白い幅広の衿をローマンカラーと言います。後ろにボタンがついていて留める形になっています。

なぜ、カソックの衿元にローマンカラーを付けるのか、ハッキリとは分かっておりません。ローマンカラーは司祭の証であり、周囲に自分は司祭であると認知してもらうためと言われています。

ただ、ローマンカラーをきっちり付けて過ごしている神父さんも今は少なくなってきているようです。また、祭服になった際は、上から身に付ける物等の関係でローマンカラーは見えなくなるそうです。

ストラ

ストラとは「ストール」の事です。衿元から下に垂らすマフラー帯のようなものです。ストラは祭服に付けるもので、カソック着用の時には付けません。ストラは装着方法によって階級が分かるようになっているのだそうです。

ストラの由来ですが、キリスト教に関わる役職の証として用いられるようになった、という説や、礼拝の際に、手を拭うためのタオルの代わりとして活用されていたという説があります。

ストラの色は白、赤、紫、緑の4種類が基本となっています。教会で行われる礼拝は種類によってテーマカラーが決められています。これを祭色・典礼色というそうです。身に付けるストラの色もそれに従い使い分けます。

ボタンの数

カソックには小さなボタンが付いています。ボタンの数は衿のすぐ下から裾まで33個と決まっています。なぜ33個なのかといえば、イエス・キリストが地上で過ごしたのが33日間だからなのだそうです。

尚、最近のカソックのボタンは、服の途中から飾りボタンにしてあるものもあるようです。さすがに33個のボタンを一つ一つかけるのは大変なのかもしれません。

カソックの色には意味がある

神父さんが普段着に着用するカソックについて見てきました。カソックは黒色だけでなく4種類の色があります。階級によってカソックの色が決められています。カトリック教会の役職はピラミッド型の階級式になっています。頂点はローマ教皇(法王)です。

トップ(ローマ教皇)が着用する「白いカソック」を皮切りに、赤色のカソック、赤紫色のカソック、黒色のカソック、と続きます。それぞれの色のカソックについて説明します。

黒色のカソック

まずは、スタンダードな黒色のカソックです。黒色のカソックは、司祭(神父)さんが着用します。神父さんは教会から儀式を執り行う資格を与えられ仕事をする人です。

神父さんになるには、どうしたらいいのか、神父さんの年収などについては、あとで詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。

ちなみにカトリックの神父は妻帯できないという決まりがあり、生涯を独身で通します。また女性もカトリックの神父にはなれません。牧師であれば、結婚も出来ますし女性でもなれるのだそうです。

赤紫色のカソック

赤紫色のカソックは、司教が着用する事になっています。司教とはカトリックの階級の一つで、教区を監督する役目があります。教区とは、一定地域に点在する教会を取りまとめるための区域の事です。

司教とは普通の神父さんより一段上の階級と言うことになるのでしょうか。ちなみにカトリック以外のキリスト教(正教会や聖公会)では、このような監督業務を行う役職の事は「主教」と呼ぶそうです。

赤色のカソック

赤色のカソックは、枢機卿(すうききょう)が着用します。枢機卿(すうききょう)とは、耳慣れない言葉ですが、カトリック教会の最高顧問であり教皇(ローマ法王)を補佐する役目を担っています。枢機卿は現在世界に213人いるそうです。

枢機卿は、前述した司教の中からローマ教皇が自由に任命します。任期は特に決まっていないそうです。枢機卿は「信仰のために命をささげる覚悟」を表すために「カーディナルレッド」という真紅のカソックを着用することになっています。

実は日本にも枢機卿は存在しています。長崎県生まれの前田万葉氏は2018年5月20日にフランシスコ教皇(ローマ法王)より日本人としては久しぶりに枢機卿として任命されています。

白色のカソック

白色のカソックは、ローマ・カトリック教の最高位である教皇=ローマ教皇(ローマ法王)が着用します。ちなみに日本では「ローマ法王」の呼称の方が馴染みがありますが、正式な教皇の日本語名称はローマ教皇なのだそうです。

尚、現在のローマ教皇フランシスコは、2019年の訪日に向けて調整が進められています。これが現実となればローマ教皇の訪日は実に38年ぶりになるとのことです。フランシスコ・ローマ教皇は清貧の人と言われ贅沢を嫌い教団の改革に尽力されているそうです。

神父と牧師の違いとは?

ここで神父と牧師の違いを説明します。ざっくり言うとカトリック教会、正教会にいるのが神父で、プロテスタント教会にいるのが牧師です。神父の正式な役職名は司祭です。司祭は「聖職者」で信者の代わりに神と繋がって儀式を執り行うことが出来る人です。

一方「プロテスタント」は「万人が祭司」という立場を取っています。祭司を通さなくても個々がキリストに教えを乞えるわけです。そのためプロテスタントの信者であれば基本は誰でも儀式を行えることになっています。

従って、プロテスタントにおける牧師はカトリック教会のような「聖職者」ではなく「教職者」という位置づけです。教えるのは聖書の内容です。牧師は神学校に行き推薦を貰い経験を積まねばいけません。そして信者に聖書を詳しく教える役目を担うのです。

カトリックとプロテスタントの違い

そもそもカトリックとプロテスタントの違いは何なのでしょうか。両者は元は同じキリスト教の宗派でした。ところが「マルティン・ルター」などの宗教改革者がカトリックのやり方に抗議(プロテスト)したことから、破門され両者が分かれたのです。

カトリックは伝統を重んじます。また聖母マリア崇拝・聖人崇拝があります。一方プロテスタントは聖書のみ拠り所とし聖書に記されてない「聖母マリア崇拝・聖人崇拝」はしません。カトリック教会は豪華ですが一般的なプロテスタント教会は質素になっています。

カトリック教会は権力がローマ教皇に集中しているので、考え方も統一されています。しかし、プロテスタントはカトリック教会のような階級制はなく基本は信者は皆平等という立場です。考えの相違が出やすい事からプロテスタントは様々な教派に分かれています。

西方教会と東方教会って?

では、ここでカトリックと正教会の違いを見ていきます。簡単に言えばカトリックは西方教会に属し、正教会は東方教会そのものを指します。では西方教会と東方教会の違いは何なのでしょうか。それは、各々の広まった地域の違いと考え方の違いです。

キリスト教はローマ帝国によって広められました。その中の二大勢力だったのが西欧の「ローマ教会(西方教会)」と東欧の「コンスタンティノープル教会(東方教会)」でした。両者は共存関係にありましたが、お互いの考え方の違いから分裂したのです。

西方教会にはカトリック・聖公会・プロテスタントがあります。大きく東西という分け方をすれば、カトリックもプロテスタントも同じ西方教会の位置づけになります。尚、狭義の解釈では西方教会はカトリック教会をそのものを指す場合もあります。

神父になるためには?

さて、神父は誰でもなれるのか、神父は実際にどんなところで働き、どんな仕事をするのか興味がある方もいるでしょう。まず、神父になるにはどうすればいいのか、ご紹介します。前述した通り、神父と牧師では前提条件に大きな違いがあります。

牧師は女性にもなる事ができ、男性は結婚も出来ますが、カトリックの神父は独身男性しかなれません。ちなみに正教会の神父であれば結婚も可能なのだそうです。いずれにしても、そういった違いを頭に入れてから進む道を考えるといいようです。

神父になるためにはまず、カトリック系か正教会系の神学校や大学の神学部に入る必要があります。これらの学校に入るのは、入学資格が必要です。入学資格は「独身男性(カトリックの場合)」「洗礼を受ける」「信者歴1~3年」「司教の推薦」です。

学校卒業後は神父のアシスタントを務めるなどで経験を積んでいきます。やがて自立して一人前の神父になっていくのだそうです。神父の資格というものは特にないようですが、その前の条件はそこそこ厳しく道のりは長そうです。

神父のお給料はいくらぐらい?

長い道のりを経て神父さんになった方々は、教会だけで働いているのでしょうか。実は神父さんは学校で教鞭を取っていたり、教会が運営する幼稚園などのお手伝いをしたり、講演活動をするなど仕事は様々あるようです。

気になる年収ですが、月々の基本給は15万円程度、年収に換算すると180万円ほどしかないそうです。しかし、住居費用や水道光熱費などは教会が負担してくれること、家族を持たないことから何とかやっていけるのだそうです。

お給料は何処から来るのかと言えば、日本のお寺と同じで信者からの献金や、婚姻、葬祭時の謝礼などで賄われているそうです。

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カソックを着てみたい!通販で購入できる?

さて、キリスト教やカソックの仕組みについて知ったところで、カソックを着てみたい!と思った人もいるでしょう。果たして一般人でもカソックは手に入れる事が出来るのでしょうか?

カソックは、正式な物として通販で手に入れるのは難しそうですが、コスプレとしてのカソックに似た衣装ならば、通販でいくらでも手に入れる事はできます。

信者ではない一般の人なら、本物のカソックと偽物のカソックの違いは分からないと思います。しかし、信者には本物かどうか見分けは付くはずです。仮に通販で本物のカソックが売っていたとしても、それを着て安易に外出するのは止めた方が良さそうです。

カソックに興味がある人は教会に行ってみよう

神父が着ているコートのような服、カソック(キャソック)について説明しました。また、神父になるにはどうすればいいか、カソックの色の違いなどについても説明しました。話は変わりますが、日本人は無宗派層の割合が多い事で知られています。

初詣は神社に行き、お葬式やお墓参りはお寺で、クリスマスはキリスト教に則って行うような人が大勢います。今回説明したカトリック教会は世界最大規模のキリスト教組織で信仰者は12億人もいるそうです。地域によっては無宗派の方が珍しい場合もあるのです。

今回のカソックがきっかけとなり、キリスト教に興味を持つ人もいるかもしれません。その時は教会に足を運んでみてはいかがでしょうか?日曜礼拝などは信者でなくても行っても構わないのだそうです。事前にお近くの教会を調べ連絡してから行ってみましょう。

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